「テラフォーミング・マーズ・カードゲーム:アレス・エクスペディション」の感想など

もはや殿堂入りと言ってよさそうな名作ボドゲ「テラフォーミング・マーズ」のカードゲーム版です。オリジナルもカードゲームだと思うのですが、こちらはより一層カードに特化して簡略化されています。

「テラフォーミング・マーズ」と「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」を足したようなシステムなので、どちらかをプレイした事があればルールもすぐに把握できるでしょう。そう、テラフォを「ヴァリアブルフェイズオーダーシステム」で遊ぶのがこのアレス・エクスペディションです。
専門用語でわけがわからなくなっている方は申し訳ありません。ヴァリアブル何とかシステムというのは「プエルトリコ」や「サンファン」、「レース・フォー・ギャラクシー」といった名作ゲームたちに採用されてきた、それはもう輝かしいシステムなのでつい特記したくなるのです。

アレス・エクスペディション
本家と比べるとメインボードがこじんまりしている

毎ラウンド全員でやりたいアクションを同時に公開して、各プレイヤーに選ばれたアクションだけを行います。誰も選ばなかったアクションはこのラウンド行いません。
たとえば「資源を産出」を2人が選び、「カードをドロー」を別の1人が選んだ場合、全員がその2種類のアクションを行います。自分が選んだアクションについてはボーナスが付いてきます。これがヴァリアブルフェイズオーダーシステムです。

それ以外で本家テラフォと違うところは、火星のボードが海洋タイルしかない、カードドローの際は購入しなくてよい、建材やチタンは毎ラウンド使い捨て、ドローも産出もアクション扱い。と言うくらいです。あとはほぼ一緒。
3つの地球化要素である「火星に海をつくる」「気温を上げる」「酸素濃度を上げる」をすべてクリアしたらゲーム終了です。テラフォと同じ。

アレス・エクスペディション
個人ボードはすごく使いやすい

そしてなんと、アレス・エクスペディションは個人ボードが豪華ダブルレイヤーシステム標準装備。つまり、ペラペラの紙一枚ではなく置いたキューブがずれないように層になってるのです。これテラフォは非公式の2層ボードを買ってましたから素晴らしいです。本当に使いやすい。
個人ボード見てもらうとわかりますが、見慣れないリソースがあると思います。上から二段目の青いリソース、これカードを引ける枚数です。アレスではドローも産出扱いになっているのです。あとは建材とチタンが溜まらないくらいで同じです。

アレス・エクスペディション
カード類はオリジナルと同じ感じなのですぐ理解できる

カード類はテラフォと同じアイコンと文字説明が書いてあります。テラフォ経験者なら一発で理解できるでしょう。未経験でもかなりわかりやすい、と言うかカードを熟読しないとわからないような複雑な効果はほとんどないので、難しそうと身構えないで大丈夫です。わりと単純。


感想など

プレイした感想としては、「けっこうしっかりテラフォやってる感がある」でした。プレイ時間は慣れるまで90分くらいかかります。なので結局オリジナルが大好きな人はアレス・エクスペディションよりもオリジナルをやりたがると言うのもわかる気はします。僕は3時間くらい平気で溶けるオリジナルも好きですが、ぎゅっと圧縮しているようなアレス・エクスペディションも好きです。気軽に今日はこれやろうよと言える感じがいいですね。オリジナルのテラフォはゲームスタートするまでにある種の覚悟が必要なので。

アレスはコンポーネントが非常に豪華なのがすごく良いです。ダブルレイヤーの個人ボードだけでも感動ものですが、キューブのトレイが最初から2つ含まれています。

アレス・エクスペディション
こんなキューブトレイが2つも標準装備

プレイに必要なスペースがそんなに広くなくても良いのも気に入っています。自分の前に大量にカードを展開するのはオリジナルと同じですが、メインボードが小さいのでだいぶ余裕があります。

簡略化した結果、都市や森林タイルがなくなっている上に全体目標的な褒賞などもなくなっているので、得点源が限られているのは否めません。どうやら拡張版でそのあたりは改善されるようです。拡張の方もぜひ日本語版を出してほしいですね。
そうそう、ソロプレイも非常に面白いです。