もくじ
『テラフォーミング・マーズ』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
個人ボード(プレイヤーボード)について
感想など


『テラフォーミング・マーズ』の簡単な説明

1~5人用。プレイ時間120分~。この記事を書いている時点のBGGでは3人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通。非常に高く評価されていて、世界各国で30以上の賞にノミネートされ、多数受賞しています。

「テラフォーミングマーズ」は2400年頃の未来が舞台です。火星を地球に似た環境へ改造(テラフォーミング)する世界プロジェクトがはじまるのです。プレイヤーはその火星のテラフォーミング計画に参加する企業の代表のような立場になります。何世代にもわたる計画を遂行し、最も火星の地球化に貢献した企業になりましょう。

テラフォーミング・マーズ
ルールを知らないと難しく見える

3人プレイが最高ですが、プレイ時間が長くなります。2人でも十分楽しいですし、ソロプレイもやりごたえがあります。何人で遊ぼうと世界の評価の高さも納得の面白さです。カードを理解してしまえばプレイ時間も短縮されていきます。ルール自体はそんなに難しくありません。

カードが大量にあり、かなりの言語依存があります。2021年3月現在は再版されて入手しやすくなっている完全日本語版がオススメです。


こんな感じのゲームです

知的かつ難しそうに見えますが、基本的にはカードゲームなのでそこまで身構えなくても大丈夫です。
BGGに置いてあるmaxixe氏が作成したクイックスタートガイドが非常にわかりやすいので詳しくはそちらを見てください。

まずボードの説明をします。

テラフォーミング・マーズ
メインボード

火星の表面は白線でヘックス型に仕切られていて、そこに都市や緑化タイルを置いてテラフォーミング貢献点(勝利点)を稼ぎます。

テラフォーミング・マーズのゲーム終了条件は
・酸素濃度が14%に到達。
・気温が8度に到達。
・海タイルが火星に9枚置かれた。
以上の3大要素が全てクリアされたらゲーム終了します。

テラフォーミング・マーズ
3大要素のひとつ酸素濃度。14%までいけばクリア

メインボードの上部にあるのが酸素濃度計です。これが14%まで進むと、ゲーム終了の3つの要素のうち1つがクリアされます。
酸素濃度を1%上げる方法はいくつもありますが、基本的には火星表面に緑化タイルを置いたときに上がります。植物の力で酸素が増えるからですね。

テラフォーミングマーズ
3大要素のひとつ気温。8度まで行くとクリア

メインボード右側にあるのが気温計です。これは8度までいくと、ゲーム終了の3つの要素のうち1つがクリアになります。
気温を上げる方法もいろいろとあります。基本的には発熱のリソースを支払うか、標準アクションでお金を支払うかで上げることができます。
ちなみに標準アクションでは小惑星を火星に誘引して落下させることで熱を得ているという設定です。

テラフォーミングマーズ
3大要素のひとつ海洋タイル。9個全てが火星表面に置かれるとクリア

酸素濃度と気温の間に置いてあるのが海洋タイルです。9枚置いてあり、そのすべてが火星表面に置かれるとゲーム終了の3つの要素のうち1つがクリアになります。
海洋タイルを置く方法もいろいろですが、基本的には標準アクションでお金を支払うことで置くことができます。海洋タイルを置けるのは火星表面の薄い水色のついた場所だけです。火星の地下にある帯水層から水を得るということのようです。

以上3つの地球化に必要な条件全てをクリアすると、地球化が完了したということでゲームが終了します。

これら3種の条件を1つ進めることは地球化へ大きく貢献したとみなされます。ひとつ進める度に勝利点として1点が与えられます。
このゲームの勝利点は、毎ラウンド与えられる支給金にそのままプラスされるので拡大再生産の要素としても重要です。以下に例を出します。

テラフォーミングマーズ
緑化した時の勝利点の入り方の例

上の画像は、赤プレイヤーが緑化タイルをひとつ火星に置いた時の例です。緑化タイルの上に赤プレイヤーのマーカーを置いて、誰が置いた緑化タイルかわかるようにします。緑化タイルが置かれたのでボード上部の酸素濃度が1%に上昇しました。3大要素のひとつが1つ上昇したので、テラフォーミングに貢献したとしてボード外周の左にある勝利点マーカーを1点増やしました。これで次のラウンド開始時には支給されるお金に1金プラスされます。


ゲームのスタート時に各プレイヤーは自分がプレイする企業を選びます。企業カードを2枚引き、1社を選びます。
企業ごとに特色や能力が異なります。

テラフォーミング・マーズ
選ぶプレイヤー企業によってプレイ方針が変わる

毎ラウンド開始時に手札の補充と金の支給や資材などの産出を行います。
ゲームはスタートプレイヤーから交互に2アクション行っていくことで進行します。2アクション使ってもまだ何かアクションを行える場合は、次のプレイヤーの手番が終わった後で再度自分の2アクションを行うことができます。
1ラウンド(1世代)は全てのプレイヤーがもうアクションを行わないと宣言するまで続きます。他のプレイヤーが何を行うかを様子見してもいいですが、自分の手番には必ず1アクションは行わなければいけません。

アクションは手札からカードをプレイする、標準プロジェクトのアクションを行う、プレイした青カードのアクションを行うなどがあります。

テラフォーミングマーズ
標準アクションの一覧はボードに書いてある

アクションは何をするにもだいたいお金が必要です。ちなみに標準アクションとして25金を払うと都市タイルをひとつ火星に置いて、毎ラウンド貰える支給金を1金増やすことができます。テラフォーミングに貢献してはいないので勝利点にはなりませんが、収入を増やす貴重な手段です。


個人ボードも軽く見てみましょう。

テラフォーミングマーズ
個人ボード。これは別で買ったアップグレード版

個人ボードの左上はお金の項目で、毎ラウンド支給される額の表示と所持金管理に使います。上段右二つは建材とチタンで、こちらも毎ラウンド受け取る数字と所持数の管理に使います。下段は左から緑化ポイント、電力ポイント、熱量ポイントで、同様に毎ラウンドの受け取る数と所持数になります。
実際のプレイ中はこのように使います。

テラフォーミングマーズ
個人ボードのお金のスペース

プレイヤーの色マーカーを茶色背景の毎ラウンド支給される数字の場所に置いておきます。上部の背景に書いてある勝利点プラス茶背景の数字が毎ラウンド受け取ることができるお金の総額です。所持金は上部に置いておきます。大きな金キューブは10単位、小さい銅キューブは1単位です。いまは22金持っています。他の項目も同様です。電力だけはラウンド終了時の余剰分は熱量に変換されます。


カードについても軽く触れておきます。

テラフォーミングマーズ
波の力で発電するプロジェクトカード

カード左上の数字がこのカードをプレイするために支払うお金のコストです。そのすぐ隣にはプレイ条件が書いてあることがあり、この「波力発電」だと海洋タイルが3枚以上火星に置かれていないとプレイできません。水が無ければ波で発電できませんものね。
右上にはタグと言われるマークが書いてあり、このタグの種類がプレイ条件になっていたりします。
下部にはアイコンとその説明文が書いてあり、このカードの場合は「毎ラウンドの発電量を1つ増やす」となります。カードによっては「ゲーム終了時に勝利点プラス1点」などの数字入り火星マークが書いてあります。

毎ラウンドアクションとして使えるカードや、他プレイヤーの資源を奪い取ったりするカードもあります。大量にカードがあるゲームなので、ルールによっては手札の補充をカードドラフトにしたりしてインタラクションを増すこともあります。


個人ボード(プレイヤーボード)について

テラフォーミング・マーズの個人ボードは上に乗せるマーカーやトークンの数が多く、ちょっと触れて配置がずれると何もかも滅茶苦茶になってしまいます。ボードと言う名の紙ペラ一枚なので仕方ないのです。

テラフォーミング・マーズ
標準の個人ボード。ペラペラでマーカーがずれやすい

そこで、非公式ではありますが別売りのボードを強くおすすめします。レイヤー構造になっていて、段差があるのでマーカーがしっかりはまって動きません。

テラフォーミング・マーズ
段差があるので混ざったり動いたりしない

長時間に及ぶゲームなので、1度や2度はボードを動かしてしまうことがあります。2層式のプレイヤーボードならズレを心配するストレスなく遊ぶことができるようになります。僕はもうこれなしでは遊べません。


感想など

すごく楽しく遊べるゲームです。勝敗と関係ない部分での面白さが非常に強くて、勝とうが負けようがその過程自体が楽しいので長時間に及ぶゲーム中ずっと楽しいです。リプレイ性も高いです。

火星のテラフォーミングということで、近未来SFがテーマです。僕はぜんぜん詳しくないですが、ジャンルとしてのSFは好きなので映画や小説などで多少は見たり読んだりしています。そんな素人に毛の生えたような僕でさえ、このゲームはすごくテーマとゲーム性が良く噛み合ってできていることがわかります。1枚として同じものが無いこのゲームのカードの、効果とコストの妥当性というか、納得できる具合がすごいのです。また、3大要素を上げるためのアクションもなるほど、と思うような物ばかりです。中にはそんな無茶な!というのもありますがそれすらも楽しいですし、フレーバーテキストやカードの絵も含めて満足度がすごく高いです。

テラフォーミングマーズ
小惑星を火星に落として大気温度が上がる。小惑星に含まれていたチタンを得る。落ちた場所の植物は大量に燃えてしまう。どれも違和感なく受け入れられる

スタート時に選ぶ企業も能力だけでなくバックボーンのようなフレーバーテキストがあり、「あぁ、この会社は北欧の電力会社だから『ソー(北欧神話の雷神)』なのか。世界の電力を牛耳ってそうだな」と会社の事にまで想像が広がります。

そしてプレーヤーの存在は何なのかという事にまで思いを巡らせると。
このゲーム、テラフォーミング計画に参加している企業の社長としてプレイしているのではないのです。1ラウンドを1世代と言うことからわかるように、ひとつのカードをプレイした効果が出るまで50年くらい経過しているはずなのです。広大な土地に苔をモリモリ生やしたとして、惑星の酸素濃度を1%上げるのは数年というわけにいかないでしょう。1ラウンド目におおよその進むべき方向を定めて、社運をかけたプロジェクトを数枚選んだ社長は2ラウンド目にはもう引退しているのです。すると、我々プレイヤーは社長ではなく「連綿と受け継がれていく企業理念のようなもの」ということになります。10ラウンドでゲーム終了するとして500年にも及ぶ挑戦です。その道筋は初代社長の選んだプロジェクトが礎になっている(あるいは4代目あたりで急激な方向転換をして修正している)のです。超かっこいいじゃないですか。

テラフォーミング
何度もプレイしたくなる

実際のゲーム内容は、マップのどこに都市を建てるか、緑化のタイミングは今で良いのか、ゲーム終了させてしまっていいのかどうかなど考えることがたくさんあります。「このカードは3世代後に必要になるから取っておきたい、だけどカードばかり買っていると今の世代で使える資金がなくなってしまう」というような、ボードゲーマなら悩みつつ悦んでしまうような要素がたっぷりなのです。
計画通りなら次世代にまず森タイルを置いて酸素濃度を上げて…となるはずが、対戦相手の出した「鳥類」カードによって緑化ポイントがムシャムシャ食われてしまい計画がパァになることもあるでしょう。その憎い鳥を自分の出した「捕食獣」カードでムシャムシャ喰って勝利点にしてしまうこともあるでしょう。テーマ性だけではなく、ゲームとしても非常に楽しいのです。そりゃBGGランキング5位以内にずっといるわけです。

人気作なので拡張セットも多数出ています。現在日本では入手困難なものもあり、僕はまだ手を出していません。再販か、いっそのことすべてまとめたBigBoxのようなものを期待しています。
というわけで名作です。現代に生きるボードゲーマーなら、触れずに済ますのはもったいないとさえ言えるようなゲームです。ぜひプレイしてみてください。