もくじ
・サンファンの簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など


『サンファン』の簡単な説明


2~4人用。プレイ時間30分~60分。
この記事を書いている時点のBGGでは3人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通。そんなに難しくないと思います。ここで紹介しているのと同じ第2版が日本では『サンファン 2』というタイトルで流通しています。

名作ボードゲーム『プエルトリコ』のカードゲーム版です。本家プエルトリコの名前だけ借りた、安易なあやかりゲーかと思いきや、名前負けしていない面白さと独自性があります。後年ヒットした『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』の元ネタになった事でも有名なゲームです。

サンファンのプレイ中
手札は全部建物のカード

様々なバージョンがあるゲームなのですが、僕が持っているのはドイツ語版の第2版と思われる「プエルトリコ・カードゲーム」です。
日本語化シールを自分で貼って遊んでいます。


こんな感じのゲームです

本家『プエルトリコ』によく似たシステム(ヴァリアブルフェイズオーダーシステム!)があるカードゲームですが、こちらの方が運の要素が強いです。
山札となるカードはすべて建物のカードで、それはもう大量にあります。それ以外には重要な役割カードなどがあります。

常に共通の場に出ている5枚の役割カードから1枚を親番(このゲームでは総督といいます)のプレイヤーが選び、全員でその役職をプレイします。ただし、同じ役割でも親番のプレイヤーにだけは特権ボーナスが付きます。
たとえば、親番のプレイヤーが「建築家」の役割を選んだら、プレイヤー全員が1枚の建物カードを手札からプレイして建てることができます。この時、親番のプレイヤーだけは1コスト安く建てることができる特権があります。みんなが建築をし終わったら、手番が次のプレイヤーに移り、残っている他の役割を選びます。こういう感じでゲームが進行します。

サンファンの役割カード
役割カード。「建築」を対面の総督プレイヤーが選んでいるところ

一番の特徴として、このゲームはお金の扱いが変わっています。この手のゲームでは普通はコインで所持金を管理するのですが、このゲームでは手札のカードが1枚1金扱いなのです。手札のカードは全て建築する候補の建物でもありお金でもある。ということで、建築のコスト支払いは手札をコスト枚数ぶん捨てることで行われます。
建物を建てると手札が一気に減るのでカードを引ける役割を選びたくなるのですが、それは他のプレイヤーも同じなわけで駆け引きが生まれます。

建物にはそれぞれ固有の能力があり、建てることでどんどん有利になっていきます。ここが楽しいところですね。建てれば建てるほどできることが強力になっていきます。
ちなみに、1度選んだ役割は、すべてのプレイヤーが役割を1回ずつ選び終わって役割リセットされるまで選ぶことができません。

誰かが建物を12件建てたらゲーム終了です。
建物についている勝利点や、建物固有の能力による勝利点を合計して最も点数の高いプレイヤーが勝者になります。


感想など

まだ第2版の日本語版がなかった頃にどうしても欲しくなり、ドイツ語版を個人輸入で購入しました。ドイツ語はさっぱり分からないのでカード和訳をスリーブに入れて遊んでいます。が、どうやら縮尺を間違えていたらしく、役割カードは全体的にひと回り小さい和訳の紙が入っています。うーん作り直したい。

あきらかにひと回り小さい和訳の紙が入っている

去年ちゃんとした日本語版『サンファン2』が発売されたので、手間とこの失敗具合を考えると少し待てばよかったかなとも思います。今は日本語版がどんどん出るんですよね。今から買うなら日本語版が良いと思います。

このゲームは2人プレイより3人プレイの方が楽しいです。とはいえ運の要素が強いので2人でも十分楽しめます。プエルトリコを2人でプレイすると、運要素が希薄なので詰将棋でもやっているような気分になることがあるのですが、このサンファンはカードの引き運がかなりあります。ただしバンバン山札を引けるようになるので、運が悪かろうがいずれは良い建物もバンバン引けます。

ちなみに本家プエルトリコ未経験の人が「簡易版プエルトリコらしい」と思って予習代わりにサンファンを先にプレイするのはおすすめしません。似て非なる2つのルールで混乱するばかりで、サンファンによる予習の効果はあんまりないでしょう。
でもサンファンを覚えたらプエルトリコに手を出したくなるのは必至です。こんなに面白いなら本家はどんだけ面白いんだ?ってなります。

サンファン
スリーブに入れちゃうと箱には絶対入りきらない

軽めの中量級なのでカードゲームとしては少し時間がかかります。でも満足度もそれに見合ったもので、終わった後に「あーしっかり遊んだなぁー」となる感じです。
役割選択によるプレイヤー同士のインタラクションがあるので、ソリティアやソロゲーを個々人でやってるような感覚にはなりません。しっかり対戦している楽しさがあります。


はじめてだと能力がわかりにくい「クレーン」という建物を建て替える能力のある建物があります。僕はいつかクレーンをうまく使って高得点を取ってやろうと思っているのですが、クレーン建て替え作戦を狙いに行って勝ったことがないです。いつか「公園」との鬼コンボ決めたいものです。
「ギルドホール」が強カードであるのはもちろんですが、弱い高コストカードとされている「凱旋門」でギルドホールを建てた相手にギリギリ勝ったことが何度かあるので、ゲームバランスは結構いいんじゃないかと思います。

それにしてもこのゲーム、まぁバージョンがわかりにくいこと。2004年に出た「サンファン」の初版と、その初版の日本語版があり、その後2014年に出た拡張入りの第2版と、おそらく内容物は同じドイツ語の「プエルトリコ・カードゲーム」。それから2020年に出たサンファン第2版の日本語版「サンファン2」。「サンファン2」ってタイトルの新ゲームが出たのかと思いました。別ゲームだと思ってダブって買わないようにしましょう。

ヒットしたゲームのダイスゲーム版やカードゲーム版はやっつけ感というか、ネームバリューに甘えてる物が多いような印象を持っているのですが、このプエルトリコカードゲーム「サンファン」は別格です。お気に入りのカードゲームのひとつです。