もくじ
・『13 Minutes: The Cuban Missile Crisis, 1962』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『13 Minutes: The Cuban Missile Crisis, 1962』の簡単な説明
2人プレイ専用。プレイ時間13分。
ルール難易度は普通。シリアスながらも短時間で軽く遊べるゲームです。
「13 Minutes: The Cuban Missile Crisis, 1962」は、日本では「キューバ危機の13分」とか「13ミニッツ」、「13分間:キューバ危機」というタイトルで紹介されていることがあります。現実にあった出来事がテーマのカードドリブン型ゲームで、同じタイプの名作ゲーム「トワイライト ストラグル」をギリギリまで簡略化したようなゲームです。
残念ながら2021年2月現在、日本語版はありません。僕は英語版を買って自作シールを貼りました。
プレイマットはBGGにファイルが無料配布されているのを印刷して使っています。
誤訳があるかもしれませんがカードを日本語化したものを置いておきます。
13minutesカード日本語化ファイル.PDF
こんな感じのゲームです
まずアメリカ陣営かソビエト連邦陣営かを選びます。アメリカ陣営は青の影響力キューブ、ソ連陣営は赤の影響力キューブをすべて受け取ります。
先手番順を決めるために、各プレイヤーは影響力キューブを好きな数だけ隠し持ち、同時に公開します。出した影響力キューブの多いプレイヤーが先手後手を選びます。この手番争いに使用した全てのキューブは各プレイヤー共にゲームから除外します。
手番順が決まったら、13枚の山札からカードを1枚引いて、裏向きのままプレイエリア中央の中立地帯に置きます。これがキューバの戦場カードとしてゲーム終了まで裏向きのまま使われます。
各プレイヤーは2枚ずつ手札を引いてゲーム開始です。
手番に行う事は、手札から1枚カードを出してプレイすることだけです。
カードは、プレイエリアの中立地帯か自分の陣営のどちらかのエリアを選んでプレイします。プレイしたカードは「戦場カード」として扱います。
プレイしたカードには右上のアイコンの効果を使うのと、カード下半分に書いてあるイベントとして使う2通りの使い方があります。
カード右上のアイコンは、左から「動かせる影響力キューブの個数」、「そのカードの勝利点」、「デフコンマーカー(オレンジ=軍事)(緑=政治)(紫=国際世論)」です。
カードを右上のアイコンの効果で使う場合は、アイコンに書いてあるキューブの個数を見ます。
今出したカードも含む、プレイエリアに出ている戦場カードすべてから1枚選んで、その上にアイコンに書かれている個数の影響力キューブを置きます。
または、プレイエリアに出ている戦場カードに置かれている、自分の陣営の影響力キューブをアイコンに書かれている個数だけ回収します。
影響力キューブが置かれたカードは、1つだけ自分の陣営側にエリア移動します。
影響力キューブが回収されたカードは、1つぶんだけ敵陣営側にエリア移動します。
※キューブが何個置かれてもエリア移動は1つです。
例:アメリカ陣営にある戦場カードにソ連の影響力キューブが3つ置かれたら、中立地帯にカードを移動する。
例2:中立地帯にある戦場カードからソ連の影響力キューブが2つ回収されたら、アメリカ陣営にカードを移動する。
カードをイベントとして利用するときは、下半分のテキストに書いてあることを行うだけです。
ただし、イベントとして使えるカードは自分の陣営の色のカードと国連のカードだけです。敵陣営のカードはイベントとしては使えません。
重要:手札から敵陣営の色のカードを出したときは、まず先に敵陣営プレイヤーがそのカードのイベントを使用するかどうかを決めます。敵陣営プレイヤーがイベント効果を処理してから、カードを出したプレイヤーが右上アイコンの効果を適用してください。
カードを1枚プレイしてアイコンかイベントとして効果を処理したら、山札から1枚引いて手札を2枚に戻します。
これで手番は終了です。次のプレイヤーに手番が移ります。
山札から引くカードがなくなり、各プレイヤーの手札が1枚ずつになったらゲーム終了です。最終得点計算を行います。
最終得点計算
ゲームが終了したら、プレイエリアにある戦場カードを確認します。
・戦場カードの上に、より多くの影響力キューブを置いているプレイヤーがその戦場カードを支配している
・影響力キューブの数が同じ(ゼロも含む)場合は、自陣営エリアに戦場カードがあるプレイヤーがその戦場カードを支配している
・影響力キューブの個数が同じで中立地帯にある戦場カードはどちらの支配でもない
確認が終わったら、以下の4ステップで勝利点を出してください。
1、戦場の支配点:支配している戦場の勝利点を合計する。キューバは2点、その他の戦場は全て1点。
2、軍事力の勝利点:キューバのカードを表に返して、オレンジ色の軍事デフコンマーカー(カード右上の放射能マークがオレンジ色のカード)の数を各プレイヤーで比較する。支配している戦場カードのうち、オレンジ色のデフコンマーカーの数が多い方が1勝利点を得る。
3、危機後の余波点:手札に残った1枚のカードの右上に書かれたキューブアイコンの数(カードの色などは関係ない)が、相手プレイヤーより多かった場合、1勝利点を得る。
4、核戦争の勃発判定:最後に残った手札の1枚を、各プレイヤーは自陣営に置く。自陣営エリアに置いてある戦場カードに書かれているデフコンマーカーが同色で3枚以上になった場合、そのプレイヤーは核戦争の引き金を引いたとして即座に敗北する。両プレイヤーが核戦争を起こした場合は引き分けでゲームは終了する。
1から3までの点を合計して、かつ核戦争が勃発していなかった場合、勝利点が多い方のプレイヤーが勝利します。
※キャンペーンモード:どちらかが合計13点になって勝利するまでゲームを繰り返す。核戦争が勃発した場合は即座にキャンペーンを終了する。
感想など
このテーマとシステムのゲームが13分で終わるなんてありえないと思うでしょう。「トワイライト ストラグル」なんて3時間くらいかかるのに。僕も購入してルール読むまでは「13分?ってなんだろ。キューバ危機で一番大事な決断に要した時間が13分だったのかな?」などと考えていました。プレイ時間だったとは。確かに慣れると15分前後で終わります。
キューバ以外の戦場カードはどれも1勝利点なので、どうせならと1枚2点のキューバに影響力キューブがてんこ盛りになりがちです。
ところがゲームに慣れてくるとキューバはある程度放っておいても良い事に気が付きます。そうです。このゲーム、同色デフコンマーカーを相手に押し付けることができるのです。影響力キューブは置くばかりじゃいけないのです。回収して敵陣営に戦場カードを送り込みましょう。
3つ同じ色のデフコンマーカーを自陣営にためた状態でゲーム終了すると核戦争勃発で敗北です。そしてカードは13枚しかないのです。手番は5回しか回ってきません。5回しかないのにキューバだけを熱心に取り合っている場合ではないのです。相手にデフコンを押し付けて核戦争の責任を負わせるのです。その合間に核戦争回避の時のことも考えて、戦場カードもある程度支配しないと。なんだこれ激ムズなのでは。
相手プレイヤーが僕のような非人道的な核戦争勝ち狙いではない場合、1点が大きな意味を持ちます。おそらくキューバを最終局面で自陣営に引っ張る勝負になるでしょう。オレンジ色の軍事デフコンマーカーの1点で勝敗が分かれることもありそうです。
「ウォーターゲート」の時と同じで、キューバ危機の事を何も知らなくてもプレイはできます。でも知っていると数倍面白くプレイできると思います。そして、ああ、当時は本当に世界の終わりが近かったんだなぁ、と思いながらプレイしましょう。
「あの日見たポトマック川沿いの夕日は美しく、その時この夕日を生きてもう一度眺めることができるのだろうか、と思った」
ソ連に対する空爆会議をした日について マクナマラ国防長官
手番順の優劣がかなりあるような気もしますが、運要素も強いのでそこまで気になりません。キャンペーンモードで遊ぶと満足度も高いと思います。
史実がテーマのゲームは好き嫌いがハッキリ分かれるジャンルです。もしお嫌いでないのなら、ここまで軽くプレイできる史実系ゲームも珍しいので一度遊んでみてください。過大な期待は禁物ですが想像以上にしっかりしたエリアマジョリティとカードドリブンを堪能できます。