今回は雑記です。


みなさん、インストどうやっていますか?
はじめてプレイするゲームのルールを皆に説明するのはものすごく難しいですよね。ごく最近も「マラカイボ」で初回プレイのインストを失敗した人の体験談が話題になっていました。(外部リンク:マラカイボで失敗した話
身につまされる思いで読みましたよ。

僕も「マラカイボ」の時は苦労しました。
あの時は20時頃から身内のゲーム会が始まり、「マラカイボ」を持ち込んだ僕がインストする役でした。というか身内のゲーム会では何故か常に僕がインスト係をやらされています…。参加者には「グレート・ウエスタン・トレイル」のデザイナーのゲームで、同じような重量級の周回すごろくだという事は伝えてありました。つまり参加者全員にある程度の覚悟はあったのです。

ゲームの準備をルールブック片手に行い、各トークンやカードの名称やゲーム内での役割などを一言二言添えてセッティング完了しました。談笑しながらだったとはいえその時すでに40分ほど経過していました。
いよいよルールの説明に入るとあまりの項目の多さに、喋り続けた僕の口内はマスクをしているのにも関わらずカラカラに乾き、聞いている方は頭を抱えて床を転げまわり休憩を要求します。友人が床を転がりながら言った「基本セットなのにすでに拡張が2つくらい入っているじゃないか!」が忘れられません。ちなみにこの「床を転がりながら」という表現は誇張でも漫画的表現でもなく、彼に現実に起こった事です。彼はまるで受験勉強で壁にぶち当たった学生のように「もう嫌だ」と叫びながら後ろに倒れ込んでそのまま床を転がっていました。そのつど10分ほど休憩を要求する始末。
友人が床を4回か5回転がり終えた頃、ルールブックの最終得点計算のページに入りました。僕が「もうこれで終わりだから!最終得点計算の説明するよ!」と半泣きで告げた時、驚くなかれ時計の針は23時を回っていたのです。まさかインストで3時間も食うとは。

マラカイボ
インスト地獄ゲーム「マラカイボ」

結局その日のプレイは断念し、テーブル上に準備したメインボードやカード類はそのままの状態にして翌日に延期することにしました。おかげで参加者は減り、2人プレイをすることになりました。翌日行った実際のゲームプレイ時間は3時間弱。それだって長時間に及ぶ重ゲーですが、なんならインストの時間の方がゲームプレイ時間より長いくらいでした。それでもゲーム中しきりに友人が「このゲームは一回覚えたら一生遊べそうなコスパ最高のお値打ちゲームだ」と言っていたのが救いです。これだけ頑張って面白くなかったら悲しすぎます。

さて、この「マラカイボ」の時は土日だったことと、プレイヤーが床を転げまわっても諦めない程度の覚悟とモチベーションを持って参加してくれていたから上手くいきました。しかしほとんどのオープン会や、限られた自由時間をボドゲ会に割いて参加してくれている忙しい社会人が参加者の場合、こうはならないでしょう。「もうこのゲームはやめませんか、みんなが知っているゲームにしましょう」と言われて「マラカイボ」は永遠に封印されるのです。
どうしたらよいのでしょう?

YouTubeなどでインスト動画を全員で視聴して、ある程度の流れを理解してからルールブック読みに入るのはゲームによっては最高の解決策になります。「ビブリオス」のインスト時、ルールブックだけでは全く意味がつかみきれなかった我々を救ってくれたのはYouTube動画でした。流れを動画で見てしまえば理解しにくかった第一フェイズと第二フェイズの扱いなどが一瞬で理解できたのです。こういう例は多々あります。
しかし、「マラカイボ」に関してはまったくそうはなりませんでした。大まかなルールはすでに全員理解できているのですが、枝葉にわかれた細かいルールのすべてをすべて教えてくれる動画はそもそも存在しておらず、その細かいルールが重要なゲームなのでYouTubeも役には立ちませんでした。

ビブリオス
ルールブックが全く頭に入ってこなかったビブリオス

インスト係の究極の夢は「全員が前日までにルールを把握しておく」です。それができたらどんなに楽でしょう。毎度そうならどんなに素晴らしい事か。でもそれは無理というものです。みんな「マラカイボ」のルールブックを熟読するよりも、やらなければいけない事が山ほどある人生なのです。
販売元などがイチからすべて解説してくれる動画をゲームの発売に合わせて作るべきでしょうか。正直言って難解ゲームだけでもそれやってもらえると助かります。しかし一部のところ以外ではやっていないのが現状です。販促動画すらまだ珍しいのではないでしょうか。

このブログの各ゲーム紹介にある「こんな感じのゲームです」項目を読んでいただけばわかる通り、僕はルール説明が上手ではないのです。それなのに常にインスト係を任されている僕からハッキリ言わせてもらうと、インスト込みでボードゲーム会なのです。どうせやるのですから皆でインストを楽しむべきです。皆で集中して食い入るようにインストを聞きましょう。一言も聞き漏らしてはいけません。
もちろんインスト係は常任となり、なったからにはインスト術に磨きをかけて、笑いあり感心ありの飽きさせないインストトークを出来るようになるのです。それしか道はありません。誰かインスト代わってください。