トランプのゲーム「ブリスコラ・キアマタ」の紹介と感想など

トランプカードを使う正体隠匿チーム戦のトリックテイキングです。馴染みのないタイトルはイタリア発祥のゲームだからかな。
トリックテイキングがわからない人は、「ザ・クルー」の記事内に簡単な説明があるので読んでみてください。

本来のブリスコラ・キアマタは5人でプレイするものですが、ここではゲーム会用に4人でも比較的短時間で遊べるように調整したルールを紹介します。5人で遊ぶときの変更点も書いておきます。

基本ルール

トランプデッキから9、8、7、とジョーカーを抜いた40枚でプレイします。

カードランクの強さは
強い A 10 K Q J 6 5 4 3 2 弱い
の順です。
10がAの次に強い事に注意してください。

トリテとしてのルールは一般的な「マストフォローの切り札アリ」です。 ※追記 本来伝統的なブリスコラ キアマタではメイフォローでプレイするようです。

プレイの流れ

まずディーラーを適当な方法で決めます。
・ディーラーは各プレイヤーに10枚を配ります。
・ディーラーの左隣のプレイヤーから順にビッド(入札宣言)していきます。

ビッドの詳細
順番にカードのランク(数字)をビッド(宣言)します。
このとき、既にビッドされている数字より弱い数字しかビッドできません。
最初のビッドを行うプレイヤーの初回ビッド以外はパスしても構いません。ただし、一度パスをしたらその回はもうビッドに参加できません。
1人以外が全員パスするまで、またはランク「2」の宣言があるまで順番にビッドし続けます。
(例:プレイヤーY君「Q」、左隣のU君「J」さらに左のI君「6!」、ディーラー「パス」、Y君「パス」、U君「パス」、以上でI君が最終ビッド者)

・ビッドで最後まで残ったプレイヤーがこの回の「デクレアラー」となります。
・「デクレアラー」は配られた手札を見て、この回の切り札になるスート(スペードやハートなどのマーク)を自由に指定します。
・「デクレアラー」がビッドしたランクの切り札カードを持っているプレイヤーが秘密の「デクレアラーのチームメイト」になります。
自分がデクレアラーのチームメイトだと公表してはいけません。
デクレアラー自身が秘密のチームメイトの場合、この回は1対3の戦いになります。

・初回はデクレアラーがリード(最初の1枚)を出すプレイヤーになります。2トリック目からはトリックを取ったプレイヤーがリードになります。
・10回のトリックを行い、終了時にデクレアラーとチームメイトの取得したカード得点が61点以上(得点は後述)になったらデクレアラーチームの勝ち。
ゲーム得点を計算する。
・ディーラーが左隣のプレイヤーに移動して次のゲームを行います。
・全員がディーラーを行ったらゲーム終了。

カードの得点とゲームの得点

トリック10回終了時に計算するカードの点数
A.11点 10.10点 K.4点 Q.3点 J.2点 その他.0点

勝敗が決まった後のゲームの得点
デクレアラーが1対3で勝った +3点 他のプレイヤーは-1点
デクレアラーチームが勝った チームの2名は+1点 他のプレイヤーは-1点
デクレアラーチームがすべてのトリックを取った 上記得点が2倍

デクレアラーが1対3で負けた -3点 他のプレイヤーは+1点
デクレアラーチームが負けた チームの2名は-1点 他のプレイヤーは+1点


5人で遊ぶときは8枚配りになることと、デクレアラーが受け取る(支払う)得点が1点多くなるだけです。チームメイトの点は変わりません。


感想など

正体隠匿のトランプゲームとしてかなり面白いゲームだと思います。
ルールをパッと見ただけだと複雑な感じがするかもしれませんが、一度やってしまうと簡単なことがわかるでしょう。
ビッドの対象がよくある「取れるトリック数の宣言」ではなく「チームメイトになる人の持ってる切り札のランク」であるというのがとても特殊で、このゲームの一番の特徴です。
つまり、ビッドの際に(なるべく手札の強い人とチームになってデクレアラーで勝ちたい)と誰もが思うわけです。ただし、ビッドが続くとどんどん弱くなっていき、お荷物チームメイトになる可能性も出てきます。ビッドの引き際が難しい所ですね。

切り札の指定もできるのでデクレアラーが間違いなく有利です。4人プレイだとちょっと有利すぎるかもしれません。今回は4人で遊べるルールの紹介メインにしましたが、5人で遊べるなら5人の方が面白いです。本来の5人用ブリスコラ・キアマタは2対3になるので、4人で遊ぶのとは全然違うプレイ感になります。

誰がチームメイトかは指名したデクレアラーですらわからないので、序盤はみんな疑心暗鬼になります。何でそのカードを出した、こいつまさか…と思って邪魔をするようなプレイをすると、実は不可抗力であやしいカードが出てきただけでしたという事があったりして混乱します。チームメイト指名のカードが場に飛び出した時にうわお前だったのかと盛り上がるでしょう。
それと、10の扱いに注意が必要です。うっかりすると10がKより強い事を忘れてしまいます。カードの得点順にランクも強いという事をプレイヤー間でしっかり共有しましょう。

ある程度トリテに慣れたプレイヤー向けの渋めのゲームですが、正体隠匿ゲームはそれだけでドキドキ感が増して面白いものです。しかし正体隠匿のトランプゲームは難しいルールのものが多いので、このブリスコラ・キアマタはルール難易度的にはやさしくてプレイしやすいと思います。これに慣れたら「ドッペルコップ」などに挑戦したくなりますよ。