もくじ
『ザ・クルー 第九惑星の探索』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
トリックテイキングって何
感想など


『ザ・クルー 第九惑星の探索』の簡単な説明

2~5人用。プレイ時間20分~。この記事を書いている時点のBGGでは4人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は簡単。協力プレイのトリックテイキングという異色作ですが非常に評価が高く、様々な賞を受賞しています。

「太陽系の端に未知の第9惑星があるようだ」と科学者たちが言い出しました。謎の惑星の存在を確認するには実際に行ってみるしかないということで、宇宙探検隊が組織されることになりました。プレイヤーはその宇宙探検に応募した宇宙飛行士となって、チームの一員として危険な宇宙ミッションに挑みます。

ザ・クルー

テーマは壮大でもやることはトリックテイキング

3人以上なら標準ルールで遊べます。2人用の特殊ルールは人間がもう一人いるテイで手札をプレイヤーが操作する感じです。2人用はまた違う難しさがあります。
トリックテイキングがよくわからない人のために簡単な説明を下でしておきます。

ミッション形式のゲームなので言語依存があります。日本語版をお勧めします。2021年3月現在は容易に入手できます。


こんな感じのゲームです

トリックテイキングをぜんぜん知らなくてもミッションを1から進めていけばわかる仕掛けになっているゲームです。
とはいえ一応トリックテイキングの基本的な事をちょっとだけ説明しておきます。

トリックテイキングって何

「トリックテイキング」は「トリテ」などとも略されることもあるカードゲームのルールの一種です。
本当に基本的なトリテはこんな感じです。

1、スタートプレイヤーが1枚カードを手札から場に出す。

トリックテイキング

スタートプレイヤーがスペードの5を出した

2、時計回りに手札から1枚ずつ出すが、スタートプレイヤーが出したカードと同じスート(マークや色柄のこと。上の画像の場合はスペード)のカードでなければいけない。
もし、スタートプレイヤーが出したカードと同じスートのカードが1枚も手札になかったら、他のスートのカードを出しても良い。

トリックテイキング

1枚ずつスペードのカードを出す。スペードを持っていなかった右隣のプレイヤーは仕方なくダイヤを出した

3、全員が場に1枚カードを出したら、場に出ているカードの中で最も大きい数字のカードを出したプレイヤーが場のカードをすべて引き取る。
このとき、スタートプレイヤーが出したカードと異なるスートのカードは最も小さい数字として扱う。

トリックテイキング

スペードのジャックを出したプレイヤーが一番大きい数字だったので全てのカードを取った。スペードではないダイヤは最小扱いなので取れない。

4、場に出されたカード(トリック)を引きとった(テイキング)プレイヤーが次のスタートプレイヤーとなる。

以上が基本となるマストフォロー(スタートプレイヤーが出したスートと同じカードを出す)のトリックテイキングです。場のカードをたくさん取った方が勝つルールもあれば、場のカードを取るとマイナスになるルールもあります。特定のスートや色が得点だったりすることもあります。

ザ・クルーの場合は、これに切り札が加わります。
・切り札は、スタートプレイヤーが出したカードのマークを持っていなかったときにだけ出せるカードで、最も大きい数字として扱う。切り札を複数のプレイヤーが出した場合は切り札の数字の大小で決める。

トリックテイキングには他にもいろいろな変化形がありますが、以上の「マストフォロー切り札あり」を知っていればすぐにルールを理解できるはずです。


「ザ・クルー」の話に戻ります。

トリックテイキングですが、協力するゲームです。どういう事かというと、ミッションクリア型なのです。
ミッションがストーリー仕立てで50個載っているログブックを使って遊びます。今回は「ミッション2」を3人プレイの例で出します。

ザ・クルー

ミッション2のお題

ストーリーの右にタスクカードの枚数、下にミッション番号などが書いてあります。
このタスクをクリアできればミッションクリアです。次のミッションへ進みます。
実際にこれがどういうミッションなのか、以下に順番に進めてみます。

カードは手札などになるプレイングカードと、小さいタスクカードがあります。
赤・青・緑・黄の4色が1~9までと、切り札の黒いロケットカードが1~4まであります。

ザ・クルー

上がプレイに使うカード、下が小さいタスクカード

まず、各プレイヤーにすべてのカードを配りきりで配ります。
すると、誰かの手札に切り札カードであるロケットの最強4のカードが入ります。そのプレイヤーが今回のミッションのリーダーになります。

ザ・クルー

ウッ!ロケットの4が手札に入ってる。今回リーダーだ

リーダーのプレイヤーはリーダーマーカーを受け取ります。
もうこの時点ですべてのプレイヤーは手札に関することは一切喋ってはいけません。

ザ・クルー

ロケットの4を配られたら責任重大なリーダーになる。リーダーマーカーを取る。

手札以外の事は喋っていいので、楽しくプレイしましょう。
さて、このミッション2のお題は「タスクカード2」でした。リーダーは小さいタスクカードを山札から2枚引きます。

ザ・クルー

タスクカード2枚引く。黄4と青8が出た。

場に出たタスクカードをリーダーから時計回りに1枚ずつ引き受けていきます。
これは、「この色と数字のカードを取らなければいけないプレイヤー」を意味します。手札をよく見て、自分が取れそうなタスクを引き受けましょう。

ザ・クルー

タスク黄色4を取った。左隣のプレイヤーが残った8を引き受ける。

トリック開始です。

ザ・クルー

青1を出した。左プレイヤーが青最強の9、対面プレイヤーがタスクの8を出した。

本当ならこんな賭けには出ない方が良いかもしれないのですが、今回は上手くいきました。

ザ・クルー

タスクの一つは完了した

残るはリーダーの抱えるタスク黄色4です。うまく取ることができればミッション完了です。


以上のような流れのゲームです。ミッションが進むにしたがって様々な条件が課せられます。

ザ・クルー

タスクに様々な条件が加えられていく

タスクカードに取る順番の条件が付いたり、指定の数字でトリックを取ってはいけなくなったりと様々です。ミッション後半になると複数の条件が融合していきます。

ザ・クルー

これは青の8を最初にクリアしなければいけない。次は黄の4。後の2枚は条件なしで取ってOK

どんどん難しくなるうえに手札の内容を喋ってはいけないのです。どうしても厳しい局面が出てきます。
そういう時のために、ミッション中に各プレイヤー1回だけ通信が許可されています。

ザ・クルー

無言のまま出す通信トークンの置き場所で情報を伝える

通信とは、トリックが始まる前に1枚だけカードを公開して通信トークンをそのカードに乗せることです。
通信トークンをどこに置くかによって「僕の持っているこの色の最後の一枚です」「僕の持っているこの色の一番大きい(小さい)数字です」という事を伝えることができます。これは非常に重要なメッセージになります。

50に及ぶミッションを協力しながらクリアしていきましょう。


感想など

このゲーム、各所で絶賛されて受賞していますが、ゲーム内容を読んだときに僕は「でもトリックテイキングでしょ?」と侮っていたのです。トリックテイキング嫌いではありませんが、他のゲームとの合間に軽く1、2回遊ぶ息抜きだと思っていました。とんでもない間違いでした。

まぁこのゲームの緊張すること。各プレイヤーが出す1枚1枚のカードの持つ意味の豊かさ。出すカードを選ぶ責任の重さ。頭を使いすぎて知恵熱が出そうになるゲームは久々です。

ザ・クルー

この緑どうするんだリーダー!

タスクカードのどれを引き受けるか選ぶ時点からすでに苦しいのです。おずおずとリーダーが「じゃあ、これ引き受けるわ…」と持って行ったタスクしか引き取る自信がなかったりするともう半泣きなのです。
しかし協力してミッションをクリアするたびに明らかに上達していっている実感があります。それも、個人プレイではなくチームとしての能力向上を感じることができるのです。これは良いチームプレイゲームです。

ただしトリックテイキングの理解度が同程度のプレイヤーで遊ばないと、とてもキツイ思いをするかもしれません。特に慣れているプレイヤーは初心者にあまりダメ出しや指示をしたり、「なんで今それ出したの?」「このカード出した意味わかってくれた?」などと詰問してはいけません。トリックテイキングが好きになってまた遊んでくれるか、2度と遊んでくれなくなるかの分岐点です。これはゲーム中のミッションよりも重要なリアルミッションです。失敗しないように和気あいあいとプレイしましょう。

「ザ・クルー」で遊んでいると他のトリックテイキングのゲームが強くなるかもしれないという話も良く聞きます。たしかにありそうな話です。様々なシチュエーションに対応できるトリテマスターになれるかもしれません。あるいはトリテ廃人となってどのゲームでも「トトトトゥートゥー」などと言いながらカード1枚晒すようになってしまうかもしれません。それにしてもなぜ人は通信をするときにカードと通信トークンを出しながら「トゥトゥトゥトゥートゥー、ピピピ」というモールス信号のような音を口ずさむのでしょう、まさか僕のチームメイトだけでしょうか。

僕の宇宙探索チームは今のところミッション30あたりで足踏みしています。もう全然わからなくなってしまうスランプ期なのです。カードカウンティングも必要になってきて、「あれ?対面はもう黄色って枯れてたっけ?」となるのは日常茶飯事で、ひどい時は「あれ?さっき青出した時に最後に取らなきゃいけないカード捨てちゃってた!」「あ、気が付かなかった」「2トリック前にミッション失敗してた!」という事まで。これ地球に帰れないな。