「トリックマイスター」の感想など

変則的なトリックテイキングです。※トリックテイキングがよくわかない人は「ザ・クルー」の記事に簡単な説明があります。

ちょっと変わったプレイ感のゲームをしばしば作るゲームデザイナーと言えばのフリードマン・フリーゼ作のトリテ。メチャクチャなことになります。

このゲームのトリテとしての基本的なルールは「マストフォロー、切り札無し、1トリック1点」です。すごくシンプル。
カードの色は4色の4スートで1から15まで。これもわかりやすいです。
ところがさらにルールカードというものが各プレイヤーに3枚ずつ配られます。これをラウンドの開始時に1人1枚ずつ場に出し、そのすべてのルールを適用してトリテをします。

トリックマイスター
ルールカード。もうメチャクチャだよ

ルールカードによって切り札の種類、得点の獲得方法、特殊な変更ルールなどが毎回かわります。
ルールカードには数字が振ってあり、小さい数字から優先的に適用されていきます。
たとえば「切り札は強い順に各色の12と、赤と青と黄のカード。今回は1トリックにつきマイナス1点」とか。切り札のほうが多い程度の事はよくあります。

感想など

これプレイ感としては「Stichtag 毎日がトリックテイキング」に近いものを感じました。変則ルールてんこ盛りな所だけではなく、しばしばどうにも酷すぎるルールになってしまう所も似ています。ただしあちらはプレイ前に全員がルールを把握して毎回違うルールでプレイするトリテなので、このトリックマイスターより普通に遊べます。

最初にルールカードを配られてから手札を配られて、すべて確認してからルールカードを1枚出します。なので最初は3枚のルールカードから自分に有利そうなルールを出すことができます。ところが3ラウンド目はもう自分に不利であろうがなんだろうが、残った1枚のルールカードを出さざるを得なくなります。ここに波乱が発生しやすくなっています。これは「トランプのゲーム バルビュ」にそっくりですね。これはプレイしていてとても面白いシステムです。

「赤のカードを9枚持ってるし、赤が切り札ルールカードを出せばこのラウンドはもらった!」と思うのは早計で、場に出たルールを見ると「切り札は3と赤、トリックを取った人の左隣の人が得点を得る」とかになっています。もう何でもありなのです。
ということで真面目にやるトリテというよりはパーティゲーム感が強いです。

とはいえこのゲームのトリテの変則ルールを「パッ」と見てすぐ理解するのはある程度トリテ経験がないと厳しいので、ちょっと軽くパーティゲームやろうよという時に選びやすいかというと難しいでしょう。トリテ好きが集まったときにサッと出して「えー?マイスターかよー」などと言われつつ無理やり始めるしかないかもしれません。しかし始めてしまえば面白いのでみんな連続でプレイしたくなる、そういうゲームです。フリードマン・フリーゼ作らしいとか言うと怒られるでしょうか。