もくじ
・『ジャイプル』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
感想など
海賊版について


『ジャイプル』の簡単な説明

2人用。プレイ時間30分~。この記事を書いている時点のBGGでは当然ですが2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は簡単。様々な賞を多数受賞している2人用カードゲームの名作です。

プレイヤーはインドの都市「ジャイプール」の有力な商人の1人となります。マハラジャ専用商人となるために、上手く取引をして他の商人よりも卓越した手腕であることを証明しましょう。

ジャイプル
カードとチップを使う

短時間で遊べる2人専用ゲームという事で、個人的にはわりと遊ぶ機会が多いゲームです。何も考えずに遊んでいると運要素が強めなのですが、コツのような事がわかってくるとじっくり考えるようになってきます。

ゲームに言語依存はありません。日本語版がありますが、海外版でも問題なく遊べます。ただし海賊版が大量に出回っているので注意してください。詳しくは後述します。


こんな感じのゲームです

ジャイプルのカードは絵柄のみで数字などは何も書いていません。

ジャイプル
カード全種類。上の3種は安い商品。中段の3種は高価な商品。ラクダは特殊。

カードは茶色「革製品」、緑色「香辛料」、紫色「絹」、青色「銀」、黄色「金」、赤色「宝石」の商品カードと「ラクダ」の7種類があります。
商品カードにはそれぞれ対応するチップがあり、勝利点が1点から5点まで書かれています。

ジャイプル
商品と対応するチップ。チップの枚数と書いてある勝利点の違いに注意

以上の他に、枚数ボーナスチップというものがあり、これは商品を3枚、4枚、5枚まとめて売った場合にオマケで付いてくるチップです。
ボーナスチップは裏側に勝利点が書いてあり、たとえば3枚ボーナスなら1点から4点までランダムに貰えるようになっています。

ジャイプル
ボーナスチップ。裏にランダムな勝利点が書いてある。

まず、すべてのチップを一番上が一番点が多い順に重ねて、表向きに場に並べます。ボーナスチップは各種で分けてシャッフルし、点が見えないように重ねて場に並べます。ラクダと優秀の証チップも横に置いておきます。

カードの山札の中からラクダカードを3枚抜き出し、場に並べます。山札をシャッフルし、場に2枚追加して出します。
各プレイヤーに5枚ずつカードを配ります。もし手札にラクダがいたら、自分の前に表向きに出しておきます。
ゲーム開始です。

ジャイプル
ゲームスタート時はこんな感じになる

スタートプレイヤーから手番をおこないます。
手番にできることは、

・場からカードを取って手札に加える
・手札の商品を売ってチップを得る

のどちらかだけです。

カードを取る場合は、以下の3つから選んで1つを行います。

・場に出ている5枚の中のすべてのラクダを取って自分の前に置く
・場から1枚のカードを取る
・場と手札で2〜5枚のカードを交換する ※ラクダと商品カードを同時に得ることはできない。
カード交換の時に自分の前にラクダカードが出してあれば、手札の代わりにラクダを交換材料として場に出すことができる。手札とラクダを組み合わせて交換材料にしてもよい。

※手札の上限は7枚です。7枚を超えるような行動はできません。

ジャイプル
ラクダを取る時はすべて取らなければいけない

カードを売る場合は、手札の中の1種類の商品しか売れません。売った枚数と同じ数のチップをチップ山の上から受け取ります。売れる度にチップの勝利点は下がっていきます。また、同じ商品のカードを1度に3枚以上販売すると、対応するボーナスチップがもらえます。
※革製品・香辛料・絹の3種は1枚以上から、銀・金・宝石の3種は2枚以上から売ることができます。

ジャイプル
香辛料3枚売ってチップ上から3枚とボーナスチップを受け取った

商品のチップが3種類売り切れになるか、山札のカードがなくなったらラウンド終了です。ラクダの所有数が多いプレイヤーは勝利点5点のラクダチップを得ます。チップの勝利点を合計して得点が多い方のプレイヤーが「優秀の証」チップを得ます。チップ類を整えてゲームラウンドを再スタートします。
「優秀の証」チップを先に2枚取ったプレイヤーの勝利です。


感想など

これは2人用カードゲームの中ではかなり好きなゲームです。運と戦略のバランスがとてもよく、何度もプレイしたくなります。とはいえ慣れないうちは運ゲーのように感じるはずです。場に出る5枚のカードと手番順次第と思ってしまうからです。自分の手番に高価な商品を場から取れれば勝てる、と言えばその通りなのですが。

ジャイプル
ラクダが場に4枚は悩みどころ

このゲームは手札補充の手段が場に出ているカード関連しかないので、ゲームが進むと相手の手札の内訳がほぼわかってしまうのです。慣れたプレイヤー同士だと中盤にはもうお互いが何をまとめて売る気なのかわかっています。そこで、なるべく場のカードの変動を少なくするためにラクダでの支払いしかしなかったり、一枚引きしかしなかったりするのです。ラクダの扱いも重要で、場がラクダ5枚になったらもう売却以外にはラクダ5枚を引きとるしかなくなり、そうなると場は5枚のまったく新しいカードが出現することになり次手番プレイヤーが有利になります。

安価な3種の商品を手早く1枚だけ売るのも勝利点的には美味しいです。特に安価な3種のチップは上からどんどん安くなっていくので、1番上の1枚をとれるかどうかは銀を売れるかどうかよりも重要だと思います。しかしそんなことをしている間に対戦相手は金を3枚ため込んでしまうかもしれません。まとめ売りのボーナスを狙うか、早く売り抜けるか、そのへんの駆け引きも面白いです。


海賊版について

このゲーム、2020年にアートワークがリニューアルされて再版されたのですが、その前のバージョンの絵柄がすごく好きだったのです。新版と対照的な面長のうさんくさい男が表紙で、どう見てもマハラジャ専属商人にはなれなさそうでした。
そのジャイプルを探していた僕は、中国の超大手通販サイトの「アリエクスプレス」で発見。試しに購入してみたのです。たしか500円くらいでした。

ジャイプル
正規品かあやしいジャイプル

それが上の画像のジャイプルです。これ各種カードとチップ類が輪ゴムで縛ったビニール袋に入っていたような劣悪梱包で、明らかにおかしいのです。サイズも異様で、箱もカードも小さくて、特にチップはひとつ直径15ミリくらいの大きさしかありません。箱のどこにもバーコードも製造番号もなく、アメリカ向け製品なのがわかる星条旗マークだけが識別記号らしきものです。確証はありませんが海賊版だと思われます。
購入ページの画像はちゃんとした正規品の箱画像だったので、これは明らかに詐欺的なやつなのですが、問い合わせしても「該当ショップは閉鎖されました。返品しますか」という返事だけ。これ計画的な海賊版販売ショップでしょう。アリエキスプレスの運営に一報入れておきました。

けっきょく小さくてプレイはしにくいし、本当にチップの得点正しいのやらカード枚数合ってるのかも信用できないので、アートワークリニューアルした新版を日本語版で購入しなおしました。まぁ何という遊びやすさよ。チップが厚くて大きいだけでこんなに遊びやすくなるとは。もともとチップ類が多くてセットアップが少し面倒なゲームなので、チップの取り扱いやすさは非常に重要でした。
少し調べてみると小箱の海賊版が国内でも流通しているようです。メルカリやオークションなどで1000円台で出品されているのは大抵その類の物と思われます。旧版の正規品はもっと縦長の箱です。正規品だって2000円台で買えるのです。海賊版なんかで満足してはいけません。正規品を買いましょう。