もくじ
・『ブルゴーニュ』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『ブルゴーニュ』の簡単な説明
2~4人用。プレイ時間90分~。この記事を書いている時点のBGGでは2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度はやや複雑。発売10年を経てなおBGGランキング20位内に残る傑作ゲームです。僕のオールタイムベストのひとつでもあります。
「ブルゴーニュ」(castle of Burgundy)は「ブルゴーニュの城」と紹介されることもあります。プレイヤーは15世紀のブルゴーニュの皇族となって、領地を繁栄させるために城や街を作り、交易をしたり酪農などを行います。領地を最も繁栄させたプレイヤーが勝利します。
一応4人までプレイできますが、ほぼ2人専用ゲームだと思っています。3人以上でプレイすると待ち時間があまりにも長くなりがちです。
ゲーム内容に言語依存はないので、ルールを知っていれば海外版で問題なく遊べます。ちなみに2021年3月現在、日本語版というものは存在していません。BGGで公開されている日本語ルールを印刷などするか、または運が良ければ中古の日本語ルール付きが手に入るかもしれません。現在流通しているのはこの旧版と、デザインがリニューアルされて拡張入りの20周年記念版です。
こんな感じのゲームです
ゲームの流れはそんなに難しくありません。
メインボードにタイル類を配置したら、各プレイヤーに個人ボードを配ります。慣れるまでは全員同じ1番のマップを使うのが良いと思います。真ん中に川が流れているマップが1番のマップです。
まず、プレイヤー全員で自分のダイスを2個振ります。この時、先手番のプレイヤーは白ダイスも一緒に振ります。
白ダイスの出目に従ってメインボードに商品タイルを置いてください。
自分の個人ボードの上にダイスを移し、全員のダイス目を共有情報とします。
先手番のプレイヤーから自分のダイス2つ分、以下の4アクションから選んで行います。
・メインボードの各ダイス目に対応している建物や動物などのヘックスタイルを1枚選び、個人ボードのヘックスタイル置き場へ置く
・個人ボードにあるヘックスタイルを、個人マップ上のダイス目が対応している場所へ設置する
・ダイス目をひとつ消費して労働者を2人得る(労働者を使うとダイス目を増減できる)
・ダイス目をひとつ消費して、個人ボード上にある対応するダイス目の商品をすべて売る(勝利点と銀鉱石を得る)
上記アクションとは別に銀鉱石を使って中央倉庫スペースから買い物をすることもできます。これは各手番中に1回だけできる追加アクションです。
個人ボードにヘックスタイルを設置したら、各タイルの特殊効果を処理します。
ダイス2つ分のアクションを行ったら手番終了です。
手番に行う事はこれだけです。
領地に配置するヘックスタイルの効果の例を数個だけ紹介します。種類が多いので慣れるまではボードに書いてあるサマリー等を見ながらのプレイになると思います。
青い船タイルをマップの対応するエリアに置くと、手番順トラック表の自分のコマを一つ先に進めることができます。
さらに、メインボード上の商品タイル置き場のタイルを選んで個人ボードに入荷できます。
船タイル1つ置くだけでこんな強力な効果なのです。他のタイルも負けず劣らずの効果があります。
薄い緑は畜産タイルです。これは同じ色のエリアに同じ種類の動物を配置すると、動物の数と同じだけの勝利点を即時貰えます。上の画像だと、二枚目を置いた時点で牛6頭なので6点入ります。もし次に牛2頭のタイルを配置すると8点入ります。うまくやると畜産タイルは爆発的に勝利点が増えていきます。
濃い緑はお城タイルです。これを設置したら「1~6までの好きな出目として使える追加のダイスを1個」貰うのと同じ効果が発動します。非常に強力です。
他にも、メインボードから好きな建物をひとつ個人ボードへもってきてよい建物や、ダイス目を増減する効果のある建物、ゲーム終了時に大量の勝利点をもたらす科学タイルなど様々です。
個人ボードのマップの色を埋めると先取りボーナスがあったり、得点要素は色々です。
1フェイズが終わるとメインボードの全てタイルがリセットされて再入荷されます。
1フェイズは5ラウンドあり、5フェイズでゲーム終了です。つまり手番は25回、振れるダイスは50個です。
最終得点計算を行い、勝利点の多いプレイヤーが勝利となります。
感想など
僕はこのゲームが大好きで、オールタイムベストとしています。
特に中~重量級のゲームの中では傑出して面白いと感じていて、毎手番の悩ましさ、適度なインタラクション、タイルによるちょっとしたコンボ、領地を育てていく楽しさ、ダイス運を自力で捻じ曲げる楽しさ、そのすべてが超絶な調整をされたゲームバランスの上に成り立っているように思っています。
ダイスゲームですが、そのダイスの目に翻弄されつつも労働者や科学の力でそれを捻じ曲げることができます。タイル設置時の効果としてダイス目の増減を許すタイプがけっこうあるので、それによって後半になるにしたがってどんどんダイスから自由になっていくようなプレイもできます。キツキツに制限されていたダイスアクションを自由にできるようになると、これはすごく気持ちが良いのです。
ところが、ダイスから自由になるには相応の代償として「限りある領地の1タイルをそのことだけに」使わなければいけません。しかもタイル1つ置くのには通常2ダイス使うのです。メインボードから個人ボードへ持って来る、個人ボードに置いてあるタイルをマップに配置、の2ダイスですね。25手番50ダイスのうち2ダイスをまるごとそのタイル設置に費やしてもいいのかどうか、これは大変な悩みどころです。
実際のプレイであったことですが、「タイル獲得時のダイス目を増減してよい」「タイル設置時のダイス目を増減してよい」といったタイプのタイルばかり優先的に設置して、早々に領地の科学スペースを埋めきったプレイをしたことがあります。結果は大差で負けました。対戦相手は領地の科学を置くタイルスペースを特殊効果で埋めず、ゲーム終了時に得点がドカンと入る科学をいくつも設置して、それに対応する建物ばかりを建設していたのでした。得点で勝敗が決まるゲームなので、得点を取らないとそりゃ勝てないわけです。プレイ中の気持ちよさばかり追求すると落とし穴にはまります。
ゲーム全体ですごい量のタイルを使うので、準備や片付けが面倒ではあります。そのために別売りの色別巾着を買いました。これはすごく便利です。
また、ルールでは毎フェイズ開始時にやる事として、メインボードのタイルを袋からランダムに配置するようにと書いてあります。でもこれはゲームのテンポを悪くするので、僕はいつも最初のゲーム準備の段階で裏返しで5枚のタイルをすべてのタイル置き場に重ねて置いています。これでゲームが若干スピードアップしました。
問題として、色の認識が苦手な人にはプレイが難しいという事があるようです。タイルもボードも全てが淡い色彩過ぎて、どれも見分けがつかないと言われていたのですが、現在も流通している拡張入り大箱「ブルゴーニュ プラス(20周年記念版)」では非常に強烈な色彩にリニューアルされました。ハッキリクッキリしすぎていて僕は逆に目が疲れてしまうので旧版でプレイしています。
相手の邪魔をしていたら身動きが取れなくなったり、華麗なコンボを夢中で決めていたら船でどんどん先に行かれてしまったり。ブルゴーニュは何回遊んでも飽きません。すばらしいシステムとバランスのゲームだと思います。タイルの効果だけ理解してしまえばルール自体は難しくないので、まだ遊んだことがない方にはぜひ一度プレイしてみてほしいです。オススメです。しつこいですが僕のオールタイムベストです。