「ブライアン・ボル」(Brian Boru: High King of Ireland)の感想など

アイルランドの支配者たちを束ねる存在である史上初の「上王」ブライアン・ボルのようになるのが目標のゲームです。
プレイヤーはアイルランドの有力者の1人となって、8つの地域に対する影響力を競います。その方法が少し変わっています。トリックテイキングでエリアマジョリティ争いをするのです。

トリックテイキングが何なのかわからない人は「ザ・クルー」の記事内に簡単な解説がありますのでそちらを先に読んでください。

さて、トリテでエリアマジョリティ。それだけでワクワクしますね。ただしトリテの勝敗でエリアを奪い合うバトルを想像していると印象が違うと思います。

ブライアン・ボル
立派なメインボードで戦うトリテ

カードには1から25までの数字が書いてあり、4色あります。時計回りに一枚ずつ場にカードを出し、スタートプレイヤーが出したカードと同じ色で、最も数字の大きなカードを出した人がトリックに勝ちます。メイフォローなので同じ色を持っていても出さなくてもOK。

トリックに勝った人はカード上部のアクションを行います。負けた人はカード下部の2種類のうちどちらかのアクションを選んで行います。
トリックに勝つと必ずエリアの支配権を増やせますが、負けてもかなり強力なアクションが発生します。つまりトリックに負けたいこともよくあるのです。
ちなみに手札は最初にドラフトで決定します。

トリックに負けることで選べるアクションは3種類あり、それは「政略結婚」、「ヴァイキングの撃退」、「教会への寄付」です。
どこかの地域の有力な姫と政略結婚すれば、その地域の街をひとつ貰えるかもしれません。頻繁に攻めてくるヴァイキングを倒すことで名声(勝利点)を得るか、教会に多大な寄付をして強烈な影響力をもつのもいいでしょう。どれもこれも強力なアクションです。
しかしそもそもトリックに勝って地域の支配を増やさない事には勝てないのです。

ブライアン・ボル
全体に支配権を広げるか、一部地域をしっかり支配するかが悩みどころ

感想など

あまり馴染みのないテーマと、地味っぽいアートワークを見て引かないでください。これ面白いです。見た目に反して1時間くらいで終わる軽さも良いです。
そもそもトリックテイキングが嫌いで敬遠する人もいるかもしれませんが、実際のところトリックテイキングの上手い下手よりも、どのアクションをいつ行うのか、そのためにどのカードを捨てるのかのハンドマネジメントの方が重要な気がします。最初のドラフトが超大事。それと所持金かつかつゲームなのでお金のやりくりも大事。

結婚も教会も襲撃も全部大事なアクションなので毎ラウンド1つくらいは最多賞を取りたいのですが、それらのアクションもマジョリティ争い、あるいはレースで勝つのが必要なので悩ましいです。
この嫁を貰っても田舎町しか貰えないぞ。教会への寄付が少ないから今が恩を売るねらい目だ。今勝たないで次ラウンド勝った方が美味しいのでは?などと考えていると本当に権謀術数している気分になってきますよ。

日本語版はまだありません。ちょっと国内でも話題になっているので待てば日本語化されるような気もしますが、言語依存は地名くらいなので遊ぶのにそんなに問題は感じませんでした。かなりおすすめです。