「厄介なゲストたち」の感想など

最初に言ってしまいますが「クルード」系の推理ゲームの傑作だと思います。

プレイヤーは殺人事件の起こった屋敷に駆け付けた探偵として事件の捜査をします。他の探偵より早く真犯人と動機・凶器を特定するのが目的です。
ゲームのシステム的には古くから遊ばれている推理ゲーム「クルード」と同じタイプに分類されると思います。「クルード」タイプのゲームとは、最初にプレイヤー達にわからないように犯人の情報が決定され、あきらかに事件と関係ないものを消去していって残ったのが真犯人、というシンプルかつ無限リピートできる優れたシステムです。

このゲームでは証拠の情報が書いてあるカードを山札から引いて手札に6枚持ち、他のプレイヤーとカード交換しながら捜査していきます。
特筆すべきは捜査に用いるプレイシートです。これがすごいんです。

厄介なゲストたち
ついたてで隠しながらプレイシートに記入していく

それぞれのカードにはプレイシートにこう記入しなさいという例が描いてあります。その通りにシートを埋めていくと、だんだん容疑者が絞り込めてくるような仕組みになっています。
「ビリヤード室から現場の書斎まで行くには、トロフィー室を通らなければいけないが、「トロフィー室は誰も通ってない」というメイドの証言カードを引いた。ビリヤード室にいた人は無実だ」
というような感じです。そういうのが一目瞭然で分かるようにデザインされています。このプレイシートの使い勝手の良さは驚きです。

手番になったら屋敷の部屋と容疑者一覧から自分が知りたい項目を2つ選び、ほかのプレイヤーからそれに関するカードを交換してもらいます。

厄介なゲストたち
矢印トークンで知りたい情報を指定すると皆が交換しようぜと手札から出してくれる

カードには重要度があり、交換候補として他のプレイヤーが出したカードと同じ重要度のカードを手番プレイヤーが出すことで交換が実行されます。

手番が一周したら、事件の真相を言い当てるか次のラウンドまでパスかどうかを全員が公表し、だれも事件解決できなければ手札を減らして再補充、次のラウンドへ進みます。
事件解決までこれを繰り返します。


感想など

この手の推理ゲームの傑作だと思います。初回プレイ後はまずどうやって作ったのこれという畏怖の念を抱きました。
初回から本当に面白くプレイしました。容疑者と共犯者は噓をついているというのが最高です。書き忘れてましたがノーマル難易度から共犯者がいるかもしれないのです。ビギナー初回プレイでも4ラウンドくらい何ひとつピンと来なかった我々はとても共犯者のあぶり出しなんて無理ですが。慣れたら難しいのも楽しそうです。

カードはバンバン交換したいのですが、ほかの人に渡したくない情報もでてきます。重要な情報は自分だけが握っていることも可能ですが、それをやると自分が仕入れる新しい情報も減りかねないのです。というか、こういう推理ゲームでそういうプレイングの工夫や競争の要素があるのは本当に嬉しいことです。

厄介なゲストたち
全体的にセピア調なのも雰囲気があって良い

仕方なくそうなることもあるのですが、他プレイヤーから交換でもらったカードを同じプレイヤーに次の交換で返すようなプレイはなるべくしない方が楽しく遊べると思います。長引くだけなので。
付属の問題集は40事件くらいですが、アプリを使うと遊べる事件は何万通りもあるようなのでリプレイ性も抜群です。ちなみにアプリを使わないルールブック付属の問題集で遊ぶと、推理は一回きりの勝負になります。アプリなら間違えても次のラウンドの回答権を失うだけで済みます。音も鳴って楽しいですし、断然アプリを使うのをおすすめします。

容疑者の一人グレッグの動機候補である「動物扱いされていた」カードだけあまりのインパクトに「間違いなくこれが動機だ」と毎回思ってしまいます。というか被害者は最低野郎なので誰にやられてもおかしくないのですが。

「うそでしょ犯人どう頑張っても犯行現場に行けない」「それはきっと犯人じゃないからだね」とか言いだす終盤、爆笑しながら遊んでいました。そもそもこの手の推理ゲームで笑いが起きること自体珍しいんじゃないでしょうか。本当にいいゲームです。