「キャット・イン・ザ・ボックス」の感想など

「シュレディンガーの猫」がテーマの変わり種トリックテイキングです。先に言いますがすごく面白かったです。
トリックテイキングが良くわからない方は「ザ・クルー」の記事に簡単な説明がありますのでそちらを読んでみてください。

「シュレディンガーの猫」を知らなくてもゲームプレイには支障はないですが、すごくよくテーマとゲームシステムが合致しているのでちょっと調べると面白いと思います。詳細は省きますが、誰かが見るまで箱の中の猫が生きてる状態と死んでる状態が重なり合ってる事になっちゃうという有名なアレです。量子力学かなんかの思考実験です。

さて、安心してください。量子力学なんか知らなくてもこのゲームは楽しめます。

キャット・イン・ザ・ボックス
トリテなのにカードは黒1色のみ

トリテとしてのルールは「マストフォロー、切り札あり」です。切り札は常に赤色で、すでに誰かが出していないと切り札のリード出しはできないロック式です。割とシンプル。
カードは黒色のみです。4人プレイならカードは1から8まで使います。1つの数字につきカードは5枚あります。

おかしいですね?切り札は赤だというのにカードは黒色しかないのです。どういうことでしょう。
メインボードを見るとわかります。

キャット・イン・ザ・ボックス
メインボードに各自のプレイヤートークンを置いていく。

このゲーム、カードを出すときにこれは何色ですと宣言して出すのです。
そして、メインボードのその色のその数字の場所に自分のプレイヤートークンを配置します。つまり、手札は何色のカードとして出しても良いのです。
ただし同じ色の同じ数字は1つしか存在しないはずなので、誰かが2を「青の2」として出した後は2を「青の2」として出すことはできなくなります。

キャット・イン・ザ・ボックス
個人ボード。このプレイヤーは黄色はもう持っていない宣言をしたのでバツが出ている。

もし、マストフォローに従いたくなければもうその色は持っていないと宣言して、切り札を出すなりしてかまいません。ただし、そのラウンド中はもう無いと宣言した色を使うことはできなくなります。

そのうちゲームが進むとどのカードも出せなくなる人が出てきます。これはパラドックスの発生となり、その瞬間にラウンドが終了します。1トリック1点で計算しますが、パラドックスを起こした人は1トリックマイナス1点になります。

他にもラウンド開始時にビッドがあり、終了時に宣言した数のトリックを取ることができれば、メインボード上で最も連結している自分のプレイヤートークンの個数ぶん得点がボーナスでもらえたりします。


感想など

これは面白いです。今のところ変わり種トリックテイキングの中で一番面白いかもしれません。トリテですがトリテ感が薄く、初回プレイ時に他のプレイヤーが「なんかトリテと言うより七ならべみたいな感じがするかも」と言っていました。たぶんメインボードを埋めていく感じでそう言ったのだと思います。しかしこれはパス=敗北なのです。

一応配り切りなのですが、ラウンド開始時に各自1枚選んで捨て札にするのでパラドックスにならない数字もあります。色は4色なのに1つの数字につき5枚あるので、5枚目は必ずパラドックスを起こします。つまり、メインボードに3枚出てる数字の4枚目を持ってるとドキドキします。早く処理したいですがその数字、まだ使える色でしょうか。ラウンドの後半はウワーッとか言い出す人が出てくるでしょう。
ちなみにメインボードに残り数字が明記されてるのでカウントの必要はほとんどありません。他プレイヤーの枯れた色も個人ボードを見ればわかります。そういう意味でもトリテとしては優しいです。

アートワークもかわいらしく、量子力学を全く知らなくても(そしてトリテにそこまで慣れていなくても)楽しく遊べる良いゲームだと思います。とてもおすすめです。