「クトゥルフ:死もまた死すべし」の感想など
クトゥルフ神話がテーマの協力ゲームです。
最近のクトゥルフものは原作小説を読んだことがなくても面白さが変わらないように作られていることが多いのですが、ざっくりした事を知ってるだけでも雰囲気が楽しくなるのでプレイ前に知ってる人に軽く教えてもらうのをお勧めします。
クトゥルフ神話は創作コズミックホラー神話体系です。なに言ってんだ?となりますよね。簡単に言うと宇宙規模で遠かったり万年億年単位に古い時代の、現代の我々には想像もつかない「恐ろしいもの」をテーマにした世界観を共有したホラー小説群です。ラヴクラフトという作家が世界観をつくり、今も世界中の作家によって作品が追加され続けています。
さて、そんなクトゥルフ神話の世界でプレイヤー達は、人類世界を破滅させかねない「恐ろしいもの」を呼び起こすような儀式計画を察知した探索者となります。協力して儀式を妨害し、人類世界を守るのが目的です。
ところがどのプレイヤーキャラクターも頭のネジが吹っ飛んでいる人たちばかり。そらそうです。普通の人はそういうカルト儀式とかの異常な世界の事には関わらないものです。
キャラクターにはそれぞれ固有の能力があり、個人ボードにはおなじみの正気度や体力の他にも固有スキルなども書いてあります。スキルにはレベルアップのような概念があり、狂気が進行するにつれてスキルはどんどん強化されていきます。
また、スタート時にランダムに配られる狂気カードによって、自分が抱えている精神疾患を決定します。これぞクトゥルフゲー。
メインボードはタイル配置型になっていて、シナリオごとに舞台が変わるようになっています。
基本的にダイスゲームなので、行動や狂気度の進行などは手番に振るダイス目によります。戦闘の勝敗もダイスなので、運が良ければ神話生物に戦闘で勝つことも可能です。
個人のスキルによってダイスの数を増減したりできるようになります。
儀式を阻止して神話生物をなんとかすることができればプレイヤー達の勝利です。
感想など
最近の協力プレイゲームはほとんど全部そうなのですが、これも激ムズです。
今回は5人で3時間プレイして本当にギリギリ、あとダイス目1つ違ったら世界滅亡していました。なんてきついバランスで作るんでしょうか。移動にも戦闘にもダイス運があるゲームなのに、誰か1人が移動先を1部屋間違えても世界滅亡していたかもしれません。
ただまぁそんなに簡単に対処できるなら恐怖でも何でもないので、これくらいで正しいと思います。
このゲームを面白くしている、というかどうかしてるプレイングになる原因は狂気カードです。僕のキャラは窃盗癖があり、他プレイヤーから手あたり次第物を盗みました。盗めなければストレスが溜まっていよいよおかしな人になるばかり。かと思えば戦闘狂なのか儀式の阻止よりもカルト狂信者を血祭りにする事しかしないキャラがいたりして手におえません。
「ちょっと!なんで俺の酒瓶盗むの!?」「ごめんなさい盗みたくないのにこの手が勝手に」「なんか廊下燃えてんだけど」「なんで敵に突っ込んでいったの今」
こんな感じで混沌としたままゲームは進んでいきます。
パーティゲームとは言いませんが、背筋も凍るような精神的恐怖(これこそがクトゥルフ神話らしさだと僕は思っています)はほとんど感じません。なにしろダイス目次第では物理的に神話生物を殺せるので、頼む!とか叫びながらダイスを振ることがよくあります。結果的に狂気での変な振る舞いと戦闘の勝敗でワイワイ楽しむゲームという印象になっています。
巨大なフィギュアが良い出来で、お値段がいっちゃうのもこれなら納得とプレイした皆が言っていました。いろいろ巨大なものが入っているので箱もブ厚い大きなものです。