「スマートフォン株式会社」の感想など
スマホの製造販売を世界規模で行う会社の経営をするという、ちょっと変わったテーマとシステムのゲームです。
変動する市場と地域シェア争いがあるのは経済ゲームっぽいのですが、手番のアクション選択にパズル的な要素が入っているのが特徴です。
プレイする企業の最初の拠点となる国に本社があり、そこから空路や陸路でつながる地域へスマホ販売の支店を出していきます。他のプレイヤー企業よりもたくさん自社スマホを売り、支店の数を増やすことで、各地域のマジョリティを得て販売利益(勝利点)を得ることができます。
利益はスマホの価格によって変動するので、他の人と同じ台数を売っても勝利点には差が生じる仕組みです。つまり、手番の最初にスマホ本体の価格を設定するので、スマホの価格が安いとあまり得点になりません。かと言ってスマホの価格を高くすると購入してくれる地域が限られてしまうのです。
このゲーム一番の特徴と言えるアクション選択ですが、手番中に自分が行えるアクションは2枚の板(パッド)をパズルのように組み合わせることで決定します。
このパッドで表になって見えているアイコンの数だけ対応するアクションができるので、やりたいアクションを望む数だけ表にしたいのですが、これがなかなか難しいのです。補助的に小さなパーツもゲーム中に手に入れることができます。どの種類の追加パーツを入手するか、これに悩みまくりです。
また、このパズルは全員同時に行うので、最も長考しそうな要素のこのパズルには長いダウンタイムを感じないように上手くできています。全員同時に行う時にはついたてに隠れて行います。
パッドの組み合わせさえ決めてしまえば、後はあまり悩むことなく計画通りにアクションをするだけなので、見た目ほど重いゲームではないのも良い所です。
5ラウンドでゲーム終了。重めの中量級くらいの感じで遊べます。
感想など
これ面白かったです。見た感じの印象では重めの経済ゲームなのですが、わかりやすく軽くなるように上手く作られています。
先取り要素のある技術開発が「4G」だったり「Wi-Fi」だったりして今現在で考えると少し陳腐化しているのですが、スマートフォン戦国時代のお話なのでこれで良いのです。
価格変動という経済ゲームの要素が割と重要で、エリアマジョリティで優位に立つために安く広く売ってもあまり得点にならない作りなのですが、あえての激安で世界No.1シェアをとる戦術もアリなのがとても良いと思います。ダンピングで場を荒らされても孤高の高級ブランドを維持するのも良いですね。
普通この手のゲームにはある製造コストというものがすっぱりカットされているのも、狙って軽く仕上げてある感じでとても気に入りました。支払いのやりくりで頭を悩ませたり、借金に怯えたりする必要がないのでダウンタイムも短く、ひたすら製造・販路拡大に集中できます。
コストのシステムが無いおかげですごく気分よく会社経営できるのです。
現代の会社経営ゲームですが見た目よりはるかに遊びやすいです。対人インタラクションは最近のゲームにしては強めなので、遊ぶメンツがそれさえクリアできるならオススメのゲームです。