もくじ
・『サイズ・大鎌戦役』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『サイズ・大鎌戦役』の簡単な説明
1~5人用。プレイ時間90分~。この記事を書いている時点のBGGでは4人プレイがベストとなっています。
ルール難易度はやや複雑。BGGランキング上位の傑作戦略ゲームです。
「サイズ -大鎌戦役-」の舞台は歴史改変ありの第一次大戦直後の東欧が舞台です。謎の勢力「ファクトリー」の技術を求めて各国の勢力が覇権を争います。ヘックスタイルなので戦争ゲームのように見えますが実はそうでもありません。
2人でもすごく面白いのですが、若干アブストラクト味が強くなるような気がします。3人以上の方が楽しいと思います。メインボードが場所を取るので広めのスペースが必要です。
言語依存があります。完全日本語版が出ているのでそちらがオススメです。
こんな感じのゲームです
各プレイヤーに勢力マットとプレイヤーマットをランダムに配ります。コマやカード類をプレイヤーマットに記載されている数だけ受け取ります。マット上にコマ類を配置します。手番順もマットに書かれている数字順で決まります。
1手番でできることは以下の4つです。
・生産
労働者のいるマスに記載されている資源を労働者の数だけ得る。油田はオイル、鉱山は金属、畑は小麦、森は木材、村は労働者を産出する。
メインボードに出ている労働者が増えると生産アクションをするためにコストを払う必要が出てくる。
・交易
1金払って資源を2つ購入する。または民心を1上げる。
・増強
1金払って戦闘力を上げる。または戦闘カードを引く。
・移動
2つのユニットを1つ移動する。または1金を得る。
それぞれのアクションには下部に別のアクションがあり、必要な資源さえ持っていれば続けて下部のアクションも行うことができます。
上部アクションは行わずに下部アクションだけ行うことも可能です。
※上部と下部のアクションはプレイヤーマットの種類によって組み合わせは様々です。
・改良
上部アクションの利益を増やして下部アクションのコストを下げる。オイル資源が必要。
・展開
メックを労働者のいるマスに出現させる。金属資源が必要。
・建設
建物を労働者のいるマスに出現させる。木材資源が必要。
・徴兵
自身と両隣のプレイヤーが下部アクションを行った際にボーナスを得る
前の手番で行ったアクションは2手番連続では行えません。
中央のファクトリーマスにキャラクターが入った場合はファクトリーアクションカードを早取りで選んで取ることができます。
メックは労働者を乗せて移動することができます。
他にも戦闘などについて細かいルールが多数あります。詳細はルールブックを参照してください。
いずれかのプレイヤーがゲーム終了条件を6つクリアした時点で即座にゲーム終了になります。
最終得点計算を行い、最も得点の高いプレイヤーの勝利です。
ゲーム終了条件と得点について
ゲームの終了条件は以下の9種あります。
・すべての改良を終わらせる ・すべてのメックをメインボードに展開する ・すべての建築物を建築する
・4回の徴兵を終わらせる ・労働者を全てメインボードに出す ・個人目標カードの条件をクリアする
・戦闘に勝利する(最大2回まで) ・民心を最大値にする ・戦闘力を最大値にする
ゲーム終了時に行う最終得点計算の要素は以下の通りです。
・所持しているコインの数
・クリアしたゲーム終了条件の数 x 民心レート
・自分のコマがいるマスの数 ※ファクトリーマスは3マスと数える x 民心レート
・余っている資源の数2個で1点 x 民心レート
・共通目的の得点
ゲーム終了条件を6個先にクリアすると得点的に有利ではありますが、他の要素や民心レートの差で負けることがあります。
感想など
これは大ヒットしますよねと初プレイ後に言い合ってしまいました。面白いです。想像していた以上に軽いのも良いです。重量級ではありますが、中重量級と言った感じなので2時間前後で終わると思います。また、見た目に反してゴリゴリの戦争ゲームでもありませんでした。
戦闘しまくると損をするようにデザインされているので、戦闘に特化した国でないとあまり戦闘したくなくなるのがポイントです。大戦略的な見た目でこのゲームを買った人は、ルールブックを読んだ時点で違和感を感じるでしょう。戦闘の勝ち負けよりむしろ最も効率よくクリア条件を満たしていくような拡大生産ゲームとしての面が大きいです。
得点源としてはエリアマジョリティの点が放っておくとすごいことになるので、嫌でも戦闘しなければいけなくなることがゲーム中に数回あります。そこで拡大生産だけのゲームではなくなっているのがすごく楽しさの源になっている気がします。誰も戦闘なんかしたくないのです。もっと油掘って木材確保して建物を建てたいんです。でもいま戦わないと手におえなくなるんです。
ファクトリーで得られるカードのアクションが強力なので早く取りに行きたいのですが、そこにキャラクターを向かわせるのにたぶん3手番くらい消費します。3手番の元が取れるかどうかはカードの内容次第でもありますが、他プレイヤーに絶対取らせたくないカードもあるかもということでそこはレースになります。とはいえファクトリー行かなくても勝てなくもないです。
勝ち筋がいろいろなのでどう進めるかは配られた勢力とプレイヤーマット次第です。勢力ごとにスタート時の地形と労働者の配置は決まっているので、たぶん最善手があると思うのですが、そこまでまったく考えが回りません。とにかく勢力とプレイヤーマットの噛み合いが悪いときついゲームではあります。拡張を入れるとマップの資源も変わるらしいので無限に遊べそうです。
ちなみにメインボードの裏面が異常にデカいサイズのマップなのですが、これマップ右側の三分の一を買い足すと1.5倍のメインボードになるという日本の家庭事情を全く無視した素敵拡張用です。ええ買いました。1回裏面の1.5倍マップで遊んでみてごらんなさい。二度と普通サイズでは遊びたくなくなりますよ。
それからアートワークが抜群に良いです。牧歌的絵画の世界にメックがぼんやり写り込んでいて不思議ですが雰囲気最高です。これもスチームパンクの一種になるのでしょうか。スチームで動いてるわけではなさそうなので違うかな。こういう世界観は何というのでしょう。
遊んでいて「現代に生きるボードゲーマーなら1回はプレイしてみないと損」と思ったのはこれとテラフォーミング・マーズくらいなので、たぶん僕の中でかなり評価が高いゲームなんだと思います。オススメです。