もくじ
『シャーロック・ホームズとモリアーティの罠』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
感想など


『シャーロック・ホームズとモリアーティの罠』の簡単な説明

1~6人用。プレイ時間20分~60分。この記事を書いている時点のBGGでは4人プレイがベストとなっています。
ルール難易度はやや簡単。珍しく推理ゲームではないシャーロック・ホームズのゲームです。

プレイヤー達はホームズやワトソンといったおなじみのキャラクターとなり、協力してモリアーティ教授が犯罪に関与しているという証拠を探します。というテーマですがほぼパズルゲームです。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
タイルが大量にある

タイルをどんどんつなげていくゲームなので広いテーブルが必要です。人数は多い方がクリアしやすいような気がします。1人や2人でもプレイは可能ですが、複数のキャラクターを操作することになるのでおすすめしません。3人以上でプレイしましょう。

多少の言語依存があります。日本語版をオススメします。


こんな感じのゲームです

まず各プレイヤーはキャラクターを選びます。ホームズが一番遊びやすく、ハドソン夫人は慣れていないと難しいでしょう。
キャラクターを決めたら各キャラクターの色のコマを受け取ります。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
キャラクターは6種類

各プレイヤーは証拠品タイルの山から1枚ずつ引いて場に出し、自分のコマをその上に置きます。
次にプレイヤー人数と同じ数の事件タイルを山から引き、場に出しておきます。
場の中央にモリアーティ教授タイルを置いたらゲームスタートです。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
ゲームスタート時の様子

スタートプレイヤーから順に手番をおこないます。
手番では以下の順にアクションを行います。

1、場所、証拠品、情報提供者、目撃者の各証拠タイルの山をひとつ選び、上から2枚引く。1枚を選んで場に配置する。もう1枚は山の一番下へ戻す。
2、以下の条件が揃えばタイルをすでに場に出ているタイルとつなげることができる。
・2つのタイルの辺の模様が同じである
・どちらかのタイルに自分のコマが乗っている
・タイルを置けるだけの十分なスペースがある
3、繋がっているタイルを通って隣のタイルへコマを移動できる。移動は2回まで。
4、アクション3で移動する前と後にアクション2と同じ条件でタイル同士をつなげることができる。すでにつながっているタイル群と自分のコマがいるタイル群をまとめて移動させて繋げてよい。ただしすでにつながっているタイルを切り離すことはできない。
5、モリアーティカードを未解決の事件タイルの枚数分ひく。書いてある内容が場のタイルと合致するなら処理を行う。

事件タイルとモリアーティ教授タイルが2つ以上の証拠タイルを挟んで連結した場合、その事件は解決したとみなします。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
2つの事件が解決したところ

モリアーティカードによって証拠品が失われることがあります。その場合、証拠タイルは山の一番下に戻され、その場所は連結が外れて穴があきます。
もしこの時に事件解決にその証拠タイルを使っていたら事件はまた未解決に戻ってしまいます。
さらにプレイヤーのコマがモリアーティによって消される証拠品タイルの上に乗っていた場合、モリアーティ教授タイルの上にそのプレイヤーコマを移動します。監禁された状態となり、他のプレイヤーコマがモリアーティ教授タイルまで監禁されたコマを迎えに行かない限り、監禁されたプレイヤーが手番にできることはモリアーティカードを引くことだけになります。

もしモリアーティカードによって失われる証拠品タイルの上に2つのコマが乗っていた場合「保護」されているとみなされます。「保護」されているタイルについてはモリアーティによって監禁されたり証拠品が失われることはありません。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
複数該当する場合は手番プレイヤーが選んでよい

場に出ている全ての事件タイルが解決した瞬間にプレイヤー達の勝利となります。
事件タイルがすべて場に出てしまい、新しい事件の指示があってももう場に出せなくなった場合はプレイヤー達の敗北です。


感想など

僕は自称「シャーロッキアン」(シャーロック・ホームズシリーズの熱狂的ファンのこと)なので、このゲームの事件タイルを見て本の翻訳とのタイトル違いを発見してニヤニヤしたり、「あのひと」アイリーン・アドラーがプレイキャラに含まれているのかとニヤニヤしたりして堪能できるのですが、ホームズを読んだことがない人がどのくらい楽しめるのかはちょっとわかりません。

完全にホームズファン向けのゲームでありながらゲーム内容的にはパズルなのが不思議な所です。タイルの辺の模様をつなげていくとなると「カルカソンヌ」を思い浮かべるかもしれませんが、タイルが変則的な形ばかりなのでまったくプレイ感は違います。「模様は同じだけどこの角度では繋がらない」みたいなことを考えなければいけないのです。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
前に置いたタイルが邪魔になることもある

コマが乗っていないと繋げられないのがかなりきつい縛りなので、それをほぼ無視できるホームズの「移動回数無制限(つまりタイル連結も無制限)」という能力は強力です。繋がる証拠さえ場に出そろっていれば、1手番ですべて繋げて回ることができるホームズは超名探偵っぽいです。しかしモリアーティによってあっさり誘拐監禁されてしまう脆さもあります。
そこでワトソンです。ワトソンの能力は「手番終了時にタイルとタイルの間に立って両方のタイルをモリアーティから保護する」「ワトソンは誘拐されない」という最高に頼れる相棒なのです。ホームズファンの皆さんがこのゲームを好きな理由がわかるというものです。作品愛があるのです。

それにしてもこのゲームはモリアーティ教授が強いです。悪の天才、犯罪界のナポレオンらしく教授の魔の手はどこにでも届きます。特に目撃者タイルを消されたりすると、解決したはずの事件が2ついっぺんに未解決に戻ったりしてしまいます。レストレイド警部ですら誘拐される始末です。事件が6個出てしまうと引くことになるモリアーティカードも6枚です。もうどうしたらいいのかわからなくなります。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
事件が溜まりすぎて敗北寸前

ここまでモリアーティが強いホームズゲームはちょっと他に思い浮かばないくらい強いです。なのになぜか嬉しくなってしまうのは今まで「モリアーティはもっとすごい悪の天才のはずなのに」と思い続けていたからでしょう。全国のホームズファンの皆さん大丈夫です、モリアーティ教授すごく強いです。僕はまだ一回も勝てていません。あの模様さえつながれば勝てるというところまでは行くのですが、どの証拠タイル引けばいいのか判断できません。各証拠タイルの辺の模様の特徴まですべて把握していないと、引きに賭けることもできないのです。

シャーロック・ホームズとモリアーティの罠
目撃者頼みになりやすい

ゲームとしてはシャーロック・ホームズのファンならいろいろニヤリとできて楽しいですが、テーマに興味がない人が遊ぶと難易度が高くて運要素ありのパズルでしかないので、ホームズ未読の友人と遊んだ時の反応はイマイチでした。まぁホームズファンしか買わなさそうなゲームですし、シャーロッキアンが楽しめればそれで良いのではないでしょうか。モリアーティ教授にボッコボコにされるのを愉しみましょう。