もくじ
・『それはオレの魚だ!』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『それはオレの魚だ!』の簡単な説明
2~4人用。プレイ時間20分~。この記事を書いている時点のBGGでは3人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は簡単。かわいいお子様向けゲームのフリをしていますが、チェスなどのように先を読む必要がある戦略性の高いゲームです。
「それはオレの魚だ!」ではプレイヤーはペンギンの群れを操作します。とけかけの氷の上で跳ねている魚をなるべく多くとりつつ、氷を崩して他のペンギンの邪魔もしていきましょう。
これアブストラクトだと思います。運の要素ほぼなしでゲームの情報は完全共有なので、先を読もうと思ってやると2人プレイだとチェスやっているのと同じような感覚になります。3人以上だと考えきれなくなってむしろ気楽になります。
日本語版が容易に手に入ります。ボードゲーム専門店で探さなくても、ショッピングモールのおもちゃ売り場でトランプなどと並んで売っているのを見たことがあります。とてもメジャーな作品です。
こんな感じのゲームです
ルールは非常に簡単です。
プレイヤーは色を決めて、その色のペンギンのコマを3人プレイなら3個、2人なら4個と規定数ぶん受け取ります。
全てのタイルを裏返してよく混ぜ、表向きにしてランダムに7列8列7列…となるように氷タイルをつなげていきます。
スタートプレイヤーからペンギンコマをひとつずつ氷タイルの上に置いていきます。このとき、魚一匹のタイルの上にしか置けません。
全員が置き終わったらゲーム開始です。
スタートプレイヤーからペンギンコマをひとつ選び、タイルの各辺に沿って直線に進みたいところまで進みます。コマが動き出す前に止まっていた氷タイルを取り、自分の前に置いておきます。この氷に書いてある魚が1匹1点の勝利点になります。
氷タイルが取られて穴が開いている場所や、他のペンギンを飛び越えたりすることはできません。
全てのペンギンが動けなくなったらゲーム終了です。魚の数が最も多いプレイヤーの勝利です。
感想など
すごく単純でわかりやすいルールですが、勝つのは簡単ではありません。情報公開ゲームなので長考OKなら永遠に考え続けられそうです。
魚の数で勝敗が決まるので、当然スタート時には魚3匹のタイルに止まれるような場所に陣取るのですが、その魚3匹のタイルに乗った後が問題なのです。下手すると二度とその魚の上から動けないこともあり得るのです。シビアなゲームです。
ふらふらと魚のいる角の方へ行ってしまうと、そこは二度と脱出できない小島になる可能性が高いです。手番順が非常に重要で、常に脱出できる道筋を考えて移動します。ただし脱出路として考えていた道に他のペンギンが止まると全ての計算が狂います。もちろん相手プレイヤーは邪魔するために欲しくもない魚1匹タイルの上で止まるわけです。
選択的ルール(ヴァリアントルール)で、任意の場所では止まれず、必ず突き当りまで進まなければいけないというのがあります。これは難易度が上がるようで、実は邪魔がしにくくなるのでむしろ簡単になるような気がします。そこにだけは止まってほしくなかったと相手が思う場所で止まるのが気持ちいいのです。
3人などでプレイしていて「おやおや3タイルしかない小島で何をしてらっしゃるんですかね?」とか言っていると、あっという間に見事に自分も島流しになるので気が抜けません。ペンギンが複数いるのがゲームを難しくしています。
2人プレイのアブストラクト感も強烈で、チェスや将棋やっている感じの読み合いになります。読んでたつもりで相手を閉じ込めることにばかり集中してしまうと、終わってみたら魚の数で全然負けていたりします。魚3匹の氷タイルがたくさんある小島に閉じ込めても、単に魚を大量に独占できる漁場を提供するだけなのです。
こっちの手順を読んでいたら、あっちからペンギンが滑ってきて邪魔をする。こっちでこっそり魚3匹を狙えるタイルに止まろうと構えていたら、あっちから来たペンギンに先にタイルに止まられる。その時に「オイ!それは俺の魚だ!」と叫びたくなるわけです。
短時間で集中的に頭を使うすごく良いゲームです。チェスや将棋ほど煮詰まることもなく、ほどほどの知恵比べができる感じが広く受けた理由でしょうか。僕はこれ負けるとすごく悔しいので2人プレイはあまり好きではありません。3人以上で遊ぶと意外な結末になったりして面白いです。ペンギンなら海に潜って泳いで渡れよと思わないでもないですが、これペンギンじゃなくてただのチェスのコマだったらいよいよ遊ばないと思うので、かわいいペンギンでよかったです…。