もくじ
『カルカソンヌ』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
感想など


『カルカソンヌ』の簡単な説明

2~5人用。プレイ時間30分~60分。この記事を書いている時点のBGGでは2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は簡単。このゲームをオールタイムベストに挙げる人も多い傑作ゲームです。世界大会もあります。

南フランスの風景が描かれたタイルを1枚ずつ交互に置いていく、絵合わせ点取りゲームです。有名な「ミープル」と呼ばれる人型の木駒を使うゲームでもあります。

カルカソンヌ
タイルをつなげていく

あまりにも有名な名作、タイル絵合わせゲームの金字塔です。何人でも楽しいですし、初心者なら初心者の楽しさがあり、熟練すれば熟練時の楽しさがある素晴らしいゲームです。

言語依存はありません。バージョンがいくつかあって拡張と合わせるのが難しいのですが、今から買うなら「カルカソンヌ J」というタイトルの日本語版をオススメします。日本独自の拡張タイルが含まれています。


こんな感じのゲームです

基本的にはすでに置いてあるタイルと絵柄の矛盾が生じないように繋げていくゲームです。

まず最初の一枚として、裏面が他のタイルと色合いが違うスタートタイルを場に置きます。

カルカソンヌ
スタートタイルは裏面が他と違う反転色

各プレイヤーは自分の色を決め、その色のミープルを8つ受け取ります。そのうち1つのミープルは点数ボードの0点に置いておきます。

カルカソンヌ
点数ボード

スタートプレイヤーから一枚ずつタイルを引き、すでに場に出ているタイルにつなげていきます。

カルカソンヌ
右のタイルを置いて、ついでにミープルをひとつ都市に置いた

タイルを置くときのルールは以下の通りです。

・すでに置かれているいずれかのタイルに隣接させて置く。
・草原、道路、都市が描いてあるタイルに隣接させる場合、矛盾なく繋がるようにしなければならない
・どこにも配置することが出来ない場合のみ、そのタイルをゲームから除外して新たにタイルを引く

タイルを置くときに、任意でミープルを置くことができます。ミープルを置くときのルールは以下の通りです。

・いま置いたタイルに描かれている草原、道、都市、修道院のいずれかに置く
・草原に置く場合はミープルを寝かせて置く。このミープルはゲーム終了まで寝たままになる
・すでにミープルが置いてある草原、道、都市につながっているタイルにはもうミープルは置けない

カルカソンヌ
道、草原、都市、修道院にミープルを置いた状態

引けるタイルがすべてなくなるまで順番にタイルとミープルを置き続け、タイルがなくなったらゲーム終了です。
完成しなかった道や都市の得点と草原の得点を合計し、最終得点計算をします。最も得点の多いプレイヤーの勝利です。


得点について

の両端が閉じられて完成したら、その道にミープルが置いてあれば道が描いてあるタイル1枚につき1点を点数ボードに加算して、道に置いてあったミープルを手元に戻す。
・ゲーム終了時にミープルの置いてある、未完成の道タイル1つに付き1点。

カルカソンヌ
都市の入り口とT字路の村で道が完成している。この道はタイル2枚なので2点

都市の外周がすべて閉じられて完成したら、都市にミープルが置いてあれば都市タイル1枚につき2点、紋章1個につき2点を点数ボードに加算、都市に置いてあったミープルを手元に戻す。
・ゲーム終了時にミープルが置いてある、完成していない都市タイル1枚につき1点、紋章1個につき1点。

カルカソンヌ
完成した都市。都市タイル5枚と紋章2つで14点。ミープルは手元に帰ってくる。

修道院にミープルが置いてあり、修道院の周り8タイルを全てタイルが囲んだら9点を点数ボードに加算、修道院に置いてあったミープルを手元に戻す。
・ゲーム終了時にミープルが置いてある、完成していない修道院タイル1枚に付き1点、修道院を囲んでいるタイル1枚に付き1点。

カルカソンヌ
左の修道院は周囲全て囲んだので完成している。右の2つは未完成

・ゲーム終了時に草原にミープルが置いてある場合、その草原に隣接している完成した都市1つにつき3点。
※草原は道やタイルの無い空きマスによって分割されるので注意

カルカソンヌ
真ん中の草原で寝ている黒ミープルは8個の都市と隣接しているので24点

道や都市のタイルが大きくなって他の道や都市と連結することがあります。その結果、複数のミープルが同じ道や都市に存在することがあり、その場合は最も多くのミープルを置いているプレイヤーに得点が入ります。ミープルが同数の場合は全てのプレイヤーに得点が入ります。


感想など

いつ何人でやっても楽しいゲームです。プレイヤーのレベルに応じて楽しさも変化するのでいつも楽しいのです。ゲーム終了時の完成地図を眺めるのもとても良いものです。

初心者の頃は単純に絵合わせゲームとして遊ぶので、ミープルの置き方がわからず得点的には経験者にいいようにやられるでしょう。それでもなぜか楽しいのがカルカソンヌの魅力です。絵合わせは万人共通の快感なのかもしれません。
点数の取り方がわかってくると、他プレイヤーの都市に自分のミープルを紛れ込ませようとするような置き方をできるようになってきます。「オレの街の隣に変な作りかけの街を置くんじゃないよー」「へへへ協力して大きい街にしましょうよ」「嫌だよ街にミープル2個になるように置いてやる」というような会話が慣れて来たプレイヤー同士だと必ず発生します。

カルカソンヌ
完成しないように邪魔されたひどい形の都市

完成しなくても点にはなるのですが、紋章が多く含まれる都市はだいたい邪魔されて完成しません。どんな都市計画で拡張したのよという形の都市がゲーム終了まで残ります。必死になって完成させるつもりで巨大化しつつある都市にミープルを何個も置いていると、ミープル不足で泣くことになります。

もっと経験を積むと、残りタイルをカウントするようになります。ガチガチの真剣勝負の始まりです。そうなってからの面白さが本番という事で、カルカソンヌはベストプレイ人数が2人なのでしょう。「まだあの都市を完成させるタイルは2枚ある、ということはこれ以上都市拡張しないで、邪魔な道など周囲に置けないようにそちらを抑えておこう」というような戦略を立てはじめるのです。こうなると面白さ無限大です。草原のマジョリティ争いのためのミープルの配置、都市完成の可能性の有無、道タイルでの逆転の可能性、そういう思考を繰り返していくとタイルを引くたびに脳内麻薬がドバドバでるようになります。

カルカソンヌ
熟練するとこれ全部覚えた上で、残りタイルをカウントしはじめる

そこまでプレイヤースキルが熟達しなくても十分楽しいのですが、遊んでいるうちに知らず知らずにそのくらいまで上達してしまうのがカルカソンヌのすごい所でもあります。ミープルや得点の要素を省いて、単純な絵合わせゲームとして子供と遊ぶのもアリだと思います。なにかしら脳に良さそうな雰囲気があるでしょう。

人気ゲームなので多彩な拡張セットが存在します。しかし旧版と新版で互換性が無いという事で僕は拡張まで手を出していません。正確に言うと手は出しているのですが、それは拡張のオマケ的な塔が欲しかったからで、ルールとしては基本ルールで遊ぶのが一番好きです。

カルカソンヌ
拡張「塔」のタイルスタンド。これが欲しくて拡張に手を出した

という事でカルカソンヌは紛れもなく傑作、名作の類です。タイル絵合わせゲームの代名詞的な「カルカソンヌ」を一度も経験したことがないなら、ぜひ一度遊んでみてください。アートワークはかわいらしく、シンプルなルールで癖になる楽しさと奥深さがあります。オススメのゲームです。