もくじ
・『ウェルカム・トゥ』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・建築カードの説明
・感想など
『ウェルカム・トゥ』の簡単な説明
1~100人用。プレイ時間25分~。この記事を書いている時点のBGGでは3~4人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は簡単。お手軽な紙ペンゲームの中でもランキング上位を争う、人気と評価の高いゲームです。
「ウェルカム・トゥ」でプレイヤーは1950年代アメリカの建築家になります。新興住宅地の自分が担当する3本の通りに、豪華な公園やプール付きのお家を配置して最も素晴らしい住宅地を作りましょう。
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100人まで遊べるなどと書いてあってなんだジョークかと思いますが、人数によってプレイ感覚も待ち時間もそんなに変わらないゲームなので、プロジェクターでも使えば本当にできそうです。全員同時進行ゲームです。
ゲーム内容に言語依存はないのでルールを知っていれば海外版でも問題なく遊べますが、日本語版も出ています。紙ペンゲームは安価なのでどちらでも手に入る方を買えばいいと思います。
こんな感じのゲームです
簡単なゲームなので少し詳細にルールを書いていきます。
まず各プレイヤーに1枚ずつプレイシートを配ります。
カード説明用のおしゃれなサマリーシートが4枚入っているので、必要ならこれも配ります。
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プレイヤーシートは上下で分かれていて、上部の3つの通りは住宅に数字を書き込んでいく部分で、下部はそれぞれが得点要素になっています。
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場に出ている3枚の建築カードから1枚選んで、その数字をプレイシートの住宅に記入していきます。
記入のルールは
・列ごとに左から右に行くにしたがって数字が大きくならなければならない
だけです。
一番左が1でなくても構いませんし、2の右隣が7でもかまいません。
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建築カードの説明
場には常に3枚の建築カードが出ています。
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3つのカードからプレイヤー全員が数字を1つ選び、その数字と右隣のカードに出ているマーク(前ラウンドのカードの裏に書いてあるマーク)の効果をプレイシートに記入します。
全員が記入終わったら3枚の建築カードをすべて一枚めくり、裏返して隣のマークカードの山に重ねます。
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カードの数字は1から15まであります。
1と15の端の数字が最もカードの枚数が少なく、7や8の中間あたりの数字はカード枚数が多く含まれています。
マークの説明をします。
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緑のヤシの木のようなマークは公園のマークです。
このマークが右隣に出ている数字、たとえば「14」を選んだら、まず3列の通りの住宅どれかに14を記入します。その後、記入した通りの右端にある公園カウンターをひとつ塗りつぶしてください。
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次はプールのマークです。
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青のプールのマーク。
このマークが右隣に出ている数字、たとえば「4」を選んだら、まず3列の通りの住宅どれかに4を記入します。その時、プールの絵が庭に描いてある住宅を選んだ場合のみ、住宅のプールに〇をつけます。そして、プレイシート下部のプールスコア表をひとつ塗りつぶしてください。
プールの無い住宅に数字を記入することもできますが、その場合はプールのマークスコアは入らないことに注意してください。
また、プールの書いてある住宅にプールマーク以外のカードで数字を入れても構いません。この場合もプールには〇はつけません。
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次は労働者派遣会社のマークです。
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オレンジ色の労働者派遣会社のマーク。
このマークが右隣に出ている数字、たとえば「6」を選んだら、まず3列の通りの住宅どれかに数字を記入しますが、そのとき、6にプラスマイナス2まで増減して記入できます。つまり、4、5、6、7、8のどの数字として使っても良いのです。その後、プレイシート下部の労働者派遣会社のスコア表をひとつ塗りつぶしてください。
ゲーム終了時に労働者派遣会社のスコア表が一番多く塗りつぶされているプレイヤーが7点を獲得します。
次は測量士のマークです。
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白い測量士のマーク。
このマークが右隣に出ている数字、たとえば「10」を選んだら、まず3列の通りの住宅どれかに10を記入します。その後、いずれかの通りの、いずれかの住宅と住宅の間に柵として線を縦に一本引きます。これによって分けられた住宅群は区画とされます。
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次は不動産業者です。
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紫の不動産業者のマーク。
このマークが右隣に出ている数字、たとえば「11」を選んだら、まず3列の通りの住宅どれかに数字を記入します。その後、プレイシート下部の団地の価値のスコア表をひとつ選び、塗りつぶしてください。
これは柵で区画分けされた団地の価値を高める表で、上の白い測量士マークで柵を建てた時に含まれている住宅の数(上の例だと4軒の区画)ごとに価値が決まります。ゲーム終了時にそれぞれの区画の数と価値をかけて得点とします。
次は増築Bisのマークです。
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赤い増築のマーク。
このマークが右隣に出ている数字、たとえば「6」を選んだら、まず3列の通りの住宅どれかに数字を記入します。その後、いずれかの通りの、いずれかの数字が記入されている住宅の横の、まだ数字が記入されていない住宅に追加で数字を記入できます。その際は、隣の住宅の数字に小文字で「b」と記入します。
その後プレイシート下部の増築Bisのスコア表をひとつ塗りつぶしてください。これはゲーム終了時にマイナスポイントになります。
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以上で建築カードの説明は終わりです。
さて、ゲームの目的などですが
都市計画表という全プレイヤー共通の目標カードが3枚場に出ています。
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都市計画は区画の早取りです。それぞれのカードの区画条件を一番早く満たしたプレイヤーが、都市計画カード下部の高い方の得点を得ます。二番目以降にクリアしたプレイヤーは小さい値の得点を得ます。
得点を得たらプレイヤーシート下部左端の都市計画スコアに得点を記入します。
区画は柵で区切っただけでは完成されません。区画内の全ての住宅に数字の記入された状態になって完成です。
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ゲームの終了は、
・誰かが3つの都市計画全てをクリアするか
・誰かが3つの通りをすべて記入し終えるか
・誰かが3枚の建築カードのどれもプレイシートに記入できなくなる「建築不許可状態」が3回目になったら
そのラウンドでゲーム終了になります。
最終得点計算をして、最も得点の高いプレイヤーの勝利です。
感想など
これ所有しているボードゲームの中でも見た目の良さが群を抜いているゲームです。
箱もルールブックもサマリーさえもすべて世界観のために練り上げられている感じがして、デザイナーさんのこだわりもあるでしょうが、見た目が重要視されるようになってきたキックスターター時代のゲームだなぁと思います。
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ひと昔前ならダイスで運要素多めゲームでありそうな内容ですが、カードになった事でデザイン性もさらにアップ、ボードゲームらしさも向上しているように思います。
紙ペンゲームなのにしっかりボードゲームやった感がある上に、全員同時進行でダウンタイムがほとんどない、とても良いゲームです。
全員同時進行なので、一人だけ悩んでいると周囲の「早くしろよ、そこ一択だろう」「何を悩んでいるの」という視線が痛い事もあるかもです。でも大丈夫、全員が同じカードを見ていて確率的な最適解もありそうなシステムなのに、他とズレたことをしていたら真っ先に都市計画が取れる事も「まれによくある」のです。最終的に完成する住宅地がプレイヤーによって全然違うのも面白いですね。
また、「もうプールや公園は無視して区画だけ先に狙う都市計画先取り戦法」や、「公園とプールをぜんぶ取る戦法」など数字の確率ではなくマークの側で偏った高得点を狙うプレイもかなりの得点が見込めるのが面白い所です。突出した一位になるときはこういう偏った極端な事をしている時が多いですが、大負けもよくあります。バランスよくやるのが勝率的には一番なのかもしれません。その辺もゲームバランスが優れているからだと思います。
プレイ時間の短さと見た目の良さから、普段あまりボードゲームを遊ばない人を誘うのにぴったりなゲームです。おすすめです。