「ウォーチェスト」の感想など

王位継承者の若者に戦術を教えるための教材箱、という設定のゲームです。渋かっこいい。

パッと見るとチェス的なアブストラクト臭がすごいですが、使えるコマを増やしていくバッグビルディングの要素があるので運も絡んできます。

ウォーチェスト
とにかくコンポーネントが世界観通りでよい

ルールは割とシンプルな陣取りで、各プレイヤーは4種類の兵種をランダムに受け取ります。その兵種の解説カードと対応するコインをすべて受け取り、2枚ずつ自分のバッグに入れておきます。
残りは後々徴兵するための予備戦力として自分のサプライに置いておきます。
最初に両者同時にコインを三枚袋からランダムに引きます。手番になったら手札から1枚コマを置くか、場のコマを動かすか、徴兵していずれかの兵種コマを追加するか選ぶのです。
チェスなどと同じように攻撃イコール即勝利で相手のコマは消えるので、かなり戦闘自体は簡単です。

どちらかのプレイヤーが盤面の決まった要所を6か所占領したらゲーム終了です。


感想など

かっこいいのです。ただプレイ自体は「頼む!アーチャー来い!」とか言いながらバッグからごそごそコインを取り出すのでかっこよくないです。僕のプレイスタイルに問題があるだけかもしれませんが。

ウォーチェスト
バッグも狼と鷹の刺繍がすてき

基本的に陣取りゲームなので取って取られてのガチバトルなのですが、遊んでいて気持ちが良いのです。コンポーネントの高級感がその一因なのは間違いないと思います。
コマはすべて重量感のすごいコインですし、コインをドローするバッグも刺しゅう入りの素敵なやつです。重いコインがとにかく良い感じです。

プレイ自体はルールほど簡単でもなく、チェス将棋的な先読みは必須です。ただ、「あれをあそこに進めておいて、次のラウンドになったら攻撃して…」と考える「次のラウンド」にその動かしたいコマを引けるかどうかは運次第なのです。確率を高めるためにその兵種を徴兵で増やしてバッグに送り込んだりするのですが、徴兵は即バッグにいくのではなく捨て札山に一度行くので引けるまで結構な時間がかかります。
実はデッキビルディングの要素が強く、いつ何を引けるように追加調整するのかが重要だったりします。もちろんコマをどこに置いてどう動かすかも非常に大切です。ただし登場する兵種はゲームごとにかなり違うのでその都度考えなければいけません。

ウォーチェスト
コインの収納もしっかりしたもの

好きな人はものすごく好きそうなタイプのゲームです。チェス将棋好きにも受けそうですが、逆にチェスが苦手な人でも楽しめるように作られています。プレイ時間はそこまで長くないのもいいところです。ただし対人インタラクションしかないようなゲームなので、バチバチやるのが苦手な人には向いていないでしょう。
僕はチェスやるよりはこれで遊びたいです。そう、これなら運のせいにできるのです。