もくじ
・『ロココの仕立屋 リニュアル豪華版』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『ロココの仕立屋 リニュアル豪華版』の簡単な説明
1~5人用。プレイ時間60分~120分。この記事を書いている時点のBGGでは3人プレイがベストとなっています。
ルール難易度はやや複雑。2013年に発売されたゲームの拡張入り豪華版です。
ルイ15世の時代のフランスが舞台です。史上最大規模の舞踏会が開催されることになりました。プレイヤーは衣装の仕立屋になり、舞踏会までに衣装を作り、舞踏会に参加する社交界の紳士淑女の皆様に自作の衣装を貸し出すか販売するかします。舞踏会で開催される花火大会や音楽家たち、厨房への出資も忘れずに行います。舞踏会をチャンスに歴史に残る名声を得ましょう。
素晴らしいアートワークに生まれ変わった「ロココの仕立屋」です。拡張も入っています。重量級なので3人くらいがちょうど良いと思います。2人でも面白いです。
ゲーム内に言語依存はありません。とはいえアイコンが多種多彩なのでその一覧とルールブックは必要になると思います。完全日本語版がオススメですが2021年5月現在、リニュアル豪華版自体が入手困難です。2013年版の通常版は流通しています。
こんな感じのゲームです
今回は拡張については紹介しません。拡張ルールの紹介はまた別の機会にしたいと思います。
基本ルールをざっくり紹介します。
カードは職人を表しています。カードにはマイスター(親方)、熟練職人、見習いの3種があります。
カードの左上の指ぬきの色が職人のランクを示しています。下部にはその職人を使うことで貰えるボーナスが書いてあり、左下にはその職人を斡旋(デッキから削除)した時にもらえる金額が書いてあります。
初期カードの右上にはプレイヤーが選んだ色が記されていて、初期カード5枚はどのプレイヤーも同じ内容のカードが配られます。これを初期デッキとしてゲームを進めます。
初期カードの他にも職人カードは多数あり、ゲーム中に雇い入れることで自分の職人デッキを構築していきます。
衣装タイルは表裏があり、製作時と完成時で使い分けます。
衣装タイルの上部に金の指ぬきがある衣装タイルは、マイスターカードを使うことでしか制作できません。
左にはその衣装を制作するのに必要な布とレースや糸の数が書いてあります。
下部の左は売却した時に得られる金額、下部の右はレンタルした時に得られる勝利点が書いてあります。
素材タイルには上下があります。
素材タイルの上部には素材となる布の色と枚数が書いてあります。
下部にはタイルを破棄することで得られるレースや糸などの素材が書いてあります。
素材タイルは各プレイヤーに配られる素材タイルスタンドに立てかけておきます。
ゲームの流れ
ゲームは全7ラウンドで終了します。
まず各ラウンドの開始時に、メインボードの各タイル類の補充を行います。
その後、各プレイヤーは自分の職人デッキの中から3枚選び、手札とします。選ばなかったカードは各自の捨て札山へ置いてください。
スタートプレイヤーから手番をおこないます。
手番になったら行う事は
・手札から職人カードを出して、その職人のランクで可能なアクションを行う
だけです。
職人カードを出して行うアクションは以下の6種類から選びます。
・新しい職人カードを雇う。買ったカードは手札に追加する。 マイスターのみ可能
・衣装タイルを購入して売却かレンタルする。売却はコインを得る。レンタルはメインボードの各広場へ衣装タイルを置く。 マイスターと熟練職人が可能
・王妃の寵愛タイルを得る。次のラウンドのスタートプレイヤーになる。 マイスターと熟練職人が可能
・素材タイルを購入する。布か糸とレースを選んでタイルを取る。
・舞踏会に出資する。ゲーム終了時の勝利点などになる。
・職人カードをデッキから削除してお金を得る。デッキの圧縮と金策。
各アクションの後で職人カード固有のボーナスを受け取ってください。
全員の手札がなくなったらラウンド終了です。基本5金の収入を各プレイヤーに配り、ラウンドを進めます。
7ラウンド終了したら最終得点計算をして、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。
得点について
様々な得点源があるゲームです。
衣装のレンタルによる勝利点、出資した舞踏会の様々な催しによる勝利点、職人のボーナス勝利点、メインボードの各広間のエリアマジョリティ争いによる勝利点などなどです。
エリアマジョリティ争いをする広間の種類によって点も違います。舞踏会の催しへの出資もそれぞれ「レンタル衣装の各色1種類に付き2点」など様々です。多岐にわたるので全ては紹介できません。詳しくはルールブックを見てください。
感想など
とにかく豪華絢爛です。ロココ調といえば白色と淡い色合いを基調とした曲線の多いデザインを思い浮かべますが、そのものずばりがゲームのコンポーネント全てにそれが適用されています。まさにロココ。貴族趣味の極みゲームです。
プレイヤーの所有物であることを表すマーカーや、レースや糸巻などのトークン類も豪華です。個人ボードもきらびやか。ラグジュアリーな雰囲気でゲームすることができますよ。
こんなに見た目が素敵なロココ衣装の仕立屋になるゲーム!ということで遊び始めると、いきなりゲーマーズゲームの世界に突き落とされます。
手札はランダム引きじゃなく毎ラウンド自分で3枚選びます。デッキ構築なのに。ゲーム中にカード買って増やしても常に変わらず3枚しか引けないのです。つまり、購入したラウンドの手番数が増えるだけなのです。もちろん購入した職人固有の能力は重要で、ゲームが進むにつれて能力も強力なカードが出てきます。でも今買ったその職人、次のラウンドで使う3枚に入れますか?
メインボード上ではエリアマジョリティ争いが熾烈で、特にルイ15世のいる広間はゲーム終了時に花火見物のバルコニーへ行くことができる唯一の広間です。ここは高得点をとりやすいのでマジョリティ争いも激しくなります。ただしここを取ることにばかり専念すると、他が手薄になって合計点では逆転されることも大いにあり得ます。全体的に得点バランスはすごく良い印象です。
初回プレイ時、僕はルイ15世のいる広間で優勢になり、各種花火と他数種の出資で勝負をかけました。対戦相手は全広間に衣装を1つずつ置く制覇ボーナスを取り、まんべんなく他の広間のマジョリティ点を取りました。最終得点計算の結果、1点差で僕の勝ちでした。とんでもないバランスです。所持金があと3金少なければ同点でした。中盤のラウンドで何か1手番違う事をしていたら結果は違っていたでしょう。恐ろしいゲームです。
遊んでいてとても気分が良く、素晴らしいアートワークのおかげで18世紀ルイ15世の治世の雰囲気を楽しむことができます。ゲームプレイ自体は悩ましくも楽しいゲーマー向けのものです。今年遊んだ中でもかなり上位に入るオススメのゲームです。箱が巨大なのでそこだけ注意してください。