もくじ
・『The Coldest Night』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・特殊効果と幸運トークンについて
・感想など
『The Coldest Night』の簡単な説明
1~4人用。プレイ時間20分~。この記事を書いている時点のBGGでは2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度はやや簡単。ルールは簡単でもクリアは難しい協力サバイバルゲームです。
「The Coldest Night」は日本では「ザ・コールデスト・ナイト」と紹介されていることもあります。急な天候の変化で冬山の小屋に閉じ込められたプレイヤー達は、朝が来るまで火を焚いて寒さから身を守らなければいけません。燃やせるものは何でも燃やして火を絶やさないようにしましょう。
日本語化したほうが良さそうな言語依存がちょっとだけあったので、日本語化シールのデータを自作しました。
PDFファイルで置いておきます。
※誤訳の可能性があります。スキャンデータがずれていて一部歪です。転載・商用利用は禁止します。
『The Coldest Night』凍傷カード日本語訳PDF
『The Coldest Night』ターン進行、特殊効果サマリー日本語訳PDF
2021年5月現在、日本語版はありません。海外版が国内でも少量流通しているようです。
こんな感じのゲームです
手札の内容を喋ってはいけないタイプの協力プレイです。
燃料カードには左上に火力を表す熱量、右上に燃えにくさが数値化されています。特殊能力があるカードは下部に書いてあります。
準備として、場に裏表同じ絵柄の焚き付けカード3枚「マッチ」「新聞」「薪の束」を並べます。
その後、燃料カードを15枚15枚20枚の束に分けてそれぞれシャッフルします。それぞれの束の一番下に「The Fire Dwindles(消えそうな炎)」カードを入れ、21枚の束が一番上になるように3つのカードの束を重ねます。重ねたらもうシャッフルはしないでください。
これを燃料カードの山札とします。
場に置いてある焚き付けカード3枚の横に燃料カードの山札を置きます。各プレイヤーは山札から3枚カードを引き、初期手札とします。
凍傷カードはシャッフルして横に置いておいてください。適当な方法でスタートプレイヤーを決めたらゲームスタートです。
手番は以下の順番で進行します。
幸運トークンが場に出ていたらいつでも誰でも使うことができます。
1、凍傷の回復フェイズ:自分の前に凍傷カードが置いてある場合、場の熱量が凍傷カードに記されている数字とぴったり一致していたらその凍傷カードをゲームから除外できます。記されている数字が同じ凍傷カードがある場合は一気に複数除去してかまいません。
2、メインフェイズ:以下の2つのうちいずれかを選んで実行します。
・手札からカードを場に出す。
手札からカードを場に出すには、場に出ている燃料カードの熱量(左上の数字)の合計が、手札から出そうとしているカードの燃えにくさ(右上の数字)以上でなければいけません。
場に出せるカードは4枚までです。4枚までなら1手番に何枚出してもOKです。
特殊効果付きのカードを出したら即座に効果を解決します。
・燃料漁りをする。
山札から3枚引いて、引いた3枚の中から組み合わせを自由に選んで自分の手札か他のプレイヤーに渡します。もともと持っていたカードは渡せません。
3、整理フェイズ:場に出ている一番右の燃料カードを場から取り除き、ゲームから除外します。この時、場に出ているカードが3枚未満になった場合は凍傷カードの山札から1枚引き、自分の前に置いておきます。凍傷カードが置いてある限りその効果の影響を永続的に受けます。
手番終了時に燃料カードを1枚引き(メインフェイズで燃料漁りをしていたとしても引くこと)、次のプレイヤーに手番が移ります。
燃料カードを引いた時に「The Fire Dwindles(消えそうな炎)」カードを引いた場合は即座に場に出します。この時「消えそうな炎」が場の4枚目のカードだった場合は即座に場の右端の1枚をゲームから除外します。その後、山札から1枚引きます。
手札のカードを含めた全ての燃料カードを場に出し終えたら火は一晩中燃え続け、朝まで生き残ります。プレイヤー達の勝利です。
場の燃料カードが0枚になったら朝が来る前に火は途絶え、プレイヤー達は凍死します。プレイヤー達の敗北です。
凍傷カードの山札がなくなってしまい、凍傷カードを引けなかった場合も凍死します。プレイヤー達の敗北です。
特殊効果と幸運トークンについて
燃料カードには下部に特殊効果が書いてあることがあります。
特殊効果は5種類あり、良い効果が「TARGET」「IF」「GAIN」の3種類、悪い効果が「GRATEST」「BURN ONE」の2種類です。
「TARGET」は整理フェイズに場から除外する燃料カードを選ぶことができる効果です。
「IF」カードを場に出した時の場の熱量の合計がIFカードに書いてある条件を満たしていれば、対応する幸運トークンを場に出します。
(例:「6 or below」なら場の熱量の合計が6以下だったら幸運トークンを得る)
(例2:「6+」なら場の熱量の合計が6以上なら幸運トークンを得る)
(例3:「6-9」なら場の熱量の合計が6、7、8、9なら幸運トークンを得る)
基本的に上記3種類しかIF条件はありません。
「GAIN」カードを場に出したら即座に対応する幸運トークンを場に出します。
「GRATEST」は整理フェイズに場から除外する燃料カードを、最も熱量の高いカードにしなければいけません。
「BURN ONE」は整理フェイズに燃料カードを場から除外した後で、追加でもう1枚最も右にあるカードを除外しなければいけません。
どの効果も場に出した時1回だけの発動です。
「TARGET」と「GRATEST」を同じ手番で出した時は、「TARGET」のみ発動します。
次に幸運トークンの簡単な説明をします。
幸運トークンは場に出ていればいつでもだれでも使うことができます。
裏に効果が書いてありますが、たいていは熱量をプラスする、カードを引くという効果です。それ以外としては
「EMARGENCY SUPPLIES」は(山札から1枚場に出してよい、燃えにくさは考慮せず、効果も一切発動しない)
「ALCOHOL」は(出した燃料カードの上に載せ、そのカードが場に出ている限り熱量+1)
「BLANKET」は(凍傷カードを1枚ゲームから除外)
という効果です。
「ALCOHOL」以外の幸運トークンは基本的に1手番で効果が終了します。
感想など
冬山サバイバルゲームです。僕が大好物としている冬山サバイバルは登山家が吹雪に襲われて雪洞を掘ったりするお話で、その手のゲームとしてはPCに「The Long dark」という名作があります。
(外部リンク:家で楽しく過ごす『The Long Dark』)
とにかく手あたり次第何でも燃やして暖をとらないと死ぬような極限状態がテーマですが、どうもこのゲームはジャック・ロンドンの古い小説「火を熾す」が元ネタになっているようです。「火を熾す」は極寒の大自然で濡れてしまった男が苦労して焚き火するという寒さ描写がすごいことになっている小説で、読んでるだけで凍えそうになるやつです。とはいえ山小屋の家具を全部燃やすようなお話ではないので、インスピレーションを貰ったという事でしょうか。
ゲームとしてはとても難しいです。4回プレイしてまだ朝まで生き残れていません。あとちょっと、たぶん明け方3時とか4時くらいのところで火が消えてしまいます。2人プレイで協力しても気が付くと熱量が1とかになっているのです。手札には燃えにくさ7のテディベアがいたりして。
協力するといってもできることは燃料漁りで3枚引いたカードを分け与えることと、相手の凍傷が治るように場の熱量を調節してあげることくらいです。燃料漁った挙句に「いいもの見つけた。これあげる」などと言って、3枚引いた中の一番燃えにくいカードを押し付けるのは協力ではありませんよ。そもそも燃料漁りをすると凍傷ゲット確定なので、なるべく燃料漁りに手番は使いたくないのです。
「パンデミック」のエピデミックカードのように、一定間隔で登場する危険なカードがあります。熱量ゼロの「The Fire Dwindles(消えそうな炎)」カードがそれで、これが出る度に熱量が激減します。「TARGET」効果はこいつを取り除くためにあると言っても過言ではありません。消えそうになった火を慌ててフーフー吹いてる我々の姿が目に浮かびます。「TARGET」カードがないならここで熱量プラス効果の幸運トークンを使わないとおそらく死にます。しかしそんなに都合よく毎回準備できないのです。
「そんな燃えにくいのに熱量2なんて物を拾ってくんなよ!」「仕方ないだろ!お前だって木のスプーンなんか拾ってきて、あ、凍傷になった」みたいな感じで遊んでいますが、僕らは現実での冬キャンプも同じメンツで行うのでだんだん身につまされてきます。本当にこんな状況になったらどうしようというような会話もして、そんなこんなしているうちに火が消えて全員凍死。現実ではこんなことにならないように気を付けよう。
サバイバルなどのテーマが好きなら気に入ると思います。カードとトークンだけなのでとても準備が楽ですし、軽いので何回も挑戦したくなります。とても難しいですが協力プレイゲームとしてもかなりオススメです。