もくじ
・『ヘックメック・デラックス』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・拡張要素について
・感想など
『HeckMeck deluxe ヘックメック・デラックス』の簡単な説明
2~7人用。プレイ時間30分~。この記事を書いている時点のBGGでは3~5人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は簡単。ドミノ牌のようなしっかりした牌で遊ぶ戦略ダイスゲームです。
鶏たちの芋虫BBQパーティがテーマです。他のプレイヤーよりも多くの芋虫を取りましょう。子供向けに見えますが大人でも楽しめます。これは運試しと戦略のバランスが良い「ヘックメック」の拡張とボーナスがセットになったデラックス版です。
大人だけで遊ぶなら3人以上で、それも拡張込みで遊ぶととても面白いです。1度拡張込みで遊ぶと通常ルールでは物足りなくなります。
ゲーム内に言語依存はありません。ルールがわかれば海外版でも問題なく遊べます。
こんな感じのゲームです
場にドミノ牌風のタイルを数字順に並べます。22から36まであります。
スタートプレイヤーから手番をおこないます。
手番ではダイスを全部振ります。
ダイスには6の目の代わりに芋虫が書いてあります。芋虫は数字としてはダイス目5としてカウントします。振ったダイスの出目をひとつ選び、自分の前にその出目のダイスをすべて持ってきます。
次に残ったダイスをすべて振り直して別の出目を狙うか、そこでダイスを振るのを止めるかを選びます。
振るのを止める場合、出目の合計と同じ数字かそれ以下の数字タイルを場から取ることができます。
取った2枚目以降のタイルは重ねて上に載せていきます。
ただし、以下の場合はタイルを取ることができず失敗となります。
・芋虫の出目を取れなかった
・降りなおした結果、今までに取ったダイス目しか出なかった
・ダイス目の合計数が場に出ているタイルの数字に満たなかった
失敗したら自分の持っている1番上のタイルを場に戻します。場に出ているタイルのうち最も数字の大きなタイルを裏返してゲームから除外し、次のプレイヤーの手番に移ります。
もし他のプレイヤーが持っている一番上のタイルとピッタリ同じ数字になったら、そのプレイヤーのタイルを奪い取ることができます。
場のタイルがすべてなくなったらゲーム終了です。
各プレイヤーが取ったタイルに描いてある芋虫の数が最も多いプレイヤーの勝利です。
拡張要素について
拡張はタイル2枚追加とボーナスコマです。
・追加の11と13のタイル
これらはピッタリの数字でしか場から取ることができません。また、他のプレイヤーに奪われることもありません。
木コマ類はスタート時に指定のタイルの上に乗せます。そのタイルを取ったらコマも一緒についてきます。他のコマを取ったらどちらかを選んで1つは場に戻さなければいけません。失敗してタイルを場に戻すときもコマも一緒に場に戻します。他のプレイヤーにタイルを奪われたらコマも一緒に奪われます。戻すときは場にあるタイルの最も数字の小さいタイルの上に乗せます。
・赤芋虫
最後まで振って芋虫の出目を取れなかった場合、芋虫のダイス目として追加カウントします。
・青ニワトリ
自分のタイルが奪われるときに、タイルの身代わりで青ニワトリのコマが相手プレイヤーに奪われます。
・黒カラス
カラスの乗っているタイルを取った時、追加で丸タイルを1つ得ます。丸タイルはゲーム終了時に追加の芋虫としてカウントします。カラスはプレイヤーのタイルの上には乗らずに場に戻ります。
・黄ダイス
これを持っているプレイヤーはダイスを振る時に黄色いダイスを追加して9個のダイスを振ることができます。
・白イタチ
1手番に1回だけダイスを振り直すことができます。
・りんご
ゲーム終了時に3芋虫としてカウントします。
感想など
2人で拡張なしで試しに遊んでみたところ、あまりピンときませんでした。子供向けの運ゲーという印象だったのです。ところが拡張込みの3人プレイをしてみたら大盛り上がりの楽しい駆け引きゲームになりました。僕としては3人以上の拡張込みを強くお勧めします。拡張はともかく、人数は絶対3人以上いた方が楽しいはずです。
最終盤以外は5と芋虫の出目を大量に取りたいのですが、なかなか上手くいきません。手堅く芋虫をひとつでも確保しておくのか、それとも3ひとつ取って振り直し、残りのダイスに全てを賭けるのか。というようなのが中盤までのドキドキです。あまり数字が低いタイルしか持っていないと誰かに取られてしまう可能性も高いですし、あまりに数字の大きいタイルを持っていると、バーストして場にタイルを戻すのが恐ろしくなります。常にハラハラです。
しかしこのゲームの面白さは最終盤にこそあると思います。たくさんのタイルが裏返しになり、残り1枚しか場に残っていないとき、場のタイルが30とか大きな数字のタイルだと全プレイヤーが無茶な賭けをせざるを得なくなるのです。どんどんバーストする人が続出してしまい、そこまでの優勢もあっという間に覆るような展開もありえます。
拡張を入れると一気に他人のタイルを狙うプレイに変わり、これが熱いです。皆のタイルの上に乗っているコマが欲しいというか、コマを持っていると強すぎるので捨てさせたいのです。拡張を入れた中盤以降、皆が出目の合計数を計算しだして、最大値を狙わずに特定の数ピッタリをいかに取るかの計算をするようになってから僕はこのゲームがすごく面白いと感じました。
他人が悩んでいる所に横から口を出すのが醍醐味で「今4を2つ取っておけば次に3が1つ出れば俺のタイル取れるよ」「あっそうか、いやそれだと芋虫取れてないじゃないかアブねー」「ちっ感づいたか」というようなやり取りが頻発します。芋虫の出目が1つだけの時に「今のうちに芋虫取っちゃいなよ」は皆が言うやつです。芋虫と5はなるべく複数で取らないと後々厳しくなるのです。
ルールが単純で、しかもテーマもかわいい物なので子ども向けっぽいですが実はギャンブル性の高い駆け引きゲームです。大人4~5人でやると大盛り上がりするでしょう。拡張入りをおすすめします。