もくじ
『おかしな遺言』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
感想など


『おかしな遺言』の簡単な説明

2~5人用。プレイ時間45分~75分。この記事を書いている時点のBGGでは4人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通。どこかで見聞きしたことがあるような変わったテーマのゲームです。

大富豪だった叔父が残した遺言は、「親族のなかで人生を最も楽しむものに全ての遺産を遺す」でした。スタート時にプレイヤー達はある程度の額の遺産を受け取り、それを誰よりも先に使い果たしたものがすべてを受け取る勝者となります。浪費を手伝ってくれる友人や不動産などを駆使してバンバンお金を使いましょう。

おかしな遺言

メインボードは大きめ

3人プレイでとても面白く遊べました。ワーカープレイスメントなので3人以上がオススメです。2人プレイだとルールに一部変更が入ります。

ゲーム内の言語依存は各カードのタイトルくらいでほとんどありません。ルールさえ知っていれば海外版でも問題なく遊べます(BGGに和訳ルールあり)が、完全日本語版もあります。


こんな感じのゲームです

各プレイヤーは個人ボードと使用人コマなどを受け取ります。

おかしな遺言

個人ボードの上に計画マーカーと使用人コマ

カードは4種類あります。
・イベントカード
一回使い捨てのカードで、アクションポイントを使って飲食したり旅行したりすることでお金を使う。
・浪費カード
プレイヤーボードにプレイするタイプのカードで、ボードに置いてある限り毎ラウンド使える。特殊な効果を発動して支払いを増やしてくれる協力者タイプと、毎回行えるパーティのようなイベントタイプがある。
・不動産カード
マンションなどをプレイヤーボードにプレイする。高額な支払いを行えるが、不動産を所持している限り破産できない。毎ラウンド維持費を払うことができる。ただし維持費を払うと資産価値が維持される。資産価値が高いと不動産販売時に高額で売れてしまう。家タイプと農場タイプがある。
・同伴者カード
女性やシェフ、馬や犬など特定の浪費・イベントカードと同時に出すとより多額の支払いが発生するカード。プレイヤーボードに置くタイプのカードに同伴させると永続的に効果を発揮する。

おかしな遺言

浪費(協力者)カードと不動産カード

各プレイヤーは浪費カードと不動産カードを3枚ずつ受け取り、2枚残して捨て札にします。
メインボードにカード類を補充したらラウンドスタートです。
先ずまず計画フェイズとして、スタートプレイヤーからメインボードの計画表に計画マーカーを置いていきます。

おかしな遺言

計画表

計画表は3段の砂時計で表現されていて、上からこのラウンドに引けるカードの枚数、お使いに出せる使用人の人数、使えるアクションの数。になっています。スタートプレイヤーからどの砂時計を選ぶか決め、この後の手番順はこの計画表の最も左に計画マーカーを置いたプレイヤーから順に回ります。

計画表で手番順が決まったら、次にカード補充フェイズです。
計画表で指定された枚数を手番順に4種のカードから好きに選んでカードを引きます。

次は使用人お使いフェイズです。
計画表で指定された数の使用人をメインボードの各使用人お使いゾーンに置いて効果を処理します。つまりメインボードでワーカープレイスメントを行います。すでに選ばれたお使いゾーンに使用人コマを置くことはできません。

おかしな遺言

使用人お使いの一部。カードを一枚選んでもらえる。

使用人のお使いは、ボードに置いてあるカードの取得、個人ボードの拡張、不動産価値の変動、オペラ鑑賞で若干の浪費などです。
まず1人目の使用人のアクションを全員が選び終わったら、2人目の使用人をお使いに出します。計画表によっては使用人が1人しかいない事もあります。

おかしな遺言

不動産価値変動のお使いゾーン。不動産の種類によって売却価格を増減できる

次にアクションフェイズに入ります。
手番順に計画表に書かれている数のアクションを行うことができます。
アクションでできることは、個人ボードへの手札のプレイ、使い捨てイベントカードのプレイ、プレイ済みカードの効果発動、不動産の購入と売却などです。

全員がアクションを終えたらラウンド終了です。次のラウンドが始まる前に手札を2枚だけ残して全て捨て札にします。

いずれかのプレイヤーが所持金ゼロ以下になったらそのラウンドでゲームは終了します。不動産を所持していると所持金ゼロ扱いにはなりません。
不動産を持っていなければゼロ以下のマイナスまでお金を使うことができます。これはマイナス所持金、つまり負債になります。
複数のプレイヤーが所持金ゼロ以下だった場合は最も負債が多いプレイヤーの勝利です。
7ラウンド終了時まで誰も破産しなかった場合はその時点での所持金の少ないプレイヤーの勝利です。この場合不動産は時価価値プラス5金扱いになります。


感想など

テーマがすごく面白くて、誰よりも先にお金を使い切るレースゲームです。こんな話どこかにありましたよね。僕が思い出したのは金遣いの荒い兄弟に困った父親が「期限までにお金を使わなかったほうに財産を譲る」という競争を兄弟にやらせたら、兄弟はお互いの財布を交換してしまったというあのお話です。節約レースが一転して浪費したもの勝ちレースになるわけです。グリム童話だったか、中東の寓話だったか忘れました。

おかしな遺言

このゲームではテーブル上が荒れていた方が雰囲気がある気がする

ワーカープレイスメントとアクションポイント制を混ぜたカードゲームなので、手番順とアクションポイントの使い道である手札のカードが重要です。それらの重要視する割合を毎ラウンド計画フェイズで悩むのですが、この計画フェイズの段階でそのラウンドのほとんどの事が決まります。手番順が決まるのでメインボードで取れる使用人アクションの場所も決まります。当然美味しいカードなどから取られていくので、計画表の手番順が遅いなら使用人は1人でも対して違いがないかもしれません。
基本的に手番が早いとアクションフェイズで使えるアクションが少ないので、欲しい物を毎ラウンド取れるような計画にしてしまうとせっかく取ったカードを使い切ることができなくなります。次ラウンドに持ち越せる手札は2枚しかないのです。

不動産がかなり重要で、早いラウンドで不動産を購入しておかないとゲーム終了間際になっても資産価値が減ってくれません。結局購入時とたいして変わらないような金額で売れてしまうと致命傷になります。また農場は放置しても資産価値が変動しないので、毎ラウンド維持管理費を払うなら邸宅より農場の方が良いのかもしれません。ゲーム開始時にどんな不動産を引いたかでゲームの方針を変えるのでしょう。

おかしな遺言

左が邸宅、右が農場。農場は資産価値(左の紙幣アイコン)が変動しない。

プレイしている間ずっと楽しいゲームです。所持金をゼロにするのが目的のゲームなんてなかなか他にはないので、固定観念からゲームプレイがおかしくなる瞬間が時々あります。常に損しなきゃいけないのです。プレイヤー達から「いつもなら効率よく拡大再生産してコインを増やすのに!」という悲鳴が何度か出るでしょう。
引いた目で見ると結局は効率よくコインを増やすのと同じことを要求されているシステムなのですが、アートワークやテーマがこれで、しかも実際にお金トークンを減らしていかなければいけないので背徳感があると言うか、本当に珍しいプレイ感覚で面白いです。

おかしな遺言

アートワークも良い

たぶん舞台はシャーロック・ホームズなどと同じヴィクトリア朝ロンドンなので、浪費すると言ってもどこか格調高い気品のあるものが多いです。悪ノリし過ぎていないアートワークもとても良くて気に入っています。カードも楽しく、「古い友人」カードが手伝ってくれたり、「船乗り」は大酒飲んでくれたり、「どんちゃん騒ぎ」カードで不動産価値が急落したりするのも状況が容易に想像できます。

問題点があるとすれば種類が多いアイコンがわかりにくいことです。アイコン一覧がルールブックにまとめてあるので慣れるまではそれを回し見しながら遊ぶことになるでしょう。2回もプレイすれば覚えると思います。
僕はこれ中量級の中ではすごく好きなゲームです。ちょっと変わったテーマで遊びたい方にお勧めします。