もくじ
『ito』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
感想など


『ito』の簡単な説明

2~10人用。プレイ時間30分~BGGにも一応ページはありますがベストプレイ人数は不明。
ルール難易度は簡単。協力コミュニケーション系の国産カードゲームです。

2020年末くらいからいろいろな媒体で見かけるようになった国産カードゲームです。テーマは一応脱出ゲームのテイですが、あまりゲーム内容とは関係ありません。

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1から100までのカードを使う。絵柄は関係なし。

コミュニケーションを楽しむタイプのゲームなので、人数は多い方が楽しいと思います。人数が多ければ多いほど難易度は上がりますが、別にクリア自体が目的のゲームではないと思うので5人でも10人でもいいと思います。

ゲーム内に言語依存がない国産ゲームです。2021年現在、どこでも容易に入手できます。


こんな感じのゲームです

箱には2種類のルールブックが入っていて、協力プレイの「クモノイト」と対戦プレイの「アカイイト」という2つのルールで遊ぶことができます。
ここではメインで遊ぶと思われる「クモノイト」のルールを紹介します。

このゲームには1~100までの数字が書かれたカードと、お題カードがあります。

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お題カード。大量にある。

お題カードを数枚引いて、その中の一つを相談して選びます。お題カードは使わずに自分たちでお題を決めてもOKです。
場の中央にカード捨て場の箱を置きます。
第1ラウンドは各プレイヤーが山札から1枚カードを引きます。
全員カードの数字を喋らずに、数字が小さい順番でカード捨て場に捨てていかなければいけません。

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ゲームスタート時。もちろん実際はカードを他人には見せない

まずカード内容の相談フェイズになります。
例として「ゾンビと戦う時に持っていたいもの」というお題だとします。1は最も持っていたい度が低く、100が最も持っていたいものです。

各プレイヤーは自分のカードを「電気ノコギリくらいです」とか「キュウリくらいです」とか言い、全員で相談しつつ最も低そうなカードを持っているプレイヤーは自分のカードをカード捨て場に捨てます。
そのカードよりも大きな数字のカードを誰かが持っていたらそこで失敗。1ライフ失ってラウンド終了です。

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自分のカードより大きな数字のカードが捨てられたらゲーム失敗

全員が手持ちのカードを出し切れたら成功です。
2ラウンド目はカードを2枚ずつ引き、同じようにお題を出してはじめます。
3ラウンド目はカード3枚ずつ引きますが、ゲーム開始時に1枚だけ山札から引いてカード捨て場に最初から捨て、その数字がお題的に何かを全員で相談してからスタートします。つまりヒントありで始めるのです。

3ラウンド成功すればプレイヤー達の勝利、3回失敗したらプレイヤー達の敗北でゲーム終了です。


感想など

これはコミュニケーションゲームとしては最高峰じゃないでしょうか。面白いです。ただしお題によっては全く思いつかなくなるので、全員が良く知っていることでなければ盛り上がりません。そういう意味ではプレイヤー間にジェネレーションギャップがあったりする場合には、お題選びは慎重にやった方が良いです。

いっそもうお題カードは無視して、自分たちで決めた方がたぶん盛り上がります。参加者に共通してることなど、たとえばプレイヤー達が銀行マンなのであれば「全国の地銀の経営ヤバそうな順」で遊んだら危険な話も飛び交って盛り上がりそうですし、全員がボードゲーマーなら「プレイ時間がかかるボードゲーム順」とかで遊んで47と55くらいの微妙な違いで悩むのも面白そうです。参加プレイヤー全員共通の何かでお題を考えるのがおすすめです。

ito
53くらいが一番困る

結局クリアしようがしまいが、会話で盛り上がるのが目的のゲームなので盛り上がれば大成功です。だいたいにおいて価値観が大幅にずれている人に「なんでだよ!」と言うパターンで盛り上がるのですが、よく話を聞くと全然一般的ではないが本人は一般常識と思っているような専門知識やデータが出てきて、意図せず全員の知識のアップデートになる事があるのもすごく良いです。
ゲーム自体は言ってしまえば「ザ・ゲーム」や「ザ・マインド」の二番煎じですが、「喋ってはいけない」を「他のもので例える」に替えるだけでかなり面白さ(ゲーム性ではない)が増しています。人となりが知れる、会話が盛り上がる、という事で良いことずくめです。

ちなみに我が強いおじさんだけが集まって遊ぶには全く適していません。自分の意見を通すための発言に終始して「この数字なら絶対カワウソだ!」「いやいやカワウソより絶対キタキツネの方が下だろうが!」「バカか!それがキタキツネじゃこのハクビシンおかしくなるだろ!」と喧嘩になりかねません。そのうち知識マウント取り合戦になって誰も幸せにならずに終わるでしょう。我が強いおじさんが4~10人も集まったのならこんなコミュニケーションゲームはやらずにアブストラクト大会でも青筋立ててやる方がまだいいです。

イト
このくらいの違いも困る

気の知れた仲間同士でも、知り合って間もないグループでも、そして夫婦でも楽しく遊べそうな、間違いなく良質なコミュニケーションゲームです。ルールも簡単でインスト1分くらいで始められるでしょう。様々なシーンで遊ぶ姿が思い浮かぶほどで、これからさらに一般化していってもおかしくないように思います。もうひとつのルール「アカイイト」の方では僕はあんまり遊びませんが、集まるプレイヤーによっては楽しめるかもしれません。