もくじ
・『カートグラファー』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『カートグラファー もうひとつのロールプレイヤー物語』の簡単な説明
1~100人用。プレイ時間30分~45分。この記事を書いている時点のBGGでは3~4人プレイがベストとなっています。。
ルール難易度はやや簡単。紙ペンゲームなのに強めの対人インタラクションがある人気ゲームです。
各プレイヤーは女王の勅命によって地図を制作することになった地図職人になります。プレイシートに地形を書き込んでいき、春夏秋冬の4シーズンごとに得点計算をしていくゲームです。
何人でやってもプレイ時間はそんなに変わらないので、3人以上が楽しいでしょう。やろうと思えば8人くらいでも快適に遊べると思います。
言語依存が少しあります。完全日本語版が出ているのでそちらがオススメです。
こんな感じのゲームです
プレイシートは裏表あります。すべてのプレイヤーが同じ面でプレイします。
春夏秋冬のカードを場に置き、春を一番上に見えるようにします。
「A」「B」「C」「D」と書かれたカードを並べ、その下にそれぞれランダムに選んだ目標カードを置きます。
探索カードの山にモンスター待ち伏せカードを一枚加えてシャッフルし、山札にします。
春は「A」と「B」の下に置かれた目標が「春」のラウンド終了時の得点になります。夏になると「B」と「C」が目標になります。このように四季で目標が移り変わっていきます。
ゲームがスタートしたら、誰でもいいので一枚ずつ探索カードを引き、全員に見えるように公開します。
探索カードは地形と形が書いてあります。
探索カードには村や農地などの土地の種類が書いてあります。その下にはその地形の形が書いてあります。複数ある場合はどちらかを選んで、それぞれの地図に書き込んでいきます。その時、ABCDの目標に沿った書き方で得点を狙いましょう。形は回転させたり裏返したりしてOKです。
探索カードの左上には数字が書いてあり、その合計数が季節カードの左上の数字に達すると今の季節が終了します。
季節が終わったら得点計算をして、探索カードに待ち伏せカードを一枚加え、すべてシャッフルしなおして次の季節を始めます。
冬が終わった得点計算でゲーム終了です。春夏秋冬の得点をすべて合計して最も点の高いプレイヤーの勝利です。
特殊な探索カードについて
・廃墟カードが出たら、即座にもう一枚探索カードを引きます。
その地形は地図の廃墟に重なるように配置しなければいけません。配置できない場合は地形の形を無視して1マスだけに書き込みます。
・地形の形のところにコインのマークがある場合、その地形を選んだらコインを得ます。地図の下部にコイントラックがあるので1つ塗りつぶします。
コインは四季の得点計算の時に常に1枚1点としてプラスされます。
マップに最初から印刷されている山岳マスを四方囲んで地形を書き込むことによってもコインを得ることができます。
・モンスターの待ち伏せカードが出たら、右回りか左回りで指定されているので隣のプレイヤーに自分の地図を渡します。
待ち伏せカードに書いてある地形を回ってきた他のプレイヤーの地図に書き込みます。一番邪魔になりそうなところに書き込みましょう。書き終わったら元の持ち主に地図を返します。
得点計算時、モンスターの地形に隣接する空きマス一つごとにマイナス1点です。
感想など
紙ペンゲームなのに対人インタラクションが強い!これだけで結構なインパクトがあります。こんなに他人のプレイシートに直接的な攻撃ができる紙ペンゲームを他に知りません。他人のプレイシートに落書きができてしまうのです。他のゲームなら100%怒られます。
攻撃したりされたりするカードである「待ち伏せ」は、季節ごとに1枚しか混入されないので、春の間に出ないで夏に2枚出ることもあります。冬まで季節が進んでいると、もう地図に空きマスが無くてモンスターを書き込めないかもしれません。夏くらいに厄介な場所に置かれるのが一番きついです。
他のこの手のテトリスっぽい形をはめ込んでいくゲームは、ゲーム終了時に空きマス一つに付きマイナス点が付いたりするのですが(「パッチワーク」、「アイル・オブ・キャッツ」など)この「カートグラファー」は空きマスは特にマイナスになりません。しかもすでに書き込んだ地形に隣接して置かなければいけないというありがちなルールすらないので、かなり自由に設置することができるのが個人的にはすごく楽しいです。
拡張ルールとしてプレイヤー個別能力のようなカードも入っていました。今のところそれらを使わなくても十分楽しく遊べているのでまだ未使用です。
プレイ中の姿はすごく地味ですが、遊んでいて感じる面白さは一般的な紙ペンゲーム以上です。カードを多用して遊ぶ紙ペンゲームという事で少し「ウェルカムトゥ…」に似たプレイ感覚があるかもしれません。ゲーム自体は全然違いますが、カードを使うちょっと手の込んだ紙ペンゲーム感が似ている気がします。
このゲームはものすごく評価が高く、2021年4月現在、紙ペンゲームの中では最もBGGのランキングで上位になっています。直接邪魔ができるシステムが画期的だからかなと思っていたのですが、実際プレイしてみるとそれだけでなく練られた面白さがあるゲームだと思いました。全員が同じ目標と探索カードを見ているのにかかわらず、全員違う地図を書いているのが面白いです。女王の望むままに都合の良い地図を書いているわけで、正確な地図製作という意味では最悪の製図家集団だと思うのですが、女王が喜べばそれでいいのです。