もくじ
『のびのびTRPG スチームパンク』の簡単な説明
こんな感じのゲームです
感想など


『のびのびTRPG スチームパンク』の簡単な説明

1~5人用。プレイ時間30分~60分。一応BGGにもページはありました。
ルール難易度は簡単。TRPGを大胆に簡略化したゲームシリーズのひとつです。

「のびのびTRPG」ではプレイヤーは持ち回りでTRPGでいうGM(ゲームマスター)の役をこなしつつ、プレイヤーとしてもロールプレイをしていきます。全員で共通の目標をクリアしましょう。

のびのびTRPG
基本的にはカードゲーム

簡略化したと言ってもTRPGなので人数は多い方が楽しいです。参加者の中にTRPG経験者が一人でもいたほうがスムーズかもしれません。ロールプレイはまったくの未経験だと難しいものです。

国産ゲームです。日本語版が容易に手に入ります。


こんな感じのゲームです

TRPGなので皆でキャラクターを演じる(ロールプレイ)ゲームです。通常TRPGにはGM(ゲームマスター)という、ゲームのシステム面を処理する係の人がいます。そのGMがゲーム進行や戦闘の処理をすべて行うので、一番大変かつ実は一番面白い役割なのですが、この「のびのびTRPG」ではそのGMの役も持ち回りで各プレイヤーが必ず行います。

まずキャラクターを選びます。職業ごとに得意分野と特殊スキルがあるので好みの職を選びましょう。

のびのびTRPG
迷ったら絵で決めてしまってもいい

まず大きなテーマを決めるカードを引き、そのテーマ(今回は蒸気マシンレースにチームとして参加している設定でした)を全員で共有します。
最初のGM係を決め、その左隣のプレイヤーの場面カードを1枚引いてGMが読み上げます。
場面カードにはたとえば
「あなただけはこのあたりの地形について詳しい。うまく皆を納得させて寄り道できれば宝物が見つかるかもしれない。皆に何と言うか演じてみよう。GMを納得させる説明ができれば成功。できなければ失敗」というようなことが書いてあります。
この場合はGMの判断次第で成功か失敗か決め、成功の時にもらえる光カードか、失敗の時にもらえる闇カードを引いて自分の前に置いておきます。

場面カードにはもう一つパターンがあり、
「あなただけはこのあたりの地形について詳しい。うまく皆を納得させて寄り道できれば宝物が見つかるかもしれない。ダイスを振って「技」の判定をクリアしたら成功」などと書いてあることがあります。その場合はキャラクターの職業ごとにダイスの判定数があるので、ダイスを振って成功か失敗か判定します。

のびのびTRPG
各プレイヤーの場面で自キャラをロールプレイする

いずれの場合も光カードか闇カードどちらかを得るのですが、それらは他キャラクターがダイス判定をするときに協力ができたり、危機を回避出来たりする成長経験としてゲーム終了まで永続的に効果を発揮します。

ひとりの場面処理が完了したら、GMが今プレイヤーだった人に移り、新GMの左隣のプレイヤーの場面になります。場面カードを引いて同じように処理します。1人あたり3場面を終了したらクライマックスカードを引き、そこに書かれているお題に全員で取り掛かります。今までためた経験を駆使してクリアを目指しましょう。


感想など

僕はTRPG経験者で「クトゥルフの呼び声TRPG」などでGMもやっていたのですが、このゲームはTRPGというより大喜利に近いゲーム感覚です。参加者のノリが良ければTRPG風にはなると思います。とはいえ世界観とシナリオの把握がカード一枚のテキスト頼りなので、ある意味ではとても難しいと感じました。

3人プレイしたときは僕以外にTRPG経験者はいなかったので、手探りで進めていきました。ダイスで解決できる場面カードはまだやりやすそうでしたが、さあ皆を納得させてみよう的な場面カードは皆困っていました。
自分で念入りに作り上げたキャラクターを演じるわけではなく、ありもののカードから選んだキャラなのです。生まれ育ちなどのバックボーンも考えているわけもなく、結果的にその場その場で適当な事をでっちあげて取り繕うのですが、これは完全に大喜利の感覚なのです。

ではそれが面白くないかと言うと、面白くはあるのです。皆もうキャラクターをロールプレイすることは放棄して、書いてあるお題になんとかつじつまが合うようなアイディアをひねり出します。「う~~~ん、僕のキャラはたぶん君のキャラのお父さんが派遣してよこしたお目付け役なんだねぇ」「えええ??オレのキャラは天涯孤独なはずでは」「そう思い込んでいるかわいそうな子だからこそ監視役に付けられたんだねぇ」「えー!?」などという流れになり、GM係はプッと噴き出して「おもしろいから合格!光カードを引いてよし」となるわけです。これはこれでもう十分楽しいのです。

のびのびTRPG
お話が破綻したとしても面白い

この「のびのびTRPG」をプレイしたら「ソードワールドTRPG」や「クトゥルフ神話TRPG」が簡単にプレイできるようになるかと言ったら当然そんなこともないのですが、「キャラを演じる」「キャラの背景を想像する」「物語を全員で紡いでいく」というTRPGならではの楽しさの一端は掴めるようにできていると思います。

シリーズとしてはこのスチームパンクは3作目です。好みの世界観が一般的なファンタジーなら1作目のほうがよいでしょう。
さあこれでTRPGの敷居の高さを軽々とクリアして、本格的なTRPGの壮大なキャンペーンシナリオの沼へ参加者を引っ張り込むのです…。世のプレイヤー不足に悩むGMの皆さん、これは便利な勧誘ツールですよ。