もくじ
・『レース・フォー・ザ・ギャラクシー 第二版』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『レース・フォー・ザ・ギャラクシー 第二版』の簡単な説明
2~4人用。プレイ時間30分~60分。この記事を書いている時点のBGGでは2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通。SFテーマ拡大再生産カードゲームの改定第二版です。
「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」でプレイヤーは軍事力や経済力で自分の銀河帝国を築きます。もっとも強大で繁栄している帝国を作り上げましょう。システムに名作カードゲーム「サンファン」の影響を受けたと言われている、BGGランキングの100位内に入り続けている人気カードゲームです。
2010年に日本語版が出たゲームですが、10年以上の時を経て今年2021年に改定第二版が発売されました。初版と比べて進行サマリーと新規ワールドの追加、カード効果の改定、色覚多様性対応アイコン追加などの変更がされています。しばらくのあいだ初版の日本語版はものすごく入手が困難だったので、今回の第二版はありがたいものです。
多少の言語依存があります。日本語版をオススメします。
こんな感じのゲームです
「プエルトリコ」や「サンファン」で用いられているヴァリアブルフェイズオーダーシステムにけっこうな改良を加えた感じなので、プレイ感はそれら元ネタとされているゲームとそれほど似ていません。手札の枚数イコール所持金である点は「サンファン」とよく似ています。
各プレイヤーはIからVまでのローマ数字が書かれたアクションカードを7枚ずつ持ちます。内容は各プレイヤー同じものです。
ランダムに受け取った最初の初期ワールドカードを自分のプレイエリアに置き、山札からカードを6枚引きます。そのうち2枚を捨て札にして手札の準備は完了です。
ゲームの流れは、まず全員がそのターンに行いたいアクションカードを一枚選び、伏せて出します。全員が出したら一斉に表に返します。
アクションカードに書いてあるローマ数字の順に、プレイヤーが選んだアクションを行います。このとき、アクションカードを出していないプレイヤーも同じアクションを行います。
上の画像では青のプレイヤーがIの探査を出しているので、まず探査アクションをすべてのプレイヤーが行います。カードを出したプレイヤーだけは特権的なボーナスを得ることができます。探査が終わったらⅡのアクション発展を全員が行います。
誰もアクションカードを出さなかったアクションは、このターンはスルーされて誰も行いません。
アクションの効果によって生産をしたり売却をしたり、新しいワールドを買い取ったり軍事的に占領したりしてプレイエリアにカードを出していきます。
カードにはコストや効果が書いてあり、それによってできることが増えていきます。
左上のコストを丸で囲んでいるのはワールドカードです。「サンファン」でいうと生産施設のような役割のカードですが、プレイした時だけ生産できる「単発生産ワールド」と普通の「生産ワールド」があります。
ワールドのコスト支払いの仕方は2種類あります。黒数字でコストが書いてあるワールドはコストの数だけ手札を捨てることでプレイできます。赤縁取りでコストが書いてあるワールドは、プレイヤーの戦闘力がそのコスト以上であれば手札を捨てることなくプレイできます。戦闘力はプレイしたカードの効果によって増えていきます。
コストがひし形のマークで囲まれてるのはデベロップ(発展)カードです。これは「サンファン」でいう街の建物にあたるもので、様々な効果を持っている発明や組織や道具などのカードです。大きい勝利点やコストの割引のような効果、戦闘力の上昇などカードの効果は多種多彩です。
誰かがワールドカードとデベロップカード合わせて12枚のカードをプレイエリアに出すか、場の勝利点チップがなくなったらゲーム終了です。最も得点の高いプレイヤーが勝利します。
各アクションの簡単な説明
Iの「探査」は2種ありますが、探査アクションを選ぶときにどちらのボーナスを得たいかで使い分けるだけです。
探査は山札から2枚引いて1枚を捨て、1枚を手札に加えるアクションです。ボーナスとしては「3枚引いて2枚手札に加える」か「5枚引いて1枚手札に加える」のどちらかを選ぶことができます。
Ⅱの「発展」はデベロップカードをプレイするアクションです。ボーナスは「コストを1安くプレイ」です。
Ⅲの「移住」はワールドカードのプレイアクションです。ボーナスは「ワールド配置後カードを1枚引く」です。
Ⅳの「消費」はワールドカードの上に乗っている製品カードを捨て札にして勝利点に変換するアクションです。ボーナスは「交易アクションとして製品を捨てて、対応する数のカードを引く」か「製品カードを捨てた時の勝利点を2倍得る」のどちらかを選びます。
Ⅴの「生産」はワールドカードに製品として山札からカードを1枚乗せるアクションです。ボーナスは「単発生産ワールドに製品を乗せる」です。
感想など
よく言われることですが「サンファン」と同じシステムではないです。プレイ感もかなり違います。あちらよりルールが複雑になっていて、アイコンの種類やカードの効果の意味などを理解するまでは難しく感じるかもしれません。
しかし、カードの種類や効果のコンボなどを一度理解してしまうと突然面白いゲームになります。やればやるほどというスルメゲーというやつだと思っています。
第二版はわかりやすいサマリーカードが人数分入っています。これがかなり有難いもので、初回プレイヤーでも一度説明してしまえば後はこのサマリーを眺めながらプレイできます。アイコン類は慣れるまでルールブックを参照しながらになるかもしれません。
個人的には消費に関しての効果まわりの説明がとても難しいので、そこさえクリアできればあとはもうハマるまで一直線だと思っています。
テーマがSFという点が良くもあり悪くもあるところで、それっぽい世界観があって没入感が増すのですが、なぜかSFテーマのゲームを毛嫌いする層はそこそこ存在するのが残念です。「サンファン」の方がわかりやすいし世界観も好きという人が僕の周りには少なくないのです…。「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」は理解が進むと中毒性がある良いゲームだから!と無理に推してやらせても良いゲーム体験にはならないので悩ましい所です。どこか中米の都市名のタイトルとか、古代ローマをテーマにしてリメイクしたらもっと受け入れられるのかな、なんて考えたりします。
実際にプレイしてみると、ゲーム終盤手前の拡大再生産の爆裂ぶりがすごく派手で良いのでぜひ体験してみてほしいです。カード1枚引くのに苦労していた序盤がウソのように、後半はカードが大量に手に入るようになるのは単純に気持ち良いのです。他プレイヤーとのインタラクションはそんなに強くないので、SF銀河帝国大戦争というようなイメージでいると肩透かしだと思います。また、「レース」とタイトルに付いていますが、SF未来マシンで星間周回レースをするわけでもなく、自分の帝国を拡大していくゲームなのです。
ちなみにこのゲームは拡張セットがいくつか出ていてどれも評価が高いので、そちらも第二版に合わせて再販されないかなと期待して待っています。