もくじ
・『ボトルインプ』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『ボトルインプ』の簡単な説明
2~4人用。プレイ時間30分~。この記事を書いている時点のBGGでは3人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通。同名小説がテーマになっている変則的なトリックテイキングゲームです。
「ボトルインプ」(bottle imp)は「宝島」の著者スティーブンソンが書いた短編小説です。「びんの悪魔」というタイトルで日本でも出版されています。この物語の設定は「寿命を延ばす以外なら何でも願いをかなえてくれる悪魔が入った小瓶がある。ただし、この小瓶を所有したまま死ぬと地獄へ落ちる。この小瓶を手放すためには、自分が購入した時よりも安い価格で他の人に売らなければいけない。無料で譲渡することはできない。」です。おお恐ろしい。
2人でも遊べますが特殊なルールになるので、基本的には3人か4人で遊ぶことをおすすめします。軽く1ゲームと思って始めると2~3回プレイしてしまう魅力があるゲームです。
日本語版も存在しますが2021年現在は残念ながら入手困難です。トリックテイキングのカードゲームなので言語依存はありません。ルールさえ知っていれば海外版でも問題なく遊べます。僕が持っているのも海外版です。
こんな感じのゲームです
トリックテイキングの変化形といった感じのルールです。トリックテイキングがよくわからないという方は、「ザ・クルー」の記事で簡単に解説しているのでそちらをまずは読んでみてください。
カードにはそれぞれ数の違うコインが書いてあり、ゲーム終了時には取得したコインの数が点数になります。
まず、19と書いてあるカードを抜きだして場に出します。その上にボトルのコマを置きます。
全員に残ったすべてのカードを配り切りで配ります。
各プレイヤーは、手札から1枚を選んで19のカードの下に裏向きのまま差し込みます。
その後、各プレイヤーは手札から選んで右隣と左隣のプレイヤーに1枚ずつ渡します。これは全員同時でなければならず、受け取ったカードを渡すことはできません。
その後、スタートプレーヤーから1枚ずつカードを場に出していきます。
全員が1枚ずつ出したら、いちばん数字の大きいカードを出したプレイヤーが場のカードをすべて引き取ります。
ただし以下のルールがあります。
・場に出されたカードと同じ色の数字カードを持っていたら、その色のカードを出さなければいけない。
・場に出されたカードと同じ色の数字カードを持っていなかったら、どの色のカードを出してもよい。この場合、色に関係なく一番数字が大きいカードを出したプレイヤーが場のカードを引きとる。(一般的なマストフォローのルールと異なる点です)
・ボトルが乗っているカードの数字(開始時は19)より小さい数のカードが出たら、そのカードは最も大きい数のカードとして扱い、そのプレイヤーが場のカードを引きとる。もしボトルの数より小さいカードが複数出た場合、その中で一番大きな数字を出したプレイヤーが場のカードを引き取る。
(例:ボトルのカード19のとき、黄色28、青17、黄色7と場に出たとしたら、青の17が場のカードを引きとる)
・上記のようにボトルの数以下のカードで勝った場合、そのカードの上にボトルが乗り、引き取ったプレイヤーの手元にボトルごと移動する。
つまり、ボトルが乗っているカードのすぐ下の数字が最強の切り札です。
各プレイヤーの手札がすべてなくなったら1ラウンド終了です。場から引き取ったカードに書いてあるコインの枚数が勝利点になります。
ただし、最後まで自分の手元にボトルが残ったプレイヤーはコインの点が獲得できずゼロ点のうえ、ゲーム開始時に19のカードの下に差し込まれたカードのコイン分がマイナス点となります。
誰かが100点などの規定得点に達したらゲーム終了になります。
感想など
ボトル握りしめて言うのもなんですがすごく面白いです。面白いのですが僕はどうもこのゲーム苦手で、どう考えればいいのか途中でわからなくなってしまうのです。一般的なトリックテイキングと同じようにプレイしてると、なぜか最後までボトル握りしめて負けます。どこで頭を切り替えたら良いのか…
大きな数字のコインを取ることに集中するとボトルが手元に残り、ボトルを忌避するとコインが全然たまらないというヤツにいつもなってしまいます。
上手く中盤までボトルを活用してコインを集めて、終盤にボトルを手放す華麗なプレイなんかどうやったらできるのか…。
カードの色一覧を睨みつけつつプレイするのですが、誰の手札に何色が残っているのかなんてキレイさっぱり忘れてしまうのです。これはもちろん記憶力の問題ではなくて悪魔のアレですよ。魔術的なやつ。
おそらくトリテの常套手段である「手札の1色を枯らす(1枚も持っていない色を作る)」のが有効だとは思いますが、他のトリテゲームほどうまく機能しないような気がしています。単に出すカード選択が下手なのかもしれませんね。
ちなみに、「初手黄色の1を出すのは確率的に大いにアリ」というのを4人プレイ時に2回実践しましたが、初手からボトルを1で引き取る最悪の展開になりました。2回ともです。初手でボトル付き1を引き取ると、その後は死んだ目で手札のカードを淡々と出すだけの存在になるのでお勧めしません。3人プレイなら上手くいく可能性がもう少し高いのかもしれませんね。
テーマになっている小説とゲーム内容がとても合っていて、このゲームのために小説を書いたんじゃないのかと思うほどです。インターネット上でも読める翻訳があったと思うので、興味がある方は探して読んでみてください。
ゲームとしては間違いなくトリックテイキングの名作のひとつだと思います。苦手ではありますが楽しいので何度もプレイしてしまいます。初回プレイから上手に回すプレイヤーもいるので、思考のコツがあるのかもしれません。上手な人が羨ましいですね。
ボトルがプレイヤー間を行きかうのが楽しい、良いカードゲームです。