もくじ
・『グレート・ウエスタン・トレイル』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『グレート・ウエスタン・トレイル』の簡単な説明
2~4人用。プレイ時間75~150分。この記事を書いている時点のBGGでは3人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通ですが、大量なので理解するまで少し手こずるかもしれません。長い間BGG総合ランキングの10位前後に居座っている重量級の傑作ゲームです。
「グレート ウエスタン トレイル」(Great Western Trail)でプレイヤーは19世紀アメリカの牧場主になります。テキサスの広大な大自然牧場から鉄道が走っているカンザスシティまで牛を引き連れて出荷をしに行きます。道中の牛市場で牛を売買し、カンザスシティにつくまでに価値の高い牛を手に入れましょう。良いスタッフを雇い、ネイティブアメリカンとの交流をし、自然災害を乗り越えて最高の牧場主を目指すゲームです。
3人プレイが最高に面白いですがプレイ時間は長いです。3人とも2回目のプレイで、全員ルールを理解している状態でスタートしてゲーム終了までに3時間半くらいかかりました。間違いなく重ゲーです。でも最高のゲームです。2人だと少し簡単になりますがそれでも十分面白いです。
2021年2月現在、完全日本語版が容易に入手できます。ゲーム自体に言語依存はないので、ルールさえ知っていれば海外版でも問題なくプレイできます。2021年に第2版が発売されるというニュースもありますが、日本語版が出るかどうかついてはまだわかりません。
こんな感じのゲームです
このゲームはルールが非常に多いので(難しいわけではありません)、ざっくりとした説明になります。
このゲームは何周も回るすごろく的なゲームです。メインボード左上のカンザスシティにゴールして一度決算をしたら、またテキサスから再スタートします。ゲーム終了時に最終勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
まず、各プレイヤーは自分の色を決めます。選んだ色に合った初期カードデッキ、個人ボード、各種コマ、建物タイルを受け取ります。
個人ボードには大量のアイコンがあって、初めて見た時は少しひるみました。でも内容を知ってしまえばたいした情報量ではないです。
赤い円盤状のディスクコマは、能力のロックとして置かれています。ゲームを進めるとどんどんディスクが取り除かれて新しい能力が使えるようになったり、手札の枚数が増えたりして成長していきます。
個人ボード以外に、建物タイルと初期カードデッキも受け取ります。これらは全プレイヤーまったく同じ内容です。
手札として4枚自分のデッキから引きます。
メインボード右下がテキサスのスタート地点なので、そこに各自のコマを置いてスタートします。
何も置いていないマスは無視して、タイルが置いてあるところだけカウントして進みます。すごろくですがダイスなどは振りません。3マスまでは自由に進んでOKです。個人ボードの能力が解放されると3マス以上進めるようになります。
とまったマスがグレーの公共施設タイルだったり、自分が立てた建物タイルだった場合はタイルに書いてあるアクションを行うことができます。
タイルによって様々なことができます。市場で牛の売買、雇用、ネイティブアメリカンとの交流、災害タイルの撤去、建築…などなどです。
他プレイヤーの建物タイルでは個人ボードに書いてある基本的なアクションしかできません。建物によっては通行料を取られることもあります。
牛市場で牛カードを購入すると、自分デッキに価値の高い牛を追加することができます。
ゴールのカンザスシティに着いた時点の手札に持っている牛カードを売ってお金を得るので、ゲーム開始時にもらう牛カードだけでは1点や2点しかないので貧しいままになってしまいます。
カンザスシティにゴールした時に、手札に持っている牛カードの価値の合計数を出します。牛の価値の合計がメインボード上部に並んでいる牛の出荷先都市の下の数字以上なら、その都市に出荷できたことになり、個人ボードからディスクをひとつ取って出荷先の都市へ置きます。
これで牛の価値と同数のお金も貰えますし、ディスクが移動するので個人ボードの能力が解放されていきます。
注意点としてプレイヤーの鉄道コマというものがあります。ゲーム開始時に鉄道コマをカンザスシティからサンフランシスコ方面へ敷かれている線路へ置いておき、道中の建物のアクションなどで鉄道を前進させることができます。なぜ鉄道を進める必要があるかというと、自分の鉄道の到達地点と出荷先の都市の差分でカンザスシティゴール時にお金を払う必要があるからです。
読んでも理解しにくい部分だとは思いますが、メインボードを見ながら説明を受けるとすぐ理解できます。
メインボード左側には労働市場があり、ここにいる労働者を雇うことができます。労働者は3種で、技師・カウボーイ・大工です。それぞれに強力な能力があります。
技師は鉄道をどんどん先の町へ進める能力があります。カウボーイがいないと効率的に牛を売買できません。大工は強い建物を建てるのに複数人必要です。どれも雇用したら個人ボードの労働者スペースに配置します。
鉄道には駅というものもあり、そちらに鉄道で寄り道すると自分の労働者を一つ選んで駅長として置くことができます。駅長を置くと強力な駅長タイルを取得できます。
プレイヤーがゴールするたびに下に下がっていく、労働市場にあるカウンターがメインボードの外に押し出されたらゲーム終了です。
最後の手番をおこない、最終得点が最も多いプレイヤーの勝利となります。
このゲームは得点となる要素が多すぎてすべては紹介できませんが、軽く書き出すと
購入した牛カードの勝利点、建物固有の勝利点、到達した出荷先の都市による勝利点、目標カードによる勝利点、などがあります。まだこれで得点要素の半分も書いていないくらいです。全てを合計して最優秀プレイヤーを決定してください。
感想など
このゲーム、やれる事と得点になる行動が多すぎて、いったい何をするのが正解か全然わからないのです。先にゴールしてお金を受け取って早く二週目に行った方が良いのか、ゆっくり進めて止まれるマスは全て止まって、できることはすべてやった方が良いのか。さっぱりわかりません。
たぶん労働者は1種類を5~6人雇って、その得意分野で点を伸ばすのが正解なような気がしているのですが…。そのプレイングで大負けしたので何とも言えません。前半は技師、後半は大工で行くのが正解なのかもしれません。というか、正解なんかなくて、その時その時の出たとこ勝負なのかも…いや、そんなゲームがBGGランキング上位に君臨し続けるわけがありませんね。
運の要素は手札の引きと、労働者や災害タイルの出る順番くらいです。つまり他プレイヤーの先の行動を読もうと思えばある程度できるのですが、先読みして妨害したつもりが得点源を与えるだけになったりします。「よし、青プレイヤーがあの分岐の先に建物を建てたな。じゃあ建物にたどり着けないように災害タイルをどんどん分岐の手前に置いてやろう」くらいの浅知恵ではダメでした。バンバン災害タイル取られて20点くらい稼がせちゃいました。
鉄道を優先的に進めるのか、駅長を取るべきか、これも悩ましいのです。鉄道を進めるアクションの代わりに、もっと今すぐ美味しいアクションが取りたくなるのです。でも駅長タイルは取るとすごく良いアドバンテージになります。でもでも、駅長に1人労働者を差し出さなきゃいけないんですよ。早く他の建物たてたほうがコストも回収しやすいんじゃないですか?もう何もかもわからない!のです!
遊んでいる間中ずっと悩ましいのですが、とにかく何をやっても点が入るので単純に楽しい面もかなりあります。
対戦相手の点も気にはなるものの、得点の要素が多すぎてパッと見てもその時点での優劣がわかりにくいです。あいつすごく上手くやってるな、こりゃ負けたかなとゲーム中に思ってゲーム終了してみたらそこそこの点差で勝っていたことがあります。
モノポリーを現代風に作り直して、ダイスなどを廃止してデッキ構築と個人ボードの要素を足した感じでしょうか。刑務所も共同基金もないですが。いや全然違うかな。
僕はこのゲームすごく好きなのですがとても苦手です。勢いあまって拡張「北部への道」も買ってありますが、まだ拡張を入れてプレイする気になれません。
このゲーム、箱のデザインがおじさん3人が綺麗な瞳でこっち見てるというもので、よくこれで行こうと決断したなと思うようなのものですが僕はとても気に入っています。今年出る予定の第2版の箱のデザインがそれはもう爽やかなデザインになってしまっていたので非常に残念です。僕はこのおじさん3人をスキャンしてTシャツでも作ろうかと考えています。
要素てんこ盛りなのでゲームのルール説明が一番大変です。プレイ中はルールが難しいと感じることはほぼないんですよ、一度覚えてしまえばこの傑作ゲームをいつでも楽しめるんですよ!と詐欺師のような怪しさで未経験者にインストしています。