トランプデッキを2組使うラミー系のゲームです。2人でも遊べますが、4人チーム戦が非常に面白くて止め時が分からなくなります。

カナスタはアメリカや南米のほか世界中で広く遊ばれているゲームで、ローカルルールも非常に多いです。一応一般的と言えるルールが3種類くらいあるのですが、今回は僕が持っている古い本を参考に、比較的短時間で終わるように調整したルールを紹介します。

基本的なこと

使うカードは普通のトランプデッキ2組です。ジョーカーも2枚ずつ入れた54枚のデッキを2組使います。カード裏面の柄は同じでも違っていても構いません。
ラミー系のゲームなので役をそろえるのが目的になります。
ジョーカーとすべての「2」はワイルドカードです。任意のランクのカードとして使えます。

4人の場合はチーム戦です。チームの2人は向かい合わせに座ってください。

役について

一般的なラミーと異なり「4.5.6」などの連番ストレート系のシークエンス役はありません。
「5.5.5」のような同一ランク3枚以上の役「メルド」だけです。
「8.8.8.8.8.8.8」のように7枚以上のメルドのことを「カナスタ」と言います。
手札をなくして上がるためにはチームで最低でも1つのカナスタがなければいけません。

メルドは何枚でも何種類でも出してOKです。
1つのメルドを出すときには最低でも2枚のワイルド以外の「ナチュラル」なカードが含まれていなければいけません。
1つのメルドにはワイルドカードを3枚までしか使ってはいけません。

プレイの流れ

ディーラーを決めて、各プレイヤーに11枚ずつ配ります。残りの山札は中央に置き、山札から一枚引いて表にして捨て札山に捨てます。引いたカードがワイルドカードか「3」だった場合、もう一枚を引いて重ねて捨てます。

ディーラーの左隣から順に手番を行います。手番のプレイヤーは、以下の順にアクションを行います。
1.山札から2枚引く。あるいは捨て札山をすべて引き取る。
2.自分のチーム共有の場に手札から役セットを出す。すでに場に出ているメルドに1枚追加してもよい。出さなくてもよい。
3.手札から1枚選んで捨て札山に捨てる。

クリア条件を満たして手札をなくしたプレイヤーが出たらラウンド終了。
ラウンド終了ごとに得点計算をし、どちらかのチームが5000点以上になったらゲーム終了です。

カナスタ
専用トレーと専用カードまで買うほどゲーム仲間全員がカナスタにハマった

手番の詳細

1.山札から引く
このとき赤「3」を引いたら場に出し、追加でもう一枚を引きます。赤「3」はメルドとしては使えないボーナス得点カードです。
山札の最後は1枚しか残りません。これを引いたプレイヤーが最後に捨てたカードを次のプレイヤーが拾うかどうかの処理の後でラウンド終了。
1-1.捨て札山を取る
一番上がワイルドか黒「3」の時は絶対に取ることができません。
それ以外の時は捨て札山が凍っている「フローズン」かどうかで異なります。以下説明。

※以下のときは捨て札山が「フローズン」になる
・ワイルドカードが捨て札山にあるとき
・最初のメルドをまだ場に出していないチームにとっては常に捨て札山はフローズン

「フローズン」ではないときの捨て札山の取り方
捨て札山の1番上のカードでメルドを即座に作れなければいけません。手札から2枚出しますが、このときワイルドが1枚含まれていてもOKです。
あるいは1番上のカードをすでに場に出ているメルドに追加するだけでもよいです。
その後、捨て札山のカードをすべて引き取り、新たに場にメルドを出してOKです。

「フローズン」の時の捨て札山の取り方
捨て札山の1番上のカードでメルドを即座に作れなければいけません。手札から2枚出しますが、このときワイルドは使えません。
すでに場に出ているメルドに追加することはできません。
その後、捨て札山のカードをすべて引き取り、新たに場にメルドを出してOKです。

2.場にメルドを出す
チームの最初に出すメルドは条件があります。詳細は後述の得点についてに記載。
手番ではメルドに何種類を何枚でも出せます。また、出さなくても構いません。
すでに場に出ているメルドのワイルドカードを別メルドに移動したりはできません。
カナスタになったメルドはまとめて山にします。ワイルドカードを含むカナスタの場合はワイルドを横向きにしておきます。

3.捨て札山に1枚捨てる
下のカードが見えないように捨てます。
ワイルドカードを捨てる時は横向きに捨て、フローズン状態とわかるようにします。

4.あがりについて
手札をなくせば上がりですが、黒3のメルドは上がるタイミングでしか場に出せません。しかも黒3はワイルド含みのメルドは作れません。
チームメイトの手札に残ったカードの点はマイナス点になるので注意してください。
そのためチームメイトに「いま上がっても大丈夫か」聞くことが許可されています。

得点について

-------------------点数のまとめ-------------------
ジョーカー 50点
2     20点
A     20点
K.Q.J.10.9.8   10点
7.6.5.4.黒3    5点
赤3      100点 ※1チームが4枚の赤3すべて揃えると400点ではなく800点
上がり     100点
ワイルドを含むミックスカナスタ   300点
ワイルドなしのナチュラルカナスタ  500点


ラウンド終了時に得点計算をします。
場に出ているメルドやボーナス点をすべて合計して、その後手札に残っているカードの得点をマイナスします。
これは上がったチームだけではなく全員が行います。
この結果、上がったチームのほうが得点では負けていることもありえます。


チームが最初に出すメルドには条件があります。
チームの累積得点が
~0点  のとき  15点以上のメルド
0~1499点 のとき  50点以上のメルド
1500点~3000点のとき  90点以上のメルド
3000点以上のとき    120点以上のメルド
を作って出さなければいけません。複数のメルドを同時出しでもかまいません。
捨て札山から取るときはフローズン状態であることに注意してください。
チーム2名のどちらかが条件を満たして初メルドを出せば、もう1人もクリアしたことになります。

感想など

4人チーム戦がメチャクチャ面白いです。徹夜でやってしまいます。
麻雀などと同じラミー系のゲームなので中毒性がすごいのです。めずらしいチーム戦というのも面白いところです。

多くのルールでは山札引きは1枚なのですが、スピードアップのため2枚引きを採用しています。これによって山札最後のドローが1枚になってしまうのですが、カジュアルに遊ぶ限り問題なしと思っています。1枚引きルールよりも明らかにテンポがいいです。

ルールがやや複雑っぽいのですが、ルール説明することはそんなに難しくないです。麻雀の花牌のような赤3など馴染みのあるルールも多いし、連番シークエンス役がないのが楽です。黒3とフローズンのあたりだけしっかり説明すれば大丈夫でしょう。

ワイルドカードが大量にあるのがいいですね。5000点でゲーム終了なのは長いような気がしますが、実際はほとんど4~5ラウンドで終了します。
60年ほど前に大流行し、一時期はコントラクトブリッジを超える最高のカードゲームとまで言われていたようです。戦略性も運の要素もあり、慣れてくると捨て札の仕方や、メルドを出すタイミングなどいろいろテクニックがあることに気が付きます。とてもおすすめのチーム戦トランプゲームです。

この記事を書くにあたって「"Family Fun & Games" Sterling Publishing.1992」を参考文献にしました。