「ビヨンド・ザ・サン」の感想など

箱絵とタイトルからもわかるようにSFがテーマのゲームですが、読者の皆さんが「SFはちょっと苦手…」と敬遠する前に結論を言うと、すごく面白いゲームです!

ビヨンド・ザ・サン
ゲームの雰囲気がちゃんとしたSFぽくてとても良い

ビヨンド・ザ・サン、直訳すると「太陽の彼方へ」という素敵タイトルの意味するところは人類の太陽系脱出です。滅びゆく地球を捨てて居住可能な惑星を探しに宇宙へ飛び出すのがテーマです。プレイヤーは宇宙開発をする組織のひとつとなり、科学技術を発展させて植民地星を作り、次の時代における人類のリーダーとなることを目指します。

このゲームにはテックツリーというシステムが使われています。
PCゲームの「Civilization」シリーズなどでおなじみのシステムで、分岐ありの技術の発見ルートのことです。古代を例にして言うと「紙」と「文字」の科学技術を発見すると「本」が発見できて、さらに「版画」も発見すれば「活版印刷機」ができる。というような感じ。
図として見ないとピンと来ないかもしれませんが。

ビヨンド・ザ・サン
テックツリー。画像上部の4つが初期研究で、下部に研究を進めていく

このゲームのテックツリーが面白いのは、技術は「ワーカープレイスメントのワーカー駒を置くアクションゾーンである」ことと、「研究するまでどんなアクションかわからない」ことです。
言い忘れていましたが、このゲームそもそもワカプレなのです。ワーカー駒は1個しかないので毎手番アクションをひとつ選ぶだけ。ルールはとても簡単です。
テックツリーで研究をすれば、自分だけが選べるアクションも増えていきます。

ビヨンド・ザ・サン
マジョリティ争いをする植民星候補の星々

開発した技術のアクションで宇宙へ宇宙船を飛ばして、植民地に適した星を植民地にします。ここで他のプレイヤーとのマジョリティ争いが発生します。宇宙船の戦力によって誰が星を支配するか決めるわけです。
この植民争いのボードはテックツリーボードの1/5くらいの大きさしかないのですが、ゲーム的には非常に重要です。

ビヨンド・ザ・サン
個人ボードがダブルレイヤーで嬉しい

個人ボードでは自分の組織が所有する物資と人口などを表すダイスを管理します。一見複雑そうですが、何を表しているのかさえ理解すれば難しくありません。基本的には技術を研究すれば一度に生産できる量が増えます。

ラウンドなどはなく、手番にアクションを1つ行って生産を1回したら次のプレイヤーへ手番が移動します。ゲーム終了までこれを繰り返します。
ゲーム毎に変わる目標が4つクリアされたらゲーム終了です。


すごく面白かったです。これは今年遊んだゲームの中でもかなり上位に入ります。もしかしたら今年のベストになるかも。それくらい気に入りました。

ワーカー駒が一個しか無いので、手番にできることは本当に限られています。基本的にアクションのマスは先取りなので、まだ誰も研究していない技術を研究して自分だけのアクションを得られると思えば研究はとても大事です。でも宇宙に宇宙船を送らないと肝心の植民地ができないのです。悩ましい。
人口を生み出す物資がカツカツで、研究に人口を費やすと宇宙へ飛ばす人数が減り、宇宙へ飛ばし過ぎると科学研究できる人がいなくなります。素晴らしいバランスです。

テックは実際に研究してみないとどんなアクションができるようになるのかわからないので運試しのようですが、実はここも上手い事できていて、ひとつ前の技術によって次が何系の技術になるのかはなんとなく把握できるようになっています。どうしても無駄打ちしたくない場合は他の人が研究してから行けばいいわけです。
個人的にはテックツリーがだんだん明らかになっていくのが最高に楽しいです。

対人インタラクションは少々強めです。ワカプレアクション先取りの他にも植民地のマジョリティ争いがあり、ゲーム終了トリガーの目標も早い者勝ちです。
それでも邪魔や攻撃などには特化していないルールなので、ドロドロの対人戦というわけではありません。植民地争いを最低限にして技術開発に集中しても十分勝てるようなバランスでした。

問題は遊ぶスペースが結構広くなることくらいでしょうか。とても面白いです。おすすめします。