もくじ
・『アグリコラ 牧場の動物たち』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『アグリコラ 牧場の動物たち』の簡単な説明
2人用。プレイ時間30分~60分。この記事を書いている時点のBGGでは当然ですが2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度は普通。かわいい見た目なのにガチガチの完全情報共有ゲームです。
日本では愛称で「フタリコラ」とも呼ばれています。ワーカープレイスメントゲームの名作「アグリコラ」の2人専用バージョンです。牧場主となって、農場を拡大発展させていきましょう。
ゲームの情報がすべて共有されていて、隠れた情報や運の要素がまったくないアブストラクトです。血も涙もない真剣勝負になるか、かわいくて楽しいゲームになるかはプレイヤーたち次第です。
少し言語依存があります。完全日本語版の拡張全部入りセットのBIGBOXがオススメです。
こんな感じのゲームです
各プレイヤーは個人ボードと、ワーカーコマ3個ずつ、境界になる柵トークンを9個ずつ受け取ります。
メインボード横にラウンドカウンターとしても使う柵トークンのストックと、特殊な建物類を並べます。
スタートプレイヤーを決めたらゲームスタートです。
ラウンドは以下の順番に進みます。
1、補充フェイズ。メインボードに動物や資材のトークンを補充する。
2、アクションフェイズ。各プレイヤーは交互にワーカーをメインボードの各アクションスペースに置いて選択したアクションを即座に解決する。すでにワーカーが置いてあるアクションは選択できない。全てのワーカーを置いたらフェイズ終了。
3、帰宅フェイズ。各プレイヤーはメインボードからワーカーを3つ回収する。
4、繁殖フェイズ。個人ボード上にいる動物が1種につき複数いる場合、1種類1匹ずつ追加して配置する。配置上限を超えている場合は追加できない。
8ラウンド終了時に建物の勝利点や動物の種類と数で最終得点を計算します。
得点の高いプレイヤーの勝利です。
メインボードについて簡単に説明
メインボードのアクションスペースは16種あります。
16種を大まかに分けると、木材や石材などの資材を取れるアクションと、動物を取れるアクション、個人ボードに設置する建物や境界の柵設置アクションがあります。個人ボードが拡張できるアクションもあり、これに補充される柵トークンは残りラウンドカウンターとしても機能しています。
各ラウンドのスタート時に動物と資材は補充され、前のラウンドで取られなかったものは累積していきます。
建物を建てるアクションは手元に必要な資材が足りていなければいけません。たとえばボード左側の中央の段にある厩を建てるアクションには石材3つと葦が1つ必要です。
個人ボードの簡単な説明
メインボードから建物や動物トークンを取ったら、即座に個人ボードに置いていきます。
最初からある家などの建物は四辺が柵で囲われていますが、ただの草原には柵がないので動物を置くことができません。草原を柵トークンで完全に囲う事で動物を置くことができるようになります。囲まれた1マスの草原には2匹の動物を置けます。ただし、1マスには1種類の動物しか置けません。
建物の右下には数字が書いてあり、その数字が動物を置ける上限を示しています。
メインボードのアクションで飼葉桶を作った場合、配置の上限数が倍になります。
メインボードのアクションで個人ボードを拡張した場合、ボードの左か右を選んで拡張ボードを置きます。
感想など
かわいい簡単ゲームだと思ってたんです。有名なゲームの簡略版だし、動物コマは全部かわいいし。とんでもない間違いでした。
牛、馬、ブタ、羊、木材、石材、葦。ぜんぶかわいいじゃないですか。個人ボードも牧歌的な牧場だし、カード類もないのです。簡単そうでしょう。完全に騙されました。
たしかにルールはむずかしくありません。交互にアクションを選んで、動物を殖やしていくだけです。でも、アブストラクトだなんて知らなかったんです。このゲームは全ての情報が共有です。運の要素なんかひとつもありません。先を読もうと思えばできちゃうのです。
実際にプレイするとわかりますが8ラウンドなんかあっという間に終わるのです。牧場の設備を整えるのに夢中になっていると気が付いたら5ラウンド目だったりします。それから動物を集め出しても遅いのです。繁殖のタイミングが遅いと全く点が取れません。でも草原には動物は置けないし、柵を建てるには木材か石材が必要だし、いったいどうすれば?
たぶん重要なのは飼葉桶です。飼育上限を倍にしてくれる飼葉桶は毎ラウンド取りたいくらいですが、当然相手だって狙ってきます。いつワーカーを置くのか。もしかして今は飼葉桶よりお得なアクションがあるのではないか。そのたまりにたまった木材は取らなくていいのか。
拡張は特殊な建物が大量に追加されます。これはゲーム開始時にランダムに選びますが、悩み事が増えるばかりです。建物の効果は毎ラウンドに1回安く厩を建てられるとか、飼葉桶を貰えるとか、個人ボードの縦横に建物を作れば高得点とか、いろいろです。優先順位が付けられない。
僕のボードゲーム仲間たちの間ではこのゲームは「こわいゲーム」「ゲーム中ずっと唸ってたよ」という評判で、ガチの真剣勝負に対する怯えが出てしまいます。「いま2人しかいないし、『フタリコラ』でもやろうか?」などと口にしようものなら「拙者と真剣で死合をいたそう」と言っているのと同義なのです。果し合いなのです。
とはいえ長考さえしなければ短時間で終わるゲームなので軽い気持ちでサクサク遊ぶのにも適していて、数をこなして経験を積むとおそらく強くなれるタイプのゲームでもあると思います。真剣勝負だ、ガチアブストラクトだと言っていないで、かわいいから好きで遊んでいるプレイヤーの方が強いかもしれません。実際、お子さんと楽しくプレイしているというレビューをよく目にします。将棋より敷居の低いアブストラクトなので誘いやすいというのもあるでしょう。
このゲーム、面白いかつまらないか聞かれたら間違いなく面白いと答えます。僕がアブストラクト得意ならもっと推し推しの記事を書いたのでしょうが、運要素無しのゲームは好きだけど苦手なのです。もし「2人で遊ぶのにおすすめのゲーム10選」を作るとしたら、たぶん入れると思います。そういうゲームです。