もくじ
・『イーオンズ・エンド』の簡単な説明
・こんな感じのゲームです
・感想など
『イーオンズ・エンド』の簡単な説明
1~4人用。プレイ時間60分~。この記事を書いている時点のBGGでは2人プレイがベストとなっています。
ルール難易度はやや複雑。評価が非常に高く、海外では拡張セットやレガシー版が出てシリーズ化しています。
「イーオンズエンド」でプレイヤーは、滅亡に瀕した人類の生き残りが集まる洞窟都市「グレイヴホールド」を守る魔法使い戦士となります。協力してグレイブホールドに襲い掛かる怪物「ネメシス」から人類を守りましょう。
1人でプレイするととても難しいです。2人プレイでの勝率が一番高いような気がします。「ドミニオン」などのデッキビルディングに慣れていればルール自体の理解は早いと思いますが、独特なシステムなのでちょっと戸惑うかもしれません。
かなりの言語依存があります。完全日本語版が手に入るなら迷わず完全日本語版にしましょう。
こんな感じのゲームです
まずプレイキャラクターと、今回戦う相手のネメシスを選びます。
ネメシスは難易度中級から上級までの4体がいて、どのネメシスも全く異なる攻撃をしてきます。最初のプレイはレイジボーンを強くお勧めします。
ルールは少し複雑です。最初はルールブックとは別に入っている、初回プレイ用の小冊子を見ながら進めるのが間違いないと思います。
ここではざっくりした説明にとどめておきます。
手番が来たら、前ターンにセットしてある呪文があれば発射します。手札からカードをプレイして、サプライのカードを買う・攻撃呪文をセットする・スキルを使うなどを行います。やる事がなくなったら使わなかった手札は保持したままで手札を補充して手番終了という流れで進みます。
個人ボードの周囲にはカードやタイル類を置くスペースが必要です。ボード左にはデッキを置き、右は捨て札山、上部は破孔タイルと呪文をセットするスペースです。
初期手札と初期デッキは並び順まで厳密に指定されています。デッキのカード並び順が非常に重要になるゲームなので気を付けましょう。
ゲーム中に宝石を使って購入することでデッキに追加できるカードは9種まで選べます。これはプレイヤー全員で相談して自由に選んでOKです。
ここで自キャラや敵に不向きなカードばかり選ぶと負け確定することすらあり得ますので、ランダムにはせずになるべくちゃんと選んだ方が良いと思います。
敵となるネメシスは、それぞれ特有の攻撃とセットアップがあります。ネメシスボードにセットアップや追加ルールなどが書いてあります。
一番難易度の低い「レイジボーン」は追加攻撃デッキ「ストライク」を使ってくる直接攻撃型です。
自キャラの体力は10です。0になると戦線離脱します。人類最後の町「グレイヴホールド」の耐久値が0になるとゲーム終了。敗北です。
その前にネメシスの体力を0にすれば勝利です。
このゲームの特色としては、手札から捨て札山に捨てる順番を自由に決められること、デッキを使い切って捨て札をデッキに戻す際にシャッフル禁止、というのがあります。このルールを上手く利用しないと勝てないようになっています。
それから、手番順は時計回りではありません。ターン順デッキというものを毎ターン開始時にひいて、そのカードが示すプレイヤー(またはネメシス)が手番をおこないます。2回連続手番も珍しくありません。
あとは破孔タイルについてちょっとだけ説明を。
キャラクターボード上部に置いてある4枚のタイルが破孔タイルです。ここに攻撃用の呪文をセットして、次の自分のターンになれば詠唱完了して発射できるようになります。キャラクターによって最初から使えるように解放済みになっている破孔タイルの個数は違います。
宝石によってコストを支払うと、破孔タイルを右回りに何段階か回すことで破孔タイルを解放することができるようになります。
ためておける呪文が最大4つにまで増えるので、ダメージを与えるために破孔タイルの開放は必須です。
ゲーム開始時の手札やデッキは激弱なので、サプライに置いてある呪文や宝石を買ってデッキを強化していきます。しかし急がないとターンが進むにつれて、ネメシスのデッキは徐々に強力なカードばかりになっていきます。
自キャラの体力がなくなって戦線離脱するとグレイヴホールドに対するネメシスの攻撃が強烈なものになり、敗北は必至です。
仲間の破孔タイルを解放してあげたり、体力を回復してあげたりして協力しつつネメシスを撃退しましょう。
感想など
これプレイするまでは「ドミニオン」のルールで協力しつつ、ボス戦みたいなのを戦うゲームだろうなと思っていました。そうなのですが、違いました。
デッキをシャッフルしないという事だけで、こんなにプレイ感が違うとは。そして難しい。手札のカード引きに運の要素がないので、若干パズル的な思考力を求められている気がします。
だいたいの協力ゲームは「ギリギリ勝てるけどかなりきつい」くらいに難易度を調整していると思うのです。「イーオンズエンド」は「気を抜くと即人類滅亡」です。使い終わったカードを捨てる順番を2枚間違えたら人類滅亡かもしれないレベルです。
とはいえさすがに難易度が低めのネメシス「レイジボーン」と、ちょっと強い「甲殻の女王」まではカード捨てる順番を間違えたくらいでは人類も滅亡しません。「うわぁギリギリだったねー!」「でも決まったね!」と楽しく遊ぶことができるでしょう。
問題はその後のネメシスの先生方です。もうどうにもなりません。僕は、僕たちはまだ1回も倒せていません。どんな攻撃をしてくるかは書かないでおきますが、そこに手を出すのかよという部分に攻撃を仕掛けてきます。誇張でなく使い終わったカードの捨て順をミスれば人類滅亡です。
しかしこのゲーム、面白いのです。「ドミニオン」など他のデッキビルディング系ゲームで感じる楽しさとは全く違う楽しさがあります。
それはたぶん、ゲーム後半の違いです。「ドミニオン」のように後半になるほど手札やデッキを余計なカードが圧迫していって苦しくなるのとは違い、このゲームは後半になると飛躍的にプレイヤーの攻撃力が強烈になるのです。
序盤の攻撃力のしょぼさは特筆もので、どのキャラでも2ターン使って1ダメージが関の山です。そんな激弱キャラがダメージを受けつつ耐えてカードを買い、ダメージを受けつつ苦労してやっと解放した破孔タイル4つに強烈な呪文をセットするわけです。すると、最高に強まった自キャラが後半は2ターンで26ダメージ以上を叩き込むことができるようになります。これが最高に気持ちいいのです。
ゲームプレイとは別の話になりますが、箱にカード別の仕切りが入っていて、これが収納に非常に便利です。ネメシスのデッキの準備と片付けがちょっと煩雑なのですが、これのおかげで毎回混乱することなく片付けることができています。
しかし箱の左側見てください。スッカスカじゃないですか。これ拡張セットのコンポーネントを入れるために空いてるんだと思うんですよ。でも日本では2021年3月現在まだ拡張セットはなにも出ていません。追加キャラも、追加ネメシスも、レガシーも出ていません。僕は拡張セットの完全日本語版を楽しみに待ち続けています。
難易度の高い協力ゲームです。仲よく遊んで、誰かの捨て順ミスや判断ミスを責めないであげてください。だって「群生ダイヤモンド」買い占めた僕が最初にやられるなんて思わなかったんですよ。