「ブラジル帝国」の感想など
100年に満たない短い期間ですがブラジルには帝国時代がありました。その時代のブラジルがテーマのゲームです。
どんなゲームか端的に言うと「サイズ 大鎌戦役」と「プエルトリコ」の要素を足して薄めたようなゲームです。
複数のタイルを組み合わせてメインボードになるマップを作ります。マップはプレイ人数によって選ぶのですが、これが小さい島から全世界までかなりの種類で用意されています。上の画像は南米ですね。マップには探検すると明らかになるタイルがあり、誰かがそのマスに移動すれば地形やボーナスが明らかになります。
個人ボードはサイズ-大鎌戦役っぽい感じがあります(残念ながらダブルレイヤーではない)。コマを場に出すことでそのコマが置いてあった場所に書かれているボーナスを得たりするアレです。コマの形がプレイヤーごとに異なっているのはとても良いです。
トークン類の収納ボックスを箱から出せばそのままプレイに使えるので便利です。プレイ中あまり煩雑にならないように工夫されてます。
時代ごとに建てられる設備タイルで木材などのリソースをマップ上に生み出し、リソースを消費して軍隊コマをマップ上に出し、時代を進める条件を満たしていくのが基本的な流れです。
戦闘もありますが、戦闘のメリットが少ないので争わないでコツコツ進めている方がたぶん得点は高くなります。
感想など
遊んでみた感想は、「ソロだとめちゃくちゃ楽しい、4人だと逆転が難しくて終盤苦行になりがち」でした。
とにかく戦闘が全然美味しくないのです。勝っても負けてもぜんぜん美味しくない。頑張って戦争してしまうと明らかに手数とリソース数で遅れるので、戦いを仕掛けられてもガン無視してやられて、また首都から別方向へ移動したほうが戦闘で勝とうとするよりずっと効率が良いっぽいのです。もちろん資源を奪われるような場合は別ですが、資源は襲われる前に使ってしまえる状況が多いので、なかなか資源を奪えるようなタイミングはありません。
ちなみに「サイズー大鎌戦役-」とは異なり戦力同値なら防御側が勝利します。と言うか防御側は土地建物の防御値もプラスされたりして有利なのです。これも戦闘を少なくする要因になっています。
と言う感じで戦闘で一発逆転するのは難しいので、攻めてくると損するぞと言える程度に戦力をマップ上に用意しつつ、コツコツ目標をクリアしたり絵画を買い漁ったりして宮殿をいっぱい建てたプレイヤーが勝ちます。これつまり「誰が建築物に使える場所とれるか」レースなので呑気に戦闘してた人は脱落するのです。兵隊は戦闘よりもむしろ場所取りと探検に使う感じでした。
このように多人数プレイだと見た目に反して戦闘しないゲームです。これは「サイズ-大鎌戦役-」にも同じようなことが言えるのですが、「ブラジル帝国」では「大鎌戦役」よりもさらに戦闘が勝利に貢献しません。まったく戦闘が発生しないわけではありませんが、建築の場所取りのためにやむなく1回、多くて2回するくらいでしょう。
つまり対人インタラクションはとても薄くデザインされていて、同マップ内に各プレイヤーがいる状況でいかに効率よく内政を進めるかのゲームです。そこを楽しめるメンバーならかなり面白いゲームだと思います。バチバチに戦いたいメンバーなら不評でしょう。
それがソロプレイだと一気に話が変わります。ソロプレイの勝利条件に「敵プレイヤーの首都を占領する」があるので、厳しい時間制限内に敵首都へ攻め上がるまったくの別ゲームになるのです。これが面白い。僕はぶっちゃけ多人数プレイよりソロプレイの方が楽しく遊べました。好評だったのか公式にソロプレイルールが追加されています(現在英語のみ)。
見た目から想像していたのとはかなり印象が異なるゲームですが、文明発展レースだと理解すれば面白いゲームだと思います。